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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

武家の都 鎌倉の仏像 迫真とエキゾチシズム

奈良国立博物館に鎌倉の仏像さんたちがお出まし中である。
奈良と鎌倉の共通は「大仏さま」だが、さすがにあの巨躯にお出まし願うたり、お出かけあそばしてもらうのは気が引ける。
しかし人間サイズくらいの神仏像なら、「たまには遠足気分で」とか「衆生済度のため」とかなんだかんだ申し上げて、お出まし願えるわけです。
イメージ (92)
チラシは初江王坐像と艶めかしい水月観音菩薩遊戯坐像。
「迫真とエキゾチシズム」という展覧会副題が大納得の様相ですね。

さて、鎌倉国宝館に鎮座まします薬師如来さんとその眷属の皆さんがお出迎えです。

薬師如来及び両脇侍像 3軀 :中尊:平安時代(12世紀)、両脇侍:江戸時代(17~18世紀) 鎌倉国宝館
正直、記憶がなかったのだが、国宝館にいてはるなら見てるはずやなと思いつつ失礼したが、写真資料を見て納得。スンマヘン、十二神将に守られている方々でしたな。
国宝館より照明が明るいからとかそんな言い訳は出来ひんなあ。

十二神将立像 12軀 :8軀:鎌倉時代(13世紀)4軀:江戸時代(17世紀) 鎌倉国宝館
いつも配置正しく並んではる十二神将が横並びなのは新鮮な感じ。
1/1フィギュア風な面白味がある。

こちらは十二神将のお犬さまの伐折羅大将。イメージ (20)
12人の中でもとりわけ人気のある方ですね。

国宝館での配置正しい場で見たときはそんなこと考えもしなかったのだが、今はそんな風に見ている。きっと鎌倉で再会すればまた有難味が湧いてくる。
それぞれの個性を楽しませていただいた。
…そういえば奈良博の常設の十二神将はみんな一列並びでしたな。
それにしても「戌神」だと尊い感じがするのに「犬神」だとオドロオドロになるなあ。

毘沙門天立像 1軀 鎌倉時代 清雲寺 兜が開く。口元剥落、それがまるでアイスクリーム食べて汚したみたいな風で、ちょっとばかり可愛い。

薬師如来坐像 1軀 鎌倉時代(13世紀) 寿福寺 金の下の赤が出ている。この坐像と明治初に鶴岡八幡宮からお寺へ写されたそうな。

文殊菩薩立像 1軀 鎌倉時代(12~13世紀) 阿弥陀寺 綺麗。腰の布も上は緑で裾は赤。善財童子も…?

初江王坐像 1軀 鎌倉時代 建長3年(1251)円応寺 チラシを見て分かる通りグッと力の入る、いい姿。目ヂカラは半端ではない。基本怒った顔なのでいよいよ力強い。

俱生神坐像 2軀 鎌倉時代(13世紀) 円応寺 二人とも阿吽はいいけど、にゃはーフェース&ぬふふェースですな。コワかわな二人組。巻物開いてヒトサマの過去の善行・悪行をチェック!

鬼卒立像 1軀 鎌倉時代(13世紀) 円応寺 こいつがまた可愛くてね。よく働きそうな手足をしている。しかし肩幅が広すぎでその割に胸が細い。

檀拏幢 1基 南北朝時代(14世紀)円応寺 アノ、顔が二つのあれです…女と憤怒と。

阿弥陀如来及び両脇侍像 3軀 鎌倉時代(13世紀) 光触寺 「頬焼け阿弥陀さん」という伝承があるそうな。法難の多い鎌倉時代。

鶴岡八幡宮から行道面が来ているが、このあたりはパス。

イメージ (18)

阿弥陀如来及び両脇侍像 3軀 鎌倉時代(13世紀) 常楽寺 木製で、すっすっとした顔。

千手観音菩薩坐像 1軀 鎌倉時代(13世紀)建長寺 ああ、なんかすごいな。てんこもり。

観音菩薩坐像 1軀 鎌倉時代(13世紀) 浄光明寺 首かしげてのポーズ。髷は高い。高過ぎる。ううむ、何か別なものに見えて仕方ない…

阿弥陀如来立像 1軀 鎌倉時代(13世紀) 浄妙寺 わたしは本当に仏像に詳しくないので知らないのだが、「善派」とやらの仏師たちの仕事らしい。

釈迦如来坐像 1軀 鎌倉時代(13世紀) 極楽寺 珍しい手付きやなと思ったら「転法輪印」らしい。

伽藍神像 5軀 鎌倉時代(13世紀) 建長寺 道教の神様。目を見開いている。

文殊菩薩坐像 1軀 鎌倉時代(13世紀)常楽寺 波の上にいるという設定だそうで、そんな台の上に立つ。カラフルな光背。ふっくらした良さ。

地蔵菩薩坐像 1軀 鎌倉時代(13世紀) 浄智寺 不思議な魅力のあるお顔。これをエキゾチックというのかもしれない。

地蔵菩薩坐像 1軀 鎌倉時代(13~14世紀) 伝宗庵
地蔵菩薩立像 1軀 鎌倉時代(13世紀) 浄光明寺
帽子のような髪のようなものが乗る。
そういえば怪獣博士・大伴昌司がプロデュースした少年マガジンの巻頭グラフでの、南村喬之の怖い絵が思い出される。
「日本の秘境」シリーズ「死霊と語る夜」で小さな地蔵堂の中いっぱいに集まった人形や千羽鶴や目の絵馬、そして大きなお地蔵様。そのお地蔵様のアタマにはこれまた巨大な陸軍帽がかぶせられていたなあ。

