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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

高野山の名宝

サントリー美術館で大好評だった「高野山の名宝」展がいよいよあべのハルカスにおでまし。凱旋というてもええかしら。
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展示方法はサントリーとはかなり違うようで、やはり東京では美術品鑑賞という感じだったようだけど、こちらはさすがに年配の方は信仰心からの拝観という感じが見受けられた。
正直なところ、わたしもそのクチ。とはいえ、大いに楽しませていただいたのも事実。
関西と関東の事情の違いを感じもした。

昨夏には阪神百貨店で「高野山1200年至宝」展が開催された。
感想はこちら

昨春は大阪市立美術館で「山の神仏 熊野・高野・吉野」展があった。
高野山の感想はこちら

四年前には東博で「空海と密教美術」展もあったが、あちらは東寺の方がメイン。
ちなみに感想はこちら

そうそう、わたしが高野山に行った時の記事はこちら
・・・もぉええですがな。

というわけで、「高野山の名宝」を拝みました。
展示替えも多少あるけれど、ほぼすべてが金剛峰寺の所蔵。それ以外のみ記します。

第1章 大師の生涯と高野山
弘法大師坐像(萬日大師) 1 軀 室町~桃山時代  古代日本仏教界の三大超人の一人というのも頷ける。
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諸尊仏龕 1 基 中国・唐時代 8 世紀  非常に細かい造り。仏アソートボックス、とは訳さないと思うけど、そんな感じがする。
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四天王独鈷鈴 1 口 中国・唐時代 8 ~ 9 世紀  キーンキーン、とベルが鳴る。この表面の彫刻が四天王なのだろうが、一見したところキリスト教の聖具かなにかに見える。それもロマネスクの時代のとか。
それで解説によるとこれは「珍しい形」で貴重な仏具らしい。なるほどなあ。
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独鈷杵 1 口 中国・唐時代または平安時代 8 ~ 9 世紀  これは将来品か国産かわからないけれど、あとのは全て平安時代か鎌倉時代のもの。
三鈷杵、五鈷鈴、独鈷杵・・・
こういうのを見るとやはり「孔雀王」のマンガを思い出す世代です。

高野大師行状図絵  6 巻 のうち 鎌倉時代 14 世紀 地蔵院  2巻を見た。塔の中で座る大師。唐への船出。到着したのに入国禁止と言われた遣唐大使・藤原葛野麻呂。大師が司に代わり入国許可書をしたため、それで入国許可が出たとか。これは公文書偽造とかそういうわけではなさそう。
それから三鈷杵を投げつけたら木に引っ掛かったが、その木のそばには樵がいて、ホドラーの絵の人かと思いましたわ。

大師は高野山をもろたけれど、地の神様も大師やったらよろしいわ、とばかりに親切に出現する。それがこのご夫婦。
旦那は狩人、奥さんは十二単。
丹生明神像・狩場明神像 2 幅 鎌倉時代 13 世紀 配置が向かって右が狩場明神、左に丹生明神だから夫婦の目線がちっとも合わない。チラシとは配置が違うわけです。
狩場明神は赤っ面のオヤジで、犬が懐かしげにまといついていた。
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金剛峯寺根本縁起 1 巻 南北朝時代 建武 2 年(1335)  絵ではなく書状。後醍醐天皇の朱の手形が2つバーンと押印されている。存外小さい手だと思うが、これは四天王寺などにある、後鳥羽院の大きな手形を思い出すからそう見えるだけかもしれない。
内容は寺領安堵の件。
領地問題というのはやかましいからねえ。八瀬などでも歴代の天皇からの宸翰を大切にしているが、それがないと税金払わされたり領地とられたり好き勝手にされてしまうからね。

高野山壇上幷寺中絵図 1 幅 江戸時代 寛政 5 年(1793)  細かい境内マップ。建物はハンコかな。同型のがやたらたくさんあるし。向きを変えてはいるが同じパターン。
これを見て思い出すのが横浜都市発展記念館の「あこがれの団地」展で作られた「団地と給水塔」の手ぬぐい。あれと発想は同じかもしれない。
さてこのマップには凡例が記されていて、○が学僧、金の○が行人、灰○が聖、道や川もちゃんと色分けされている。

