美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

東アジアの華 陶磁名品展

東博の平成館が「日本国宝」展でにぎわっている一方、本館では静かに陶磁器の名品が特別展示され、人々を喜ばせている。
「東アジアの華 陶磁名品展」
日本 ─名品でたどる日本陶磁の歴史─
中国 ─唐時代の出土品、唐三彩を中心に─
韓国 ─充実の高麗青磁コレクション─

3カ国の名品がそれぞれの国立博物館から、満を持して登場している。
配置は中国・韓国・日本の順で、その意味では東アジアの歴史をも見つめるスタイルになっている。
なお、国立博物館以外の所蔵先のみ記す。日本のやきものはほぼ重文なので省略。
中国と韓国とはシステムが違うことから指定品は明記する。

火焰型土器 伝新潟県長岡市馬高出土 縄文時代(中期)・前3000~前2000   なじみの土器もここにあると、その存在感の大きさに胸を衝かれる。かっこいいよ。

朱彩壺 愛知県名古屋市熱田区高蔵町出土 弥生時代(後期)・1~3世紀   熱田から出土ということの意味をよくよく考えたい。

三彩有蓋壺 大阪府茨木市安威出土 奈良時代・8世紀   これは知らなんだ、安威から出土していたとは。茨木も大阪の中でも古い土地だし、隣接の高槻には埴輪ロードもあるしね。

秋草文壺 渥美 神奈川県川崎市幸区南加瀬出土 平安時代・12世紀 慶應義塾(東京国立博物館寄託)   釘掻きで柳を表現しているよう。秋草だから柳じゃないか。芒なのかな。

黄釉牡丹唐草文広口壺 瀬戸 鎌倉時代・14世紀   特別どうこう思ったこともないがやはりしみじみといい。

黒楽茶碗 銘ムキ栗 長次郎 安土桃山時代・16世紀 文化庁  升型で褐色というかココア色。それを剥き栗と表現するのも素敵。妙においしそう。

鼠志野草花図鉢 美濃 安土桃山-江戸時代・16~17世紀 文化庁    色と言い絵柄と言い、中世から近世の良さをしみじみ感じる。

銹絵芦図大皿 唐津 江戸時代・17世紀 文化庁    これもまた和の美を体現したやきものだわな。

織部扇形蓋物 美濃 江戸時代・17世紀   正直なところ織部に惹かれる心は薄いけれど、やはりこの場には必ず織部はなくてはならぬと思うね。

色絵月梅図茶壺 仁清 江戸時代・17世紀   丁度今、出光美術館で「仁清と乾山」展が開催されていて、都内では二人の名品が見れるわけですが、こうしてここでも日本代表として胸を張っているわけです。

銹絵観鷗図角皿  尾形光琳・深省合作 江戸時代・18世紀   可愛さとシブさがいい。雁金屋兄弟コラボ製品はブランド力高かったろうなあ。

色絵牡丹獅子文銚子 伊万里(古九谷五彩手) 江戸時代・17世紀 文化庁    実際に使われたのかどうかはわからないが、可愛い。

色絵花鳥図大深鉢 伊万里(柿右衛門様式) 江戸時代・17世紀   見るからに基本的な柿右衛門様式。こうした場で見ると華やかな良さを感じる。明るくていい。

色絵柴垣図大皿 鍋島 江戸時代・17~18世紀   色々な色の蔦があって、柏餅を中に隠しているみたいで妙に美味しそうである。

中国 ─唐時代の出土品、唐三彩を中心に─ 中国国家博物館

3級文物 灰陶鴞形瓶 河南省輝県琉璃閣出土 前漢時代・前2~前1世紀 フクロウということですな。でも耳が立つからミミズク。丸々していて可愛らしい。

3級文物 加彩方壺 湖南省長沙市伍家?出土 前漢時代・前2世紀   この時代の文物にはなんとなく優しい目を向けてしまうのは、わたしが「項羽と劉邦」のファンだからか。最初にこの手の焼き物を見たのは出光美術館でだった。あの色彩にどきりとしたのだった。

3級文物 緑釉狩猟文壺 陝西省西安市北郊郭家村出土 後漢時代・1~2世紀   土中に長く埋もれていたことで釉薬が銀化してガラス状に変化し、たいへん綺麗。のたくるような紋がはりつけられている。

