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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

パール展で

今回大雪だったので、本来行く予定の佐倉の歴博もうらわ美術館もあきらめてしまった。
深川江戸資料館?三井記念館?科学博物館?東京国立博物館、と電車の道筋も正しく、駅からも近い場所ばかりを選んだ。

その科学博物館でのパール展が今回の目的の一つで、1/22までだから最終日に近い。
皆さん、パール好きだなあ。
わたしはアンティークが好きなのでそれを見る気で来たのだが、何しに来たのかわからなくなった。
いやとにかくもう、すごい人波だ。
ここ数年庭園美術館、表慶館などでアンティークジュエリーを見てきたが、参ったなあ。どこでも凄い人気だが、パールも人気が高い。
面白いのは、普段展覧会では年齢に関わりなくご婦人方が多いのだが、こと宝石類は男性客も劣らず多い。感心する。
わたしはダメだなあ。

あんまりどころか全く装飾品を飾らない。
昔はイヤリングが好きだったが金属アレルギーを起こしてから一切身につけなくなった。指輪は重く、ネックレスは肩がこるし・・・なさけない。
時計でさえケータイを持つようになったから、という大義を(自分に向けて)立てて、しなくなった。
化粧は(やや)濃いのにねえ。
そのくせ観念的にはジャラジャラ系が好きなのだ。
だからこうして展覧会に来ている。
出た、観念的には。
私の特徴。
観念的に好きなものほど、現実には好まない。



ジュエリーとしてのパールだけでなく、生物としてのパールを見せるのがさすが科学博物館だ。
実に色んな種類があるなあとこれまた感心したし、お客の皆さんの詳しいこと!大概わたしはなんでもよく知ってるなあと自讃し、人にも褒められてエエ気になっているが、ここでは全くの無知だ。
真珠とりといえば「真珠取りのタンゴ」が耳に蘇る。
大好きだ。
この歌はジョニー・デップとジョン・タトゥーロの出た「耳に残るは君の歌声」でタトゥーロが歌っていたっけ。

当然それ用の服や機材も展示されている。
その真珠取りの潜水服をみて、「あっレティシアだ」と思った。
古い映画だが、アラン・ドロンとリノ・バンチュラと女は誰だっけ、とにかく三人の「冒険者たち」の映画が思い出された。
女が死に、残された男二人が女を水葬する。そのときこの機材を身につけさせていたような気がする。

私は昔から純白なパールより、黒やピンクの色の入ったものが好きだ。
御木本真珠島に行ったときも黒真珠を買ってもらった。
バロックも大好き。
しかもそれを加工したものがもっと好きだ。
だからこそ、アンティークがよいのだ。

御木本幸吉翁の話は戸板康二の「ぜいたく列伝」で楽しく読んでいる。
家具まですべて丸い角にしたというのが凄い。
なかなかそこまではゆかない。

神戸には真珠会館といういい建物があるが、生憎まだナマでは見ていない。これこそ見に行くべきなのだが。

真珠は昔から健康法や薬品としても使われたということを私も知っている。クレオパトラは酢に溶かして(溶けないでしょう)飲んだというし、漢方にもなっているし。
あと日本では大村藩のご典医だった長与なんとかがそれを使ったと、今回の展示で知った。長与専斎の親戚筋かな、白樺派の長与・・・度忘れしたな。青銅の基督、項羽と劉邦、えーと。

しかし真珠といえば実は私にとっては澁澤龍彦なのである。
彼の遺作「高丘親王航海記」だ。
この作中で高丘親王は大きな真珠を飲み込む。結果、喉が腫れる。現実の澁澤も喉を悪くしている。
パタリヤ・パタタ姫は言う。
美しいものを得るなら対価を払わねばならないと。
いのちがけ。
高丘親王は美しいもの=真珠を吐き出さず、命を縮める。
そして天竺手前でダメだとわかるや、名案を思いつく。
生肉しか食べない虎をタクシー代わりに使おう。
それで高丘親王は一日に千里を駆ける虎のおなかに収まって、めでたく(?)天竺へ向かう。
眩暈のする話だった。幻惑されてしまったなあ。

これまた観念か。
しかしその観念こそ、真珠の輝きを有しているのだった。



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コメント
レティシア!
「冒険者たち」・・・切なくて見るのが辛いくせに大好きな映画です。
レティシアという名に憧れてました・・・何だかさっきからあの口笛が聞こえて
きて、青い海に沈んでいってしまいそうです。
2006/01/25(水) 21:02 | URL | 山桜 #-[ 編集]
イルカに乗った少年
あの口笛は確かに素敵でしたね。私の耳にもよく流れます。
わたしにとって実は『海』と言えば『冒険者たち』と『太陽がいっぱい』と『島の女』なのです。
それらの音楽が耳に残り、魂に沈む。

波に攫われて消えた音楽が、夜になると静かに浮かんでくる。
そんなイメージが・・・あります。
2006/01/26(木) 00:05 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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