弘法大師入定図 1 幅 室町~江戸時代  庵の中でくつろぐ大師。履物は揃えてはいない。
 
第2章 高野山の密教諸尊

大日如来坐像 1 軀 平安時代 仁和 3 年(887) 檜製。内は刳らず。目は割としっかりとこちらを見る。髪は緑青色、白毫は水晶。手はにんにん。
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両界曼荼羅図 2 幅のうち 桃山~江戸時代  胎蔵界 金剛界どちらもとても綺麗。

板彫胎蔵曼荼羅 2 面 中国・唐時代 8 ~ 9 世紀  いわゆるスタンプ。甲が白檀、乙が桜材。取っ手付き。

成身会八葉蒔絵厨子 1 基 鎌倉時代 13 世紀  さっきのスタンプ入れがこれ。1222年以前の製品らしい。

浮彫九尊像 1 面 平安時代 10 ~ 11 世紀  10cmX10cm以下くらいのサイズに細かい9人が仲良く並ぶ。四天王、不動、阿弥陀三尊、大威徳。

五大力菩薩像のうち金剛吼菩薩像 1 幅 平安時代 10 ~ 11 世紀 有志八幡講  大きいわ!随分前に東寺から高野山へ移ったそうな。
牙が大きく出てますがなー、眼もぎらぎら。

天弓愛染明王像 1 幅 鎌倉時代 13 ~ 14 世紀   赤くて面長でカッ!!・・・案外若くてハンサム。今まで見た明王系でもかなりイケテますな♪

天弓愛染明王坐像 1 軀 平安時代 12 世紀  薫香に燻されて色が変わっているが、ところどころ朱が残る。小さい弓矢を持つ手もある。アモールのが持ってそうなサイズ。
やっぱり洋の東西をとわず、恋愛系はこういうミニ弓矢で射るのね。

不動明王坐像 1 軀 鎌倉時代 13 世紀  玉眼玉歯。朱に光る。眉間に倶利文に近いものが。袈裟というかストールというか、あれが花柄なのが妙に可愛い。

不動明王坐像 1 軀 平安時代 12 世紀   あ、これはもぉ本当にどこからみても誰が見ても不動明王というか、その親玉みたいなツラツキ。目の向きが左右違う、ロンパリではなくて上下向く「天地眼」という目つき。そして瑟瑟座に鎮座まします。
典型的なのを見た感じ。

さて運慶作の可愛い少年たちを拝みましょう♪
八大童子ですがな!
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前掲の「山の神仏」展の時も数種の八大童子フィギュア(と英語では訳されていたよ)を眺めて喜んでおったのですが、今回は運慶の6人+後世の2人を見ました。
イメージ的にあれだね、ジャニーズのグループぽい。最初からの子たちと後から加わった子たち、みたいな。でもみんな一致団結してとりあえず解散はしないぞという。
共通してみんな素足。
八大童子像のうち烏倶婆誐童子像 運慶作 1 軀 鎌倉時代 12 世紀  肉付きもいいけど逆立ちした髪がまた豊か。腰の辺りに手を当ててちょっと身をくねらしながらも厳しく口を閉ざす。将来的に不動明王の跡継ぎ第一候補はおれだぜ、とでも言いたそうな顔つきがいいね。

八大童子像のうち清浄比丘童子像 運慶作 1 軀 鎌倉時代 12 世紀   僧形で手に巻物と独鈷を持っている。下唇ぎゅっ。地味だけど、いてそうなタイプ。

八大童子像のうち恵喜童子像 運慶作 1 軀 鎌倉時代 12 世紀   三つ又の槍みたいなのを持ってるのはむしろ海系の人みたいな。ポセイドンという方ね。もう一方の手には宝珠なのかミカンなのかそんなのを持っている。アタマの辺りも明治頃のレトロな水泳帽のようなものをかぶるようにも見えますなあ。