3級文物 緑釉男子俑 陝西省西安市独孤思敬墓出土 唐時代・景龍3年(709)葬   アフロヘアの黒人ぽい。踊りが巧そう。

3級文物 三彩馬 陝西省西安市韓森寨出土 唐時代・8世紀   三彩というより茶褐色の馬でやや小型。牝馬ぽい感じのする体型。先行逃げ切り型…ちがう、何の話や。

2級文物 三彩馬 陝西省西安市鮮于庭誨墓出土 唐時代・開元11年(723)葬   こちらは精悍でカッコいい馬。白馬で口を開けている。今にも走り出しそう。

3級文物 黄釉胡人俑 陝西省西安市鮮于庭誨墓出土 唐時代・開元11年(723)葬   衣服が黄色。唇には朱色が。

3級文物 緑釉女子俑 陝西省西安市鮮于庭誨墓出土 唐時代・開元11年(723)葬   男装女子。しゅっとしている。

3級文物 青磁龍耳瓶 唐時代・7世紀   伝世品なのか、出土地がないな。二匹の龍が狭く細い口に顔を突っ込んで水を飲んでいる、そんな形。アンフォラとかそんなのよりそう見える。

韓国 ─充実の高麗青磁コレクション─ 韓国国立中央博物館

炉形器台 三国時代・5世紀 (国立金海博物館保管)   模様がなかなか興味深い。

緑釉骨壺 慶尚北道慶州南山出土 統一新羅時代・8世紀 (国立慶州博物館保管)   つまり水上勉の先達と言うわけか、と言うようなことを考えながら眺める。もしこのまま再度焼成すればボーンチャイナに…なりません。

青磁麒麟香炉 高麗時代・12世紀   麒麟と言うより山羊に見えて仕方ない。それは髭のせいだと思う。

宝物344号 青磁蒲柳水禽文浄瓶 黄海北道開城付近出土 高麗時代・12世紀   さすがにこの時代のものだけに綺麗…

青磁竹櫛文水注 黄海北道開城付近出土 高麗時代・12世紀   面白いな。こういうものは初めて見る。

国宝96号 青磁亀形水注 黄海北道開城付近出土 高麗時代・12世紀   玄武ぽい。釉溜りが綺麗。亀甲がいい。国の守り、か。


青磁象嵌牡丹文枕 黄海北道開城付近出土 高麗時代・13世紀 鶴か鷺かはわからないが、平安な感じがある。とても綺麗・やはり高麗青磁の象嵌の美には溺れる。

宝物1168号 青磁象嵌梅竹鶴文瓶 慶尚南道河東出土 高麗時代・12~13世紀 (国立晋州博物館保管)   全体の造形の美にまずシビレた。鶴が飛ぶ梅瓶。ああ、素晴らしい。

青磁象嵌辰砂葡萄童子文水注・承盤 黄海北道開城付近出土 高麗時代・12~13世紀   ジャックと豆の木のよう。ブドウの木をよじ登る子供。いい感じに描かれている。

白磁壺 朝鮮時代・18世紀   豊かな白。
鉄砂龍文壺 朝鮮時代・17世紀   ウロコの銅がみごと。これはもしかすると大阪・中之島の東洋陶磁美術館にある虎の絵の壺と対なのではないか。そんな似方をしている。

青花辰砂山水図有蓋壺 朝鮮時代・19世紀   和やかな世界。文人たちの好むもの。

いいものを見せてもらい、本当に心地よい。
11/24まで。
これに付け足しと言う形になるが、9月に見たのに感想を挙げられなかった「艶めくやきもの 清朝の単色釉磁器」の小さな感想も加える。

三菱一号館美術館で開催されたもの。静嘉堂文庫が休止中なので、こちらでやきものが展示されているのだ。
全て景徳鎮。

紅釉小缸  中は水色、外は貫入でキラキラ。金物の留と言うより飾りが上下にある。それがまたよく似合っている。

火焔紅管耳方瓶 乾隆年間 窯変が素晴らしい。

小さな器が三つ。
臙脂紅釉粉彩花果文碗  見込みに蓮や黄色い花が刻まれている。
黄釉碗 康熙年間  小ぶりで黄色が濃く、とても愛らしい。
緑釉碗 乾隆年間  明るい緑。晴れ晴れする。

藍釉暗花龍文盤 康熙年間  茄子色である。見事な照り。微かな刻みが見える。外側を走る龍。

紅釉盤 雍正年間  やや薄い。というより褪色しているかのようだが、それはそれで不思議な魅力がある。

今は「宋磁の美」展が開催中。1/12まで。
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