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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

5月、2度目の東京ハイカイ録

5月2度目の東京ハイカイ。
展覧会の細かい感想は後日。

朝から三ノ輪の樋口一葉記念館に行った。下谷竜泉寺町に一家がいたことの縁で半世紀ほど前に建てられたのが、近年新築された。
今回は「樋口一葉と硯友社」という企画展なので喜んで向かった。

明治の女の生きづらさ、生活苦、封建的な無教養無学を美徳とでも考える母親による学問の道の閉鎖、それによる進学の断念、何もかもたまらなくなった。
そんな母親を養わなければならないのは業腹やないのか、と思いつつ見て回るが、息苦しさにやられた。

硯友社の作家たちとの作品比較はたいへん興味深かった。そして「にごりえ」は現代に直結すると思った。
カルメンもお力も皆可哀想に。
そう言えば「この子」は一葉の口語体小説だった。
いつかこれは読もう。

わたしは同時代に活躍した作家では泉鏡花を偏愛しているから、そちらの紹介も目当てだったが、つらい展示だった。
貧乏と無理解は罪だ。
一葉、及びその作品をコミック化したのはいくつもよんだが、やはり痛々しかった。

わたしは逃げた。

西洋美術館でカロの細密すぎる銅版画をみる。
わたしは裸眼で案外細かいところも見るが、皆さんは拡大鏡や単眼鏡で凝視。
拡大化する細部は悪夢のようではないか。

差別の意図はなくとも(そういうことをわざわざ挙げること自体が実は差別的なのだ)、ゴッボたちやコジキたちを描いた作品は見るのが苦しかった。

なぜわたしは自分が苦しくなるものばかり見るのだろうか、いや、見なくてはならぬのだろうか。

次に平野啓一郎がキュレーターとして選んだ作品を見る。題して「非日常からの呼び声」。
これは我々いわゆる美術ブロガーのしていることの拡大版だとみなすべきかと思う。そうでなければ、彼の作品選択の意図やそれぞれの作品に寄せられた文章、感情、思想は嫌なものになる。これらからある種の傲慢さを感じとる読み手はいるものだ。

欝屈した気分を晴らすのは気合いの入った食事だ。
わたしは初めて農水省の食堂・咲くらに行き、イワシ鯨のステーキと竜田揚げをいただいた。おいしかった。日本人として鯨文化を守りたい、その気持ちからの予定だったが、思想も主義も無関係に、美味しいものは美味しいのだ。
これが一番大事だ。

わたしは意気揚々と出光美術館に向かった。

日本絵画の魅惑、その後期を見る。
たいへん良いがそのためにか、なかなか感想が書けなくて困っている。
帰宅したら書こう。

出光美術館でわたしはぐったりさせてもらいました。
ありがとう♪

フィルムセンターに行く。
「夕日と拳銃」を11年ぶりに見たが、やはりよかった。あのとき見えていなかったものが見えたり、思わなかったことを思ったり。感銘を書きたかったが、キーボードがないため、スマホに打ち付けるが、完全には伝えきれない。わたしはキーボードでしか本当には感想を書ききれないのだ。

あふれる歓喜は誰にも伝えきれない。深い孤独がある。黙ったまま余韻を噛み締めるが、苦しい。

近くのブリヂストン美術館で「チャイナドレス」展を見る。何があろうとこの順で見たかった。この日のこの流れが大切なのだ。
そしてわたしは「観賞する」。いつ以来か、「貴婦人」のタピストリー以来か。観察ではなく観賞するのは。
孤独な歓喜はいよよ深まるが、それは苦痛に等しい。
わたしは飯田橋に感情を捨てにいった。

