FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

寄らば斬るぞ! 新国劇と剣劇の世界

京橋から早稲田へ出る。
演劇博物館に行く。

イメージ (36) イメージ (35)

古くからある弦楽器がたくさん出ていた。
「響きで紡ぐ アジア伝統弦楽器展」
伽耶琴、和琴などはツィター系、月琴や三味線はリュート系と分かれているらしい。そうだったのか、知らなかった。
ここで一つ一つの音声が聴けたなら、と思ったがさすがにそれはムリ。
大阪のみんぱくではシタールなどが聴けます。

さてわたしが本腰入れて見たのは「寄らば斬るぞ!-新国劇と剣劇の世界」展。
澤田正二郎とその後の人々の資料である。
エンパクのサイトではPVも見られる。
イメージ (32)

サワショウと略称があるほど人気のあったこの俳優は、当初は観客から「カチューシャをやれー」と言われたりもしたが、後にはちゃんと剣劇で客を呼び込んでいる。
当時の演目のチラシを見ると「罪と罰」「カレーの市民」ここらは舶来もの。
「大菩薩峠」「堀部安兵衛」「原田甲斐」「忠治」「白野弁十郎」などなど。
いいのをしていたのだな。いや、<いい>と感じさせるほどにその作品を高めたと言うべきか。
新国劇は澤正で12年、島田正吾・辰巳柳太朗で58年続いたのだ。

イメージ (34)

わたしは島田・辰巳の競演した「人生劇場 飛車角と吉良常」をTVで見たが、よかったなあ。
二人が一つの画面に収まることはなかったように思うが、いい演技だった。

澤正は早稲田卒で坪内逍遥もその縁があった。
何年前か、この早稲田演博でも島田の回顧展があった。
そのとき晩年の島田の一人芝居「白野弁十郎」の映像が流されていた。たいへん良いものだった。
島田の長い芸歴、支柱だった澤正の急死に伴い、辰巳と共に懸命に新国劇を守ったその尊い努力、それらが島田の芸を至高のものにする。
名演だった。

澤正は中耳炎が原因でまさかの急死をする。
それからがんばりにがんばった残された劇団員。
現在は様々な娯楽があるので、かつてのように盛んではないが、それでも続いている。
明治座などに残された芝居看板を見るとそのありようもみえる。
「月形半平太」などは長く人気だった。
歌舞伎も前進座も新国劇も長谷川伸の「瞼の母」「一本刀土俵入」を上演したが、新国劇はさらに下母沢寛の任侠ものもよく上演した。
ときめくなあ。

チラシも文字ばかりのものであっても魅力的だ。ちょっとロシア構成主義からも影響を受けていたり。
大正時代のタイポを見るのも好きだ。いいチラシを見てどきどきする。
イメージ (33)

活動写真の上映コーナーがあり、数分位ずつ様々な映画が流れていた。それに見とれて時間が大幅に狂った。

1909「桜田血染の雪」書き割りの江戸城桜田門の前で水戸藩士の襲撃とその後の自害などが映る。立って切腹した侍もいてかっこいい。向き合って自害するのにもドキドキする。

大友柳太郎の豪快さ、いいねえ! あっ直江お姐さまもおらるる。
「女国定」「女次郎長」、直江お姐さまはアメリカにも巡業して大成功したそうな。

「風雲将棋谷」これまた昔は人気の小説であり芝居になったなあ。大昔の文士劇でもやったはずだ。

モノクロの「旗本退屈男」なんて初めて見た!!えっ右太衛門の御大が地味な着物着てるーーーっっっ
総天然色映画になってからのは甲斐庄楠音が着物の担当したから、あんなに派手派手だったのか。

大河内伝次郎の顔が怖くて怖くてニガテなのだが、ここでも怖い顔が出ていた。丹下左膳ではなく平手造酒。
おお、殺陣のカッコよさ!!ラストのこの立ち回りの見事さ。血を吐く平手大河内。目の下のクマがこえええええっ
その怖さが魅力だわな。

ああ、チャンバラ、無限に見てしまいそうだ。

1920-1930年代の日本映画、本当にカッコいい。
林長二郎主演の「狂へる名君」が画面では「狂へる明君」になっているのはご愛敬。

最後に写し絵を見る。早稲田は幻灯の種板をたくさん所蔵しているのだ。
昨秋にわたしは四天王寺さんで幻灯を見たが、現代のプロジェクターで見るのは初めて。
「勧進帳」「舌出三番叟」「小栗判官」の三本各30枚前後が上映されている。
「三番叟」は可愛らしく、「勧進帳」はちゃんと折檻も描く。「小栗」は説経節ではなく「一代記」の方か。混ざりあうのかもしれない。竜の女や祟りなどが浮かび上がる。
いずれも面白かった。
イメージ (38)

国立演芸場資料室にある種板のうち「小幡小平次」もこんな形で見てみたいと思う。
それから鴻池家のコレクションもまた。

ああ、血沸き肉躍る活動写真をフィルムセンター、早稲田演劇博物館で堪能した。
ありがとう。

最後に昔の道頓堀の芝居小屋の風景を描いた展示も見た。
これは大阪の関西大学所蔵のもので、舞台帳などから。
「芝居町 道頓堀の風景 大道具師 中村儀右衛門と芝居画家 中村伸吉」
大阪では案外こういうものが見れないのでよい見学になった。
イメージ (30)
こんな模型ってそれだけで魅力的。

イメージ (31)

いいものをたくさん見たのでした。

追記:関大で山田の展示品もあったようだ。
資料1つ。イメージ (11)
関連記事
スポンサーサイト



最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア