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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

本法寺と妙蓮寺の名宝

京都の非公開寺院の特別公開を二つばかり見た。
石清水八幡宮の件は既に挙げたが、妙蓮寺のほうはまだだ。
その妙蓮寺で見たものについてと、堀川通りを挟んだご近所の本法寺の名宝についての感想を挙げたい。

妙蓮寺はその名の通り日蓮宗の古刹で長谷川等伯とその一派の作品がたくさん残っていた。
お寺はたいへん良い感じだった。
適度にフレンドリーなお寺で、街の中にある利点も生かしている。
やっぱりそれくらいの俗気がないと入りにくい。

お庭は羅漢の庭といい、白砂と岩が配置もよく、目に楽しい。
宝物殿と本殿とで襖絵などを公開していた。

襖絵は長谷川派と現代の幸野豊一(幸野楳嶺の孫)の仕事だった。
長谷川宗卓の吉野桜図も桜がいい感じ。

松桜図はガラスケースに入っているのだが、その下に応挙「七難七福図」の模写下絵(山本久河)がズラーーーッと開き、ついついそちらに目が行ってしまった。
奥書院にも松桜図。

まぁ人間というものはヒサンな絵というものを黙ってジィーーッと見てしまうものです。
先般相国寺の承天閣美術館で本物を見たところなので、またジィーーーッと見てしまった。

全編を模写したわけではないようでところどころ絵巻から省かれたものもあれば、原本よりはっきり描いているものもある。井戸周りで惨殺された妊婦の腹からにこにこした胎児の姿とかね。色指定のメモもある。

メインはやはりこの鉾杉図の襖絵。
イメージ (43)

金地に描かれてはいるが、華麗さよりも静けさを感じさせる。そこが狩野派との違いなのかもしれない。
派手な色調の作品であっても、どこかに静かな…侘び寂びに近いものを感じることが多い。

新しい襖絵は銀地に八つ橋や水仙などの絵で、現代味と伝統美の同居した、いい感じの絵。
幸野楳嶺の血筋は活きていたのだなあ。

他に牧谿の「寒山図」がある。横向いて髪をくくった少年姿。
知らない画家だが林良の「花鳥図」鷺に翡翠がいる、それもいい。
そして大山忠作の一年一作の連作もの。
これはどうやら亡くなるまで続いていたようだ。

いいものをたくさん見て、いいところに来て、楽しかった。
また今度公開のときにも来たいし、誉の御会式桜も眺めたい。


道を挟んだご近所の裏千家茶道資料館では「本法寺の名宝展」。こちらは「光悦・等伯ゆかりの寺」とある。
そこへ行く前にちょっと水火天満宮の方へ出てから下がると、立派なお寺がおいでおいでする。
ちょっとだけ中に入ると、これは茶道資料館に隣接するお寺ではないか。
立派な本堂に立派な杉が林立。
そして向こうに「等伯涅槃図」の案内がある。
……こここそが「本法寺」そのものだったのですよ~~~
もう今年で20年も茶道資料館に来てたのに、今の今まで知らなんだ!!!
等伯の涅槃図言うたらめちゃめちゃ長いやつですがな!
見ましたよ、東京でも京都でも!ヒーーーッ
(その時の感想はこちら

イメージ (26)

ここのお寺は例の「鍋カブリの日親上人」のお寺ですがな。
暴虐な、としかいいようのない足利義教将軍による法難ね。
光悦の父も将軍に投獄されて、獄中で上人と仲良くなったわけです。
だからここのお寺には光悦の拵えたお庭があるそうです。
あー、ほんまにごめんなさい。知りませんでした。しかもこの日は忙しくてちょっとそちらには行けません。またの機会にお参りします。

というわけで、茶道資料館。
このお寺はあの将軍に焼かれたりなんだかんだとあったのだが、まぁ上が変わると安定もして、したが今度は聚楽第建築のあおりを食って、ここに移る。
千少庵もほぼ同時にここへ。それから400年のお隣さんのお付き合いやそうです。
一旦天明の大火でどちらも焼け落ちてしまったそうだけど、それでも復活して、やっぱりずっとお隣さん。

イメージ (27)

酒呑童子絵巻 三巻 わたしが見たのは、もう頼光一派が偽山伏として酒呑童子に謁見しているところ。鬼たちはみんなのんびり。童子は髪型は童子型とはいえテンクルである。
伴天連ぽいような髪形。

開山日親上人徳行図 片山尚景 1704年 にぎわう境内。シンプルな線でほんわかムード。

紫紙金字法華経幷開結 伝・小野道風 色合いが綺麗。

花唐草文螺鈿経箱 光悦 「法華経」という文字が表にある。李朝螺鈿に倣う名品。たいへん綺麗。そしてその寄進状も共に展示。

撫肩釜 銘・月之釜 光悦秘蔵の釜。「月夜に釜ぬき」…ではないよねえw

青花芙蓉手蜥蜴文大皿 明~清時代 縁には桃・巻物・蓮の吉祥もの。見込みに牡丹と蜥蜴。…色んなの見てきたが、トカゲやヤモリ、イモリを文様にしたのを見るのは初めて。

青樂のいいものをいくつか見る。香炉、花瓶、燭台など。いずれも綺麗な金色で文様が入る。長入の作らしい。

赤樂茶碗 了入 二口。一つはノンコウの「鵺」を思わせるものだった。

消息 等伯宛て(龍之図消息) 日通 1599年 天明の大火でその絵は焼失したが、日通上人さんが絶賛する内容だったので、後世に残ってたらなあ。

等伯画説 日通 1592年 研究の第一級資料品。あいにくわたしは読めない。

十六羅漢 狩野元信 1551年 四幅の内二幅 滝の前にいたり色々。

蓮華図 二幅 伝・銭舜挙 元時代 薄紅色がとても綺麗。蓮と同色の水辺の花は形は河骨のようだった。

唐獅子図 狩野山楽 桃山時代 これは前に見たが、去年の山楽・山雪展には出ていない。
どこで見たかなあ。
親獅子の右下に塗りつぶされた仔獅子がいる。見えているよ。

葡萄図 愚庵 室町時代 墨の濃淡で葡萄をおいしそうに描く。外線で葡萄の丸々した様子が見て取れる。

牡丹図 河村若芝 1697年 いかにも長崎の絵。白と赤(紅ではなく赤)の牡丹がくっきり。

瀬戸茶入 これは釉垂れがヒトの顔みたいに見える。

伊賀茶入 白い。伊賀とは思えぬくらい白い。

樹下螺鈿四方盆 明時代 20x20くらいのサイズで縁に木花、中に草が描かれている。素敵な細工だった。

鬼瓦 鬼面の代わりに桐が。

都名所図会 おお、この本法寺、さっき行った妙蓮寺、去年行った報恩寺、それから大応寺に千宗佐宅。リアルですなあ。

5/18まで。
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