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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

高野山1200年至宝

阪神百貨店で「高野山1200年至宝」展をみた。
チラシは空海像のアップ。イメージ

正式には「弘法大師像(萬日大師像)」室町時代の作で金剛峯寺所蔵。
「ふれる空海」というコピーに不審なものを感じたとしても、それは最後に氷解する。

それにしてもこのチラシはヘルツォークの「キンスキー、わが最愛の敵」を思い出させてくれる。ロゴの書体と配色が、ですが。

高野山の金剛峯寺から仏像が下山してきてはります。
古文書は複製のものがメイン。
そして高野山の風景写真と空海の言葉の現代語訳とを壁面展示することで、観客に空海への親しみ・慕わしさとを感じさせる。

わたしは真言宗の人ではないから空海の生涯についてもあまり詳しくは知らない。
今回の展示はそうした知らなかったことなどを知ることになった。
偉大な宗教家の生涯を追うことができた、といっていい。

壁面には「高野大師行状図」江戸時代 名シーンがピックアップされていた。
やはり狩場明神との出会いシーンがいい。

イメージ (2)

木造大日如来像 宝冠や胸飾りの豪華さ。顔立ち、体つき、とても綺麗だった。チラシ最下右にあるが、実物の綺麗さはあいにく届かない。

不動明王と二童子 可愛い童子たち、強面の不動さん。

愛染明王像 真っ赤になって吠えているように見えた。

絵も不動明王と二童子図がある。セイタカ・コンガラは左右に分かれているが、ここでは倶利伽羅竜がいるので右に童子二人は寄っていた。

稚児大師図 正智院 緋の衣がいい。おかっぱの真魚ちゃんが可愛い。

清盛が奉納した「血曼陀羅」の複製品が出ていた。大変大きなもので、これは凸版印刷のデジタル復元製品で色もなかなかはっきりしている。

大河ドラマ「平清盛」では弟の死を聞いた清盛が作っていたシーンがある。頭の血というのがなにやらすごい。
この実物は以前に展覧会で見ている。

真如大師像という肖像画が後世の大師図の基礎になったそうだ。弟子の真如親王が描いた絵。
ここにもそれを元にしたものがある。

真如親王は澁澤龍彦「高丘親王航海記」の高丘親王である。嵯峨天皇の皇子だった。

空海は神秘体験をしている。明星が自分の中に飛び込むのである。
古代の三人の偉大な宗教家の一人だけに、様々な神秘的な伝承がある。

その空海が所持していたという金の念珠。非常に繊細なこしらえで、とても綺麗。赤い石もともにつながれている。

江戸時代に描かれた「高野大師行状図画」の第三巻と第七巻とが出ていた。

三巻 唐の恵果和尚より密教の後継者に指名される。灌頂の儀式を受ける。それを妬んだある僧がいたが、夢に四天王からひどく殴りつけられる。

七巻 狩場明神との出会い。犬たちとの再会、丹生明神からの土地のプレゼント。高野山での寺院建設。
エヤミの人々、加持祈祷する空海。
やがて東寺も建立する。

(複製だが)入定後、さる僧が奥の院へ進むと、髪も髭も伸びっぱなしの大師を見る。
その剃髪を行う僧侶の絵などもある。

ここから大師の不滅の話が生まれるのか。
そして折口信夫は「続 死者の書」を練ったのか。

唐で最新の様々な技術を学び身につけた空海は帰国後に満濃池の治水工事を三ヶ月で完成させる。
古代において治水工事というものは非常に大事なことだった。中国でも最初の禹王は治水にかかりきりだったし、行基が生きながら「菩薩」と庶民から尊称されたのも、治水工事に熱意をかけたのが一因だった。

満濃池の治水にはアーチ式の堤防工事が使用されているとか。
古代の土木工事に興味が尽きない。

また空海により「讃岐うどんが作られた」という話もあるが、これは唐の時代に「切り麺」の技術が成立したからだそうだ。
そうなのか。麺は唐の時代からか。
それを知っただけでもやはり唐への愛が深まる。

千体弘法大師図 ずらーーーーーっとミニ絵が続く。一枚だけやや大きめで、あとはずらーーーーっと999点のミニ。手書きというのがすごい。スタンプを押したくなる。

チラシ表の像の本物がある。室町時代のもの。
これを九州国立博物館と大塚オーミ陶業の協力でそっくりの像が作られ、隣に展示されていた。
そしてその像の膝に触れてもいいというのだ。
これが「ふれる空海」なのだった。

結縁ということを思う。
平等院の像を現代に新造した像にふれて結縁させてくれたのはサントリー美術館だった。
わたしも拝み、それから膝にふれた。

最後に本当の僧侶たちによる声明を聞いた。いい声だった。
「善財 善財」または「善哉 善哉」という言葉だけがわかったが、あとはわからない。

阪神では四国八十八カ所霊場のお砂踏み体験もしている。
こちらは千円。

古代の本当に偉大な宗教家のありように少しばかり触れて、ありがたい気持ちがわいている。

8/12まで。
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