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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

再現!道頓堀の芝居小屋 道頓堀開削399年

明日まで開催中の大阪くらしの今昔館「再現!道頓堀の芝居小屋 道頓堀開削399年」展に行った。
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ここの企画展は小さいながらもいつもハズレなしというスグレモノだが、どうも宣伝が足りないような気がする。大阪市だからかもしれないが。
こんなおそおそに行かずとももっと前から知ってたら、という恨みもある。
いい展覧会だけに惜しい。

かつて道頓堀には五座があり、「芝居といえば道頓堀」といった趣があったが、いろいろな歴史の中でなくなったり復活したりした。
その界隈のにぎわいを味わうのが今回の展覧会の目的なのだった。

入るとまずは明治の道頓堀のにぎわう様子を描いた浮世絵の拡大パネルがお出迎えである。
人力車がたくさんある。大大阪になる以前の道頓堀のにぎわい。
そして室内に浪花座のハリボテが建てられていた。テントで覆われた空間にはモニターがあり、展示資料の数々が映し出されていた。
それを見ていると昔の無声映画を見ているような気になってきた。

その空間にはほかに浪花座の模型があった。精密な構成である。
棟梁の中村儀右衛門の残した設計資料を基に作られた模型だった。
外観は洋館風だが中は桟敷席もある普通の小屋(劇場)である。

ガラスケースと壁面展示を見る。
洋画家志願の山田伸吉による舞台装置の下絵などが並ぶ。
歌舞伎では「忠臣蔵」「鈴ヶ森」「四千両」「暫」「車引」など。
新劇の舞台装置も多く、タイトルはわからぬままだが、タツノオトシゴとかたつむりとパールとで出来た宮殿や、かつての日本人が想像で描いた南蛮図めいたもの、インドネシアの切り絵をうまく取り入れたもの、ジェットコースターの湾曲の中に三尊像、などなど。

山田は東京で絵の勉強がしたかったそうだがそうもゆかず、引き留め工作を受けて、大金を手に入れてたそうだ。
その山田は松竹座の「松竹座ニュース」の毎回の表紙絵を担当していた。
表紙絵はアールデコ、アールヌーヴォー、構成主義、ビアズレー「サロメ」の埋葬などを転用したものなどさまざまあった。
わたしは中でも絶望的な顔をした壁の左右にあるアーチ型の出入り口の絵が気になった。
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関西と縁の深い劇作家・北条秀司、研究家の三田純市らの本の装丁もしていたようだ。

かつての上演ビラなどもある。番付も素敵だ。イメージ (6)-2

明治の「赤色」を多用したものもある。演目を見ると「小栗」など珍しいものがみえた。
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ほかにも関西と縁の深い絵師の絵も見えて興味深い。
ちなみにこのビラの周囲をよくよくみるとわんころが8匹いる。
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8匹の犬とはすなわち八犬伝である。
可愛い。イメージ (7) - コピー

明治45年の芝居番付には「平家蟹」の演目名も見えた。岡本綺堂の芝居だと思う。一度だけ今の福助の官女で見ている。

上方浮世絵も何点か出ていた。今ちょうど大阪歴博でも上方浮世絵展が開催中なのでいよいよ楽しい。
よし国、芦ゆきらの芝居絵が並ぶ。
菅楯彦の作品の複製もある。さすが。

そしてチラシに出ている「助六」と「紙治」の肉筆画も出ていた。
どちらも魅力的な様子である。イメージ (8)

芝居小屋の設計図や当時のにぎわう写真資料なども多く、とても見ごたえがあった。こうした展覧会はとても貴重だと思う。
関西大学の協力の下で開催されたというが、今後もこうした展覧会を希望する。
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