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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

田万コレクション1 中・近世の絵画 /大阪市立美術館の常設展示

大阪市立美術館は多くの市民の寄贈品をコレクションの柱としている。
かつての大大阪の時代から市民は文化的なものが手に入ると死蔵せず、皆で観ようとばかりに市の美術館なり博物館に寄贈してきた。
わたしのかつての上司の実家には大正時代の貴重な雛飾りがあり、あれも十年ほど前に寄贈してはった。それが展示されたのを見に行ったが、非常に価値の高いものだった。
こういう文化的な土壌を全否定する首長がいるのが痛いところだが、しかし収蔵品のレベルの高さは隠しおおせはしない

田万コレクションは弁護士であり代議士でもあった田万清臣という方のコレクションである。これだけまとめての展示は久しぶりということだった。

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ちらしのこの猫は、近年ではむしろ地元大阪より、関東の方で知られているのではなかろうか。
というのは松涛美術館のリニューアル記念展「ねこ猫ネコ」展でも、この太平楽な様子を皆さんにおみせてしていた。
その時の感想はこちら

・近世の屏風絵

四季花鳥図屏風 狩野宗秀 桃山時代 なんでもこの屏風は重文に指定されたばかりで、「狩野派の山水・花鳥図屏風」展に並んでいる。
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右には鍋ヅルとかがいて、金色の地でついばんだり、空見上げたり。赤い大きな牡丹が満開。丸々とした桜は薄紅で愛らしい。
左は孔雀もいて紅葉も濃い。6扇上の椿も濃い。
全体としてかなりてんこもり。ちょっとやかましいくらいなのが狩野派の特色かもしれない、と改めて思う。

山水図屏風 雲谷等益 江戸時代  瓔珞文のような五重(以上ありそう)の塔と、武道館みたいな形の茅葺きの建物。チラシの地に使われてるので見づらいが、妙に惹かれる。人がいて、カーテンもあるし、壁に額縁の絵まで飾られているようにも見える。案外洋風な感じの部屋。
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冬で満月の下の様子なんだが、雪明かりで明るく見える。
左はジャンクが行く水面、飛ぶ雁たち。奇岩に松など。

洛中洛外図屏風 1620年代  大仏殿はもぉ空のよう。鐘が見える。この鐘が例の「国家安康 君臣豊楽」ね。
三十三間堂で通し矢している。八坂の塔、高台寺、四条のライブ場、祇園小橋や三条大橋。賀茂の競馬に禁中、にぎやかでいいなあ。
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秋草下絵扇面等貼交屏風 桃山ー江戸 下段は秋の野。ススキが激しい。上段に様々な文様の扇子。鯉の滝登りの丸い頭が面白い。源氏絵や唐人物などなど。

山水人物花鳥図押絵貼屏風 曽我二直庵 江戸時代17c 墨絵。ロバに乗る高士、サギ、梅に鳩、雁などなど。

・中国・朝鮮の美術と経典

青銅「湛若止水」団華文鏡 隋ー唐  縁周りの細かいバルメット文が可愛いなあ。

青銅 狻猊双鸞唐草文八稜鏡 唐8c  2対2で合コンしてるような。踊る奴らがいるのは鏡の上と言うよりクラブかもしれない。

大般若経(薬師寺経)巻第八十七 伝・朝野魚養 奈良時代  ああ、いい字だな。「虚空界 不思議界」すてき。

法華経 巻第一・第七 平安時代12c  見返しの仏たちがにぎやか。紺紙金字。イダイケ夫人とかアジャセ王子の物語は可哀想すぎる。7巻の見返しは仏が蓮台から降りて一人の菩薩の頭を撫でる。みんなうらやましそう。

・中・近世絵画と工芸

芙蓉図 土佐光起 江戸時代17c  花びらが綺麗。うっすらと。宋元画の学習が現れている。

伏見常盤絵巻 室町時代  奈良絵本を絵巻にしたらしい。稚拙ではあるが華やかな彩色。
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音羽の滝と清水の舞台。常盤御前と子供らの逃避行。
清水参詣の際に轟きの御坊を訪ねる母子。紅梅の咲く頃。背景の人物には二人の猿引きなどもいて、視線は丁寧。

化物草紙 伝・土佐行秀 江戸時代17c 百鬼夜行の名手の手によるものらしいので、お化けもイキイキ。
1は三善くんがお化け屋敷に転居しても平気という話。
2は平惟茂に供養を頼む不細工な女怪。

