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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

曽我蕭白の鳥獣画の探究」

香雪美術館で「曽我蕭白の鳥獣画の探究」展後期を見た。
前期は観に行き損ねた。無念。
イメージ (2)

わたしが蕭白で特別に見たいものといえば、継松寺の「雪山童子図」とパークコレクションの「石橋図」の二作品。
どちらも本物は一度しか見ていない。
そして実物を見る前に新聞記事やチラシで見て、なのにどちらも失うという痛恨のミスをやらかしている。
この「雪山童子図」は千葉市美術館で98年に蕭白展が開催された時のチラシのスター。
そのキャッチコピーがまたとてもよかったのに、なぜか失ってしまった。
展覧会も行き損ねた。
とはいえ、2012年には千葉市美の「蕭白ショック!」に行けたので、それはそれでよろしい。ようやく果たせた、という感じ。

「石橋図」は新聞に紹介されてて非常に惹かれたのに新聞をなくし、それもショックだったなあ。
こちらも2006年のパークコレクションで見れたからまぁよしとしても…。

しかし「石橋図」はまあ来ないのは仕方ないにしても、前期だけの展示の「雪山童子」を再び身に行き損ねたのは、よっぽど悪縁なのかもしれない。
絵だけでもあげておこう。イメージ (5)-8

さて今回の展覧会は三重県の協力が大きい。蕭白は京都に生まれたが、伊勢と播磨の方で活躍し、作品を多く残した。
京でもがんばって、安永四年の「平安人物誌」にも絵師として紹介されている。
「応挙がなんぢゃ」と言うたかどうかは知らんが、大概自意識過剰で誇大妄想的な言動が多かったのは間違いないらしいが、そんな蕭白でも絵の研鑽には熱心でとても真面目だったようだ。

曽我直庵 架鷹図 この絵を見て秘かに勉強したこともあるようで、彼の猛禽たちのいわばご先祖様たちとも言える。
イメージ (4)
そう思えばチラシの鷹のアタマの形が似ているようにも思われる。
鷹の下にはウズラもいて、「今そこにある危機」な状況を呈していた。

鳥獣人物図押絵貼屏風 蜆子和尚、猿と蜘蛛、馬…十分変な人々が描かれている。

自在置物があった。
タカとミミズク。可愛いミミズクとかっこいい鷹。
耳が立ってるからミミズク。

笠森稲荷お仙の図  骨太な墨絵で鳥居と茶店とお仙と客たちを背後から捉える。得意とする妙な人物像でも、晩年の凍結したような風景画でもなく、思った以上に感じのいい、むしろ力強さが心地いい作品。

達磨図 一枚ものの屏風。でかっコワッという大アップの達磨。「この人に子供の頃なんてあったの?」と聞きたくなるようなツラツキの達磨。

貘図杉戸 夜中にこんなものを見たら卒倒するぜ。隷従たる貘がどうみても怪獣。体に浮かび上がる文様も解説では「イソギンチャク」とか書いてるけど、私はこれを見て水木しげる描く「座敷童」を思った。
イメージ (3)
今ちょっと画像見たら「唐草模様」のボディだった。あんな感じよね。

鍾馗図 これは面白かった。刀抜いた鍾馗の前に岩机があり、そこへ鬼がポーズを決めるかのようにしつつ、白梅をローソク立てにしたのを差し出す図。
空には蝙蝠も飛んでいる。

蕭史吹蕭図屏風  秦の穆王の時代の人。それにしても名人の吹く蕭も当人も、近くにいる子供もみんな変。
物語の詳しいことはこちら
イメージ (5)

狼貉図襖絵  狼の鼻先がいつ見ても面白いなあ。カタツムリに蜘蛛もいる。貉は蟹と対峙中。

松に孔雀図襖絵  墨絵の濃淡だけで表現しているが、孔雀の羽の毛の深さ、それを初めて実感した。

洋犬図  ドラえもんの鈴をつけてるが、立派にカメ。洋犬でござる。
イメージ (5)-9

人物山水花鳥押絵貼屏風  寒山、拾得、それよりなにより、トラがいい。立って何かを覗くトラ。爪が大きい。眉は丸い。ファンキーでちょっと怖いトラ。

蕭白は挿絵も描いていた。
奥田龍渓「存心」こころもち  教訓とか書いた本らしい。そこにいろんなエピソードを入れてるわけだが、「のりあい舟」や開け放たれた家の中にいる人々と、庭を走る黒い影の「鉄槌論」、それや犬に追われて木をよじ登る猿の絵もある。
いずれも俳画風な面白味がある。
可愛いのは「衣貝説」。三人の子供らが川のほとりで貝を採ったりしていた。本当に蕭白とも思えぬような素朴な可愛さがあった。
こんな感じ。イメージ (6)
・・・17kbしかないのに大きめの画像になったな…

橘守國、大岡春卜らの著作も並ぶ。この二人はライバルだったそうで、彼らの著書の挿絵を蕭白が学んだかもしれないとのこと。
大舜や犬とか馬の絵があった。

なかなか面白く眺めた。
ほかに仁清や乾山の焼き物が数点。

仁清 桜文透鉢  大ぶりな薄白紅の鉢が桜型の透かしを入れている。
乾山 立葵透鉢  色の濃い鉢で花と葉の隙間に透かしが入る。
乾山 老松向付  銹絵でまったりした松を内外にたくさん。

こういう取り合わせもよかった。

10/13まで。
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