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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

鎌倉 鏑木清方の終の棲家

鏑木清方の人気は今も高い。
鎌倉の記念美術館では特別展が開催され、所蔵品だけでなくゲストとして東京富士美術館から名品が来ていた。
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「鎌倉 鏑木清方の終の棲家」
清方が鎌倉に住まいを移したのは終戦直後の昭和21年だった。そして29年には今この美術館のある地に移り、以後亡くなるまで住んだ。
今回の展覧会は鎌倉時代に描かれた作品が集められている。

美人四季の連作がいい。東京富士美術館の所蔵品である。
昭和25年の作品。
春 新春の粧 薄紫の着物の娘が藤娘の羽子板を抱えている。背後には白梅。髪飾りにはテッセンのような形のものをつけている。
夏 山百合 夏旅の山駕篭に乗る女がふと見上げた先に大きな山百合。たばこを吸おうかという手を止めて、じっと見ている。
秋 芳宜の細道 萩のトンネルを楽しむ女。紫のパラソルの房が指にかかり、指輪のようにも見える。
冬 灯火の読書 綺麗なランプに更紗のクロスがかけられたテーブル。傍らには大きな火鉢。白い腕がのびる。

台所にあるものをスケッチしたらしき作品もある。
カレイ、アジの開き、牡丹など。
いずれも優しい筆致。

昭和44年「今様絵詞」として出品された作品群の下絵がでていた。
「高野聖」「庄屋やしき」「主なき大広間」 これらは物語からのものかと思う。
「高野聖」は女と向かい合う僧のいる場。清方はこれまで何点も「高野聖」を描いているが晩年に至ってもこうして魅力的な絵を描く。
「主なき大広間」は掛け軸が荒れている。このあたりは「雨月物語」の「蛇性の淫」を思い出す。
ほかに「月の江戸川」「美人」「下町に灯のともる頃」「大橋際のむき身屋」などがある。首に布を巻きながら貝のむき身を作る女。清方が実際に見た風景なのだろう。

三菱銀行 昭和31年 立派な建物を背景に母と子がほほえむ。明治の風景。

小栗風葉「麗子夫人」のための口絵「春の人」がある。
明治の頃は口絵の仕事が多く、その人気が高すぎて神経が弱ったのだが、しかしやっつけ仕事ではなくいい作品が多い。

対幅がある。
竜宮の乙姫、三保の天人 どちらも東京富士美術蔵。
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これらは大正九年だから本郷龍岡町時代か。
ふっくらした二人の美人。海底の美女と天界の美女と。

朗羅 こちらも戦前で東京富士美術館蔵 裕福そうな女とローラーカナリア。絨毯、スリッパ、鳥かご、なにもかもがモダンな生活ぶりを思わせる。

いいものを見た。5/21まで。
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