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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

生誕120年記念 デザイナー芹沢銈介の世界

芹沢銈介の世界展が高島屋で始まっている。
わたしが見たのは日本橋の高島屋で9/23まで。
その後全国の高島屋で巡回が始まるのだろう。
イメージ (4)

民藝関連の展覧会はまず高島屋で行われる。
それは民藝同人がいた時代から変わらない。
高島屋が彼らの発表の場であった証拠だとも言える。

今回は主に4館からの協力で成り立っている。
東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館、静岡市立芹沢銈介美術館、日本民藝館、柏市。
中二つは納得だが、東北福祉大や柏市の所蔵品の豊かさには驚いた。

今年は芹沢の生誕120年の年になるそうだ。
芹沢は長生きで90年近くを生きた。
途中からは人間国宝として生涯にわたり、その「仕事」を全うした。

展覧会は二部構成である。
1.デザイナー芹沢銈介 多彩な造形表現
2.芹沢銈介の目 収集した世界各国の美術・工芸品
いずれも芹沢銈介の美意識のありようがこちらにひしひしと伝わってくる作品ばかりだった。

イメージ (5)

芹沢と言えば型染め絵というのがまず第一に浮かぶ。
彼は戦前に沖縄で紅型の美に出会い、たいへん感銘を受け、そこから独自の世界を歩きだした。
紅型の美に感銘を受けたのはこの芹沢と版画家の前田藤四郎有名だが、二人ともにそこに留まらず、新たな地平を切り開いた。

芹沢の仕事は工芸のくくりに入る。生活と密着した仕事でもある。
彼の拵えたものは普通の人が手にとれるような作品だと言っていい。
カレンダー、暖簾、着物などなど。

特にカレンダーは敗戦翌年の1946年から生まれて、長く作られたようだ。
彼は判じ物・または朝鮮の飾り字のように装飾し、楽しい「文字・数字」を表現した。
これは作風は違うが現代では安野光雅がその道の達者として、楽しい作品を作っている。
人はやはり何かしら可愛い・面白いものが好きだというのが多いらしい。

晴雨二曲屏風 赤・オレンジで「晴れ」を表現し、花菖蒲を描く。「雨」はブルー系で芭蕉を描く。雰囲気の良い屏風である。

軒行灯がとてもいい。9つあり、それぞれ柳・松・雁・鳩の絵、「杉」「吉」「梅」の字に唐草などが表現されている。静岡の所蔵。
これは本当にわたしも欲しい。とてもいい感じ。
ちょっとしたウィットが生きていて素敵。

着物をいくつも見る。
タイ泳ぐ文着物 これは京都近美でも見たように思うが、この着物を見たバルテュスが勧めたか・進めたかで、芹沢のパリでの展示が開催されたそうだ。
デザイン性の高さは洋の東西を問わなかったようで、パリでも人気だったとか。

貝文着物 これは夏の終わりに良さそう。海岸での楽しい記憶が色あせつつある中で着る、というのも、どことなくいい。感傷的であり、しかもさらりと秋を待つ気分で。
なにしろ配色は白地に秋色なのだ。
貝は全て外線がなく色もベタなので、スタンプをぺたぺた押したようで、なかなか楽しい。

布文着物 身頃にも四つずつで袖には一つ。エッシャー風な面白味がある。

芹沢の型染めのための型紙も展示されていた。これ自体が既に芸術だということを、先年の三菱または京近美で教わっているわたしたちは、あやまたずこの型紙をも堪能する。

芹沢のアトリエのあった津村を舞台にした染物もある。
津村小庵文 その型紙もいい。のんびり芹沢銈介。

芹沢コレクションを見る。

以前に静岡のコレクション展のチラシを見たときに載っていたものがいくつかある。

誰が袖屏風 様々な文様の着物がかかっている。どちらかといえば洗練されていない絵で、土臭い感じもする。田舎の物持ちが都風にしてみた、というかんじもある。

華角函、螺鈿大箱 このあたりは朝鮮からの将来品だろう。技術的に素敵な作り。
朝鮮の美術を日本人に教えてくれたのは民藝の人々だったことを改めて想う。

いいものをたくさん見て、映像も見て、ご機嫌になった。
ありがとう、高島屋。
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