2日目。
昨日は朝からマジメ過ぎた。トウカイ(スマホにはあの単語がない!)して生きる者がそんなマジメなことを書いてなんとする。
アホですな、わし。

鎌倉に行く。ほんまは金沢文庫「徒然草」に行くつもりやったが、来月の方がいいので延期。なんしかサントリー美術館「徒然草」と合わせたら相乗効果あるでしょう。

9時前に鎌倉につくとさすがに小町通もガラガラ。わたしのアタマの中の鎌倉はやはり立原正秋ですな。

清方記念館に。今回は特別展で東京富士美術館の所蔵が来ていて、知らない作品も多々。対の乙姫・三保の天女は完全に初見。
海底と天界の女人。
新刊がある。鏡花の挿絵を集めた七巻が完売したのを機に拵えたそうな。欲しいが、知らなかったために仕度が出来てない。本は重いのだ。次回あることを期待しよう。

ハマに戻り、まずは日本大通りに。ユーラシア記念館で中国版画。めでたさもほどほど、というのは日本人だけやね。
過剰な福求めはしかしホホエマシイ率直さを見せる。
キッチュな面白味はやはり好悪が分かれるが、わたしは楽しかった。

シルク博物館に初めて来たが、上古から明治までの服飾の変遷を生人形のようなマネキンらが見せてくれるのがいい。特に鎌倉時代の武家童男旅装と壺装束の婦人が、なにやら厨子王と母、または石童丸と千里御前とに見えて仕方ない。
そして上古のみづら男子がやたら美青年なのもいい。
わたしとしては勝手にヤマトタケルやと呼んでます。
他には幕末の養蚕関連浮世絵もたくさんあった。

外ではトライアスロンしてる。二階から応援。誰が勝とうと応援。みんなガンバれ。

馬車道では神奈川歴博前でかちんうどん。揚げ餅にはこの出汁もいいが、大阪人にはやたら醤油な汁なので、テーブル備え付け蕎麦湯で割る。前回も同じことしたな。

「繭と鋼」。昨日は農水省でうごめくカイコを見たばかり。カイコに邂逅。
さて個人コレクションの横浜古写真などの展示。好きな人には垂涎もの。ただわたしは明治初期より大正の写真が好きだから、多少冷静に見ているね。
常設にも関連の作品がある。真葛焼のお猫様の花瓶も見てご機嫌。

ハマ美で木版画を見た。2度目。う~ん、やはり幕末から戦前の作品やな。
現代のを見て前半のいい心持ちがそがれる。

そごうの「機関車トーマス」原画展、これが予想外に良かった!いやいや、それはわたしがトーマスの世界と無縁だったからやな。
苦味もあり、面白かった。働きたい機関車とのらくらな機関車などなど、面白かったなあ。
イギリスらしいウィットもあり、同じく労働者であるわたしはトーマスたちにシンパシー覚えたよ。

恵比寿まで一本。本日初日の山種美術館「クールな男とおしゃれな女」楽しみました♪馴染みの絵もこういうコンセプトで並ぶと、随分違った魅力が発揮されて、ホント、カッコいい♪

5時から隣の六本木に出て21- 21でおコメの展覧会に参加。ここは見る<体感する・体験する、なところ。
わたしのおみくじが面白すぎ。全体運「もはや神」てなんやのん。
笑うぞ~
コメ粒にも字を書いた。「遊行」。ははは。

最後に新宿の紀伊国屋書店に行くのに道を間違え、大彷徨。大咆哮やないよ。
方向音痴というよりアタマが地図と情報を整理しきれず、体力があることが状況を悪化させたのだ。
諦めた途端に道が開くのもいつものパターン。

しかし新宿の人口密度は普通やないな。
なのにわたしが最初に見かけた子を帰りしなにまた見た。別な場所でやけど。
びっくりしたわ。

紀伊国屋書店の地下でカレー丼とうどんを食べて元気になり、ホールで角川書店の表紙絵をみる。
横溝正史のチラシを見てたら関係者の人が「さっきまで来られてたんだよ」とのこと。そうか、惜しいな。
わたしは特に「病院坂の首縊りの家」の絵が好き。

本屋をハイカイし、この日は24000余歩を歩いた。

三日目。
半日を武蔵小金井の江戸東京たてもの園にて過ごす。
その中身はツイッターでかなりしつこく中継したが、後日また改めて、以前の写真も含めて記事にします。

ああ、いい3日間でした。
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