八大童子像のうち矜羯羅童子像 運慶作 1 軀 鎌倉時代 12 世紀   不動明王の向かって右手にいつもいる少年。けっこう髪がくりくりしてるな。絵では白い膚の子によく描かれている。他の少年らよりはおとなしそう。二の腕が可愛いなあ。ふっくら可愛い。

八大童子像のうち制多伽童子像 運慶作 1 軀 鎌倉時代 12 世紀   五髻が可愛い。赤々とした肌がまた可愛い美少年のセイタカくん。手に持つのは杖かな。肩にスカーフ掛けて。
彼が今回の一番人気の人。イメージ (14)


八大童子像のうち恵光童子像 運慶作 1 軀 鎌倉時代 12 世紀  色白なやや大柄少年。独鈷がマラカス風にも見えるね。片方の手にはマイク・・・やないですけど、そんな感じにも見えます。前髪を抑えるのはサークレット。大きいお耳も見せてます。
肩の辺りが逞しそうですなあ。

さてあとの二人は2百年後に新規参加したメンバー。
けっこう装着物も違うし、お付きもあったりとイメージが違うね。

八大童子像のうち阿耨達童子像 1 軀 南北朝時代 14 世紀  「あのくた」童子。龍に乗る。彼は手に蓮持ってる。彼は何と和歌山県立博物館での「空海と高野山」展での人気投票で他の童子たちを抑えて堂々の第一位をとったそうな。(2004年当時)
こちら
ちなみに二位は制多伽童子だったようです。
ところでこの名前を見ると必ず「阿耨多羅三藐三菩提」と出てくるなあ。

八大童子像のうち指徳童子像 1 軀 南北朝時代  てっきり毘沙門天とか四天王とかに憧れてる少年かと思うようないでたち。目つきが悪いのは色々思う所があってのことなのかも。

サントリーのチラシ。
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東京では全方位からの鑑賞というスタイルだったそうだけど、こちらは一列並び。
正直それはそれでいいと思っている。
 
孔雀明王坐像 快慶作 1 軀 鎌倉時代 正治 2 年(1200)  手に羽を一枚持つ。ミカンのような宝珠持つ。孔雀の羽毛が殆ど鱗。それにしても力強い大きな孔雀。目はガラス。
明王のお顔はしっかりしている。
なんでもこれは「弘法大師様」というスタイルでの孔雀明王らしい。
色々な様式があるわけですね。

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第3章 多様な信仰と宝物

釈迦誕生図 1 幅 鎌倉時代 13 世紀   「天上天下唯我独尊」ポーズを中心にして、五頭の白獅子、五人にの拝む人などなどが取り巻く。

毘沙門天立像(胎内仏) 1 軀 平安時代 11 ~ 12 世紀   一種のマトリョーシカめいた存在ですなあ。小さいがしっかりしていて、截金細工が綺麗に残っている。

快慶の四天王像もご登場。
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四天王立像のうち持国天像 快慶作 1 軀 鎌倉時代 12 ~ 13 世紀
四天王立像のうち増長天像 快慶作 1 軀 鎌倉時代 12 ~ 13 世紀
四天王立像のうち広目天像 快慶作 1 軀 鎌倉時代 12 ~ 13 世紀
四天王立像のうち多聞天像 快慶作 1 軀 鎌倉時代 12 ~ 13 世紀
武装のカッコいい皆さん。鬼顔を甲冑に着けたり、バックルや肩口に怪獣とかあるが、持国天のみ胸にもつけていた。

執金剛神立像 快慶作 1 軀 鎌倉時代 建久 8 年(1197)  足を上げたバランスがいい。
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花蝶蒔絵念珠箱 1 合 平安時代 12 世紀  可愛い。綺麗な作りで、阿古陀形。
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紺紙金字妙法蓮華経 8 巻 のうち第1巻  朝鮮・高麗時代 太康 7 年(1081) 高麗経。見返し表には仏がいっぱい。終わりの見返しには蓮。

つくづくとありがたいものを拝みました。
楽しかったです。ありがとう。

ところでこれはバットボーイズな感じがしていいね。
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二派に分かれて、少年たちが対峙し合う。なんだかかっこいい。

3/8まで。
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