小野篁絵巻 江戸時代18c  落書を嵯峨天皇への風刺と読み解くところ。

犬寺縁起絵巻 巻下 江戸時代17c  播州犬寺の話。二匹の忠犬の話。長者の妻が離縁されて帰るところが開いていた。

はいかひ絵巻 江戸時代17c  団扇貼りの虚無僧に狐がたぶらかそうと女に化けてやってくる。
絵解きして教養を見せるけれど、正体がばれるという話。

山梨小禽図 雪渓印 室町時代 この画像ではわかりにくいが、小さいけれど梨でした。鳥が嬉しそうな顔してる。
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銅 湯瓶 鎌倉時代  信貴山型というタイプらしい。今でも使えそう。

扇屋軒先図 江戸時代17c  華やかな店先。若い男女がわいわい。海老柄の暖簾がいい感じ。

立美人図 里芳 江戸時代18c  解説では「懐月堂風」とあるけど、ちょっと宮川派風にも見える。
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猫図 原在正 江戸時代  スミレが咲く場でぐーぐー。可愛いなあ。
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猿図 守住貫魚 注連縄作り??に勤しむ丸顔の猿。腕を長ーーく伸ばす。

桜狩図 土佐光文 江戸時代19c 踊り図でもある。左上に二人の踊る女。鼓と笛の二人の女。華やかでいい。

竹犬図 森寛斎 襖絵。二匹のおとなしそうなわんこがいる図。

大般若経 巻第二百六十八 奈良時代 このお経が田万コレクションに入った経緯がかっこいい。
これは東大寺から田万氏へのお礼として贈られたもの。
昭和12年に起こった三月堂の仏像窃盗事件解決にたいへんな活躍をした田万氏。その事件の概要を知り、田万氏という人のファンになった。

法隆寺の金堂の火災の際にも弁護を買って出て、失火責任を回避させたそうな。
それでか、コロタイプの金堂壁画があった。
これは数年前の奈良博の「法隆寺展」でもちらりと見た記憶がある。

いいコレクションをありがとうございました。

次に「狩野派の山水・花鳥図屏風」展をみる。

四季山水図屏風 狩野派(伝・周文)室町 太山寺蔵  アルプス風な山。松は緑。

花鳥図屏風 狩野派 室町ー桃山 聖護院  叭叭鳥、ツバメなどがいる。みんな元気で可愛い。

竜虎図屏風 竜はごく普通。虎が二頭いるがこれが可愛くて。ちょっと竜に対して距離をとろうという二頭。顔つきは等伯のデヘヘの虎ちゃんにも似ている。

仏画をみる。
・天来 降り来る神仏

涅槃変相図 南宋 叡福寺 中央に涅槃図なのだが、それだけではなく、その後のややこしいことどもも描かれていた。荼毘にふしたりとか、分骨とかいろいろ。大多忙。

阿弥陀五尊来迎図 室町時代  金ぴかの五尊がやってくる。上二人はハロー!!美人。そして阿弥陀さんの頭は人毛なのだそうだ。

十六羅漢図 室町時代 阿部コレクション  獅子を撫でるのがいる。獅子はもう気持ちよさそうでうっとり。
また坊やが居眠りしているのもあった。可愛いのう。

・魁春の彩り 明・清の絵画

寒林鍾馗図 李士達 1611  鍾馗が林道を歩いていてて、ふと振り向いたらそこの木の上に小鬼。「おっ」という感じ。別にいつも退治している訳じゃありませんな。

春元瑞兆図 金廷標 高士が雪の積もった後の林を行く。ふと見上げた木には白い猿がいた。
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こんなの。イメージ (35)
いやー、なかなかみつけられませなんだわ。

墨梅図 銭杜 お化けの木のようだ。篆書の技法で描いたというが、洞だらけの木でお化けめいていた。


最後に山口コレクションの中国の神仏像を少しばかり。
以前にわりと細かい感想を挙げているので今回は気軽に。

石造 如来坐像 遼 まぶたぼってりで口元もぽってり。それが片手をあげているのだが、どうみても招き猫ポーズ。
いや、招きぼーず。失敬。

銅造 観音菩薩および脇侍像 明  立膝をしてなかなか艶めかしくこちらを見つめる。左右の二人は卵型のお顔。
もっと前代ポイ感じもした。

いいものをたくさん見れて幸せ。
2/8まで。
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