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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

雪と月と花 国宝「雪松図」と四季の草花

三井記念美術館の「雪と月と花 国宝「雪松図」と四季の草花」展を見た。1/24終了。
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1 茶道具
正直いうと、茶道具を眺めるときは本当にほっとする。利休先生にはわるいが、彼らの時代の緊張感はニガテで、泰平の世になってからの茶道具は可愛いなあ、綺麗なあ、ええなあ、と思うのだった。

粉引茶碗 銘・残雪 平碗はふつうは夏のものらしいが、ここでは銘の通り「残雪」。指紋のような目跡が三つ+α。

備前徳利花入 銘・雨後月 肩に「大」の字。ぼたもちが大きく出ている。可愛いのう。

交趾金花鳥香合 黄牡丹をめぐる二羽の鳥。

色絵桐巴文水指 仁清  いかにもな作り。白の地も綺麗。

春野蒔絵棗 桜草、タンポポ、スミレ、レンゲ、ツクシ、杉菜などが描かれているが、近代的な描き方だと思った。

秋野蒔絵棗 菊、萩に露のついた薄。こちらも近代的な感性がある。

黒樂茶碗 銘・残雪 ノンコウ  ああ、ノンコウ。黄白のハゲが雪の月夜を思わせるのね。ピカピカの黒楽。いいなあ。

極端なことを言えば、ノンコウだけを想い、ノンコウだけを見続けていると、ノンコウ愛が増して、それ以外に違和感が湧いてくる。そして初めて他の樂歴代との違いを知ることが出来るようになる。

菊谷焼十二か月替り茶碗の内 富士山・武蔵野・高台寺菊 和全  富士山は雪を乗せ、武蔵野はざざざっ、菊は白花。

銹絵染付春草文向付/赤樂百合型向付 乾山・宗入  春草はツクシ、ワラビ、スミレ。これは蓋なしだが、蓋つきは湯木美術館にある。好きです。
百合の方は茶がかった赤でシベも可愛い。

布目色絵団扇形食籠 和全  布目なので質感がある。ちょっと抑えた感じのあるもので、色はわりと華やか。ウチワではなく、ダンセンと読ませるのは、中国のを言うから。

2 国宝の茶碗
志野茶碗 銘・卯花墻 想えば最初に見たのはまだ中野に三井文庫があった頃でした。

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3 茶道具の取り合わせ

虎席師錬墨跡「花屋号」 強い字!「花」の下に二連。

大名物 粉引茶碗 白地に竹の一節ぽい。いい感じ。

4 絵画

同じ画題でもがらりと変わるものです。
雪中松に鹿図屏風
素絢 シンプルな屏風。藪柑子の朱色、柔らかな雪、松、富士山のような山。鹿の両足の後ろの柄も面白い。

岡本豊彦 こちらは墨絵淡彩。雄が首をねじて空をみあげる。

秋草に兎図襖 抱一  大和でも見たがやはり可愛いウサギさん。強風にそよぐ萩。

四季草花図襖 朱色の少ない襖絵。ハゲイトウ、タチアオイ、ススキ、野菊。

さてさてチラシを構成する絵がきましたな。
花鳥動物図11幅の内から  やっぱり猫がいいな。あの花を見る横目。笑えるくらいリアル。猫らしい猫。他のもいい。枇杷の下には芥子。取り合わせが面白い。
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東閣観梅・雪山楼閣 川端玉章  景勝地らしい。雪山が殆どモンブランかユング・フラウ。そこの中腹のホテルから見る景色に見える、中国某所。

京都名所十二か月のうちから嵐山花・高台寺萩・清水寺雪 玉章  こちらは京都の名所。いずれも静かな様子。あー松のシルエットが芦雪ぽい。舞台もさすがに無人。傘を差す人々はもう少し別なところ。

5 絵画
続き。

四季草花図色紙 土佐光起  24/50から。花の名前も記してくれている。
わたしは特に桔梗が可愛いと思う。嬉がって全部の花の名をメモってしまったわ。可愛い花たちがいい。

水辺白菊図 光起  のびた花が水面に映る。優雅です。

富士山図 応挙  やや小さな絵。水灰色というのがまた惹かれる。

謡本「頼政」 綺麗な緑地に胡粉か雲母が。

雲月蒔絵二重手箱 ずれた二つの箱を鉛の月が繋ぐ。高蒔絵の美麗な手箱。

罌粟蒔絵茶箱 これはいいサイズだし蒔絵も手ごろな感じでほしくなる。
ほかにも紫陽花、萩、八つ橋などをモチーフにした様々な箱があり、とても手が込んでいると思った。

象彦の拵えたものたちがたくさんあるのも三井らしくて素敵。特に凄いのがこれ。
月宮殿蒔絵水晶台 派手な作りで三井の鉱山からの石をも使う。さすが象彦の作品だった。

6 浮世絵

大江戸日々三千両繁栄之為市 雪月花 二世国貞  雪で魚河岸のにぎやかな様子、月は芝居小屋、花は吉原。小粋な絵。

永代橋日本銀行の雪 井上安治 赤レンガのコンドルの建てた建物に雪が。

駿河町の雪 小林清親  越後屋。俥も行く明治の風景。洋館もあるよ。

年方の三井好シリーズの内からも雪月花を思わせるモチーフのものが出ていた。

7 工芸・絵画・能装束

唐物竹組大茶籠 雪月花  三井高福のもの。素敵だなあ。前にここで茶箱のセットの展覧会を見たときもときめいたことを思い出す。

今回、向島の大倉別邸・喜翁閣の管理が三井不動産になり、襖絵などが三井記念美術館に入った。

春秋蒔絵引き戸 抱一下絵・羊遊斎作  黒地に花々や月というのがもう本当に素敵。よくぞここに入ってくれたわ。

菊図戸襖 胡粉で盛り上がる菊が可愛い。

檜・槇・秋草図襖 金雲に見え隠れする木々。大胆な構図。

四点ばかり綺麗な能装束もあり、日本がいかに雪月花を愛してきたかをつくづく知らされた感じがする。

いい展覧会だった。
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