不動明王立像 1軀 室町時代(16世紀)神武寺 山岳信仰のお寺だとか。珍しくまっすぐな目のお不動さん。

水月観音菩薩遊戯坐像 1軀 鎌倉時代(13世紀)東慶寺 くだけた感じでゆったり座る。遊戯坐とはそういうこと。宋・元文化の影響とか。それで鎌倉にしかおられぬとか。
いい雰囲気の艶めかしさもある。綺麗で艶っぽくて、という辺りがとても魅力的。
駆け込み寺の仏様か。

韋駄天立像 1軀 鎌倉時代(14世紀) 浄智寺 ちょっと小柄だがテキパキしていそうな感じ。さすがに韋駄天さんだけに精悍さもある。なんだか今にも走り出しそう。

達磨大師坐像 1軀 南北朝時代(14世紀) 寿福寺 現存最古の達磨大師坐像だそうだ。南北朝。達磨信仰は大体いつから日本に入ったのだろう。そしてなんで高崎がだるまさんの産地になり、加古里子(かこさとし)は「だるまちゃんとてんぐちゃん」を書いたのだろう。

白衣観音像 1幅 中国・南宋(13世紀) 建長寺 こちらも艶めかしい立膝ポーズでたいへんくつろいではる。右下には善財童子が手を合わせている。
それにしても薄い胸に薄絹をまとう観音さんのなんという艶めかしさよ。

五百羅漢図 6幅 中国・元(14世紀) 円覚寺 4幅 から2幅ずつ 糸巻き少年が可愛い。オッチャンらはちょっとスル―してしまった。

被帽地蔵像 1幅 朝鮮半島・高麗(14世紀) 円覚寺 朝鮮らしいピンク色。肌がピンクに塗られているのも他ではあまり見ない。狛犬がやせている。よくないですな。

南北朝の坐像色々。
宝冠釈迦如来坐像 1軀 南北朝時代(14世紀) 建長寺 
地蔵菩薩坐像 1軀 南北朝時代 永徳4年(1384)来迎寺
釈迦如来坐像 1軀 南北朝時代 康安2年(1362) 東京 光厳寺
不動明王坐像 1軀 南北朝時代 観応2年(1351) 長安寺
唯一東京からの仏さまも。

実在人物の坐像はちょっとパス。

阿弥陀如来及び両脇侍像龕 1基 平安時代(11世紀)英勝寺  なんとこれは一枚板。ミニ三尊。台には獅子もいる。すごく濃やかな仕事。

弁才天坐像 1軀 鎌倉時代 文永3年(1266) 鶴岡八幡宮 国宝館のヒロインの一人。折々にお召し替えもされる。琵琶はお持ちやないが、指先は演奏の形。
着物の色が違う画像が二つあるのでご紹介。
イメージ (19) イメージ (21)

天神坐像 1軀 鎌倉時代 弘長元年(1261) 荏柄天神社 これはまた厳しいお顔。

十二神将立像 12軀 11軀:鎌倉時代(13世紀) 1軀:江戸時代(17~18世紀) 奈良国立博物館 こちらはなじみの方々、30cmフィギュア風。顔だちも色々違う。
やっぱり個性があるのはいいねえ。

阿閦如来坐像 1軀 鎌倉時代 元亨2年(1322) 覚園寺 アシュク如来。覚えましたよ、この字は別なところで~~

薬師如来坐像 1軀 鎌倉時代 永仁4年(1296) 九品寺  にこにこ。石造の薬師如来。とても優しそう。にこにこ。
やっぱりね、薬師如来さんはやまいを癒すお力をお持ちでしょう、だからこうしてニコニコされてると「ああ、きっとよくなるに違いない」というキモチが湧いてくるよ。そしてそういう感覚はとても大事やと思うね。
純真な信仰心というものが静かに湧いてくるのはこうした仏さまの前に立つときかなあ。
(これはもう鑑賞する、ということではなく拝観する、ということになる)

最後に懸仏が六面登場。微妙に全部違う構成になっている。
十一面観音菩薩懸仏 6面 長谷寺
①鎌倉時代 嘉暦元年(1326年)
②鎌倉時代 元徳3年(1331年)
③鎌倉時代(14世紀)
④鎌倉時代 元徳2年(1330年)
⑤鎌倉時代(14世紀)
⑥室町時代(14~15世紀)
獅子がいたり、瓶が置かれていたり、縁に仏具が刻まれていたり、波間に立っていたり龍もいたり、と色々見どころが違います。

来月辺りまた鎌倉に向かうから、こちらにおいでのどなたかにお会いすることもあるやろうと思う。
鑑賞する前に、お礼の気持ちをもって、対したいと思っておるのでした。
6/1まで奈良に皆さんおいでです。
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