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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

日本橋絵巻

三井記念館で、ベルリン東洋美術館から借り出してきた「熙代勝覧」などを中心にした「日本橋」を描いた展覧会が始まっている。
わたしは風俗画が好きなので、こういうものを外せるわけもなく、雪の中出向いた。

「熙代勝覧」は先年江戸東京博物館で「大江戸八百八町」展で見て以来だ。まあ、いろんな人々がいるいるいる。
虚無僧は二人組、お遍路も二人組、座頭も二人組。花売りの兄さんは男前らしいが私にはわからない。
男も女も老人も若いのも子供もみーんないるいる。
遊んでたり働いてたり。
魚屋さんが多い。そうだわな、当然です。
それから駿河町、三井だわ、三井。なーるほど。
面白いです。

出光からも江戸名所図会を借り出してきているが、右隻には芳町もあり、美少年が二人ばかりいた。そう、坊さんを膝枕させている。
左隻の湯女ばかり気にしていたが、こちらにも楽しいものがありましたか。この絵のキャラは顔立ちも可愛らしくて、私は大好きだ。
楽しいなあ。

浮世絵もたくさん揃っている。
まず誰もが知る広重の東海道五十三次の「日本橋」だ。
私などは子供の頃、海苔の「山本山」で見覚えたものだ。
家には広重の図版もあった。
画集五十三次とお茶漬けの永谷園でもらったミニミニ図版だ。
どうも父が好きだったらしい。
私に福田清人の書き起こしの東海道中膝栗毛を与えるほどだったから。
・・・その点、私はたぶん父に遺伝され、洗脳されている。
父と母の趣味はまったく共通しなかったそうだ。
で、娘の私は両方の趣味を共存させている。
めでたいなあ。

さて浮世絵。
広重のだけでなく、北斎の富嶽百景もある。三井が見え、凧揚げが見える。今回この図版がやたら目に付く。
正月だからだろうが、ここと深川とそれからチラシでだが江戸博と、東博とで。今では凧どころか羽子板もなんにも見ない。

駿河町の三井の有様は実に壮観だ。
ずらーーーーーっと三の字を囲む井の字。これが延々と続く。
呉服と両替と。
幕末から明治維新の頃三井は貴族的になりすぎてダメ系になりかかっていたと聞く。しかしえらいもので、立派な番頭が出て立て直し、銀行も作り商船も起こしたと聞く。後に銀行は渋沢栄一らに国有化され、船も三菱と戦い続けて疲弊していたみたいだが、えらいものだ。
だからこんな立派な三井本館が残り、今では見事な美術品を見せてくれるのだ。
大阪人の私は住友を偉いと思うが、それもやはり文化的な面でしか評価していない。三井でも三菱でも住友でも、美術品を見せてくれるだけで「偉い」のだ、私にとっては。

少し話はずれるが、こうした文化的側面がなければダメだと言い切る私は、昨今の新聞紙上を賑わせている連中が大嫌いだ。
余計な口出し手出しを大事な時期にするから、わが最愛の猛虎はコテンパンにやられたのだ、ガッデム!
だからか、連中の本拠地の建物までなんだかにくらしく思えて仕方がない。昔、松本零士のアニメで見たようなあれだ。
必ず自分の位置関係が掴めなくなり、案内人に訊くあの場所。
(己の方向音痴を棚上げしつつ)

話を戻す。
日本橋の賑わいを見ると、井上ひさしの「薮原検校」のあるシーンを思い出す。がやがやわやわやざわざわだあだあ、と人々が行過ぎるシーンだ。だから賑わう絵を見ると、その物音がなんとなく耳に現れる。
そういえば日本橋の移転がどーのとかシンタローが言うてたような・・・
違ったかな。


楽しい展覧会だった。
こうした展覧会を開館記念の次に行うところがいいと思う。
日本橋で生きるのだという美術館の意思表明のようで。


最後になったが、日本橋絵巻だけでなく、よい器もたくさん出ていた。
こうした二本立てがうれしいのだ。
つぎはお雛様か。
こんなお大家さまのようなものではないが、節分が過ぎたら私は私のために作られたお雛様を一年ぶりに出そう。
それがなんとなく、楽しい。
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コメント
お懐かしや、日本橋
 私が当時の三井建設を選んだのは、友人が三井海上に就職したので、「そんなら海上を取って、建設をくっつけて三井建設にしよう。」という、とてもいい加減なものでした(笑)。それこそ、現在は住友とくっついて三井住友建設になってしまいましたが・・・。同期の皆は頑張っているだろうか。
 日本橋は、あの首都高速をなんとかしてもらいたいですねえ。三井にいて良かったのは、本館や綱街三井倶楽部などに行けたことです。(不肖の社員でした。笑。)
2006/01/22(日) 19:45 | URL | xwing #lW1SJDGw[ 編集]
綱町のコンドル
数年前、三井倶楽部に行きました。
ランチいただきましてね。
丁度9/11頃で、乃木邸が開館していました。
コンドルの白い建物にときめきました。
楕円型の天井とか手すりとか。

庭園もよかった。珊瑚樹などがありましてね。
螺鈿で出来た児島高徳の桜か戸板かに『天 勾銭ヲ空シウスル勿レ』の板絵が飾られていましたっけ。
きれいでした。
2006/01/24(火) 11:42 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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