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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

初源への視線 樂家五代宗入と三代道入、四代一入、九代了入、十五代吉左衛門

既に終了したが、見ごたえのあった展覧会について少々挙げたい。
イメージ (35)
樂家五代宗入と三代道入、四代一入、九代了入、十五代吉左衛門、彼らを中心とした展示である。
そして「月」と彼らの作風などを絡めた解説を、当代がつけている。

イメージ (36)

長次郎 黒樂 銘・万代 ところどころ茶色い色が見える。それがまるで自然石のようで、面白い景色だと思った。

当代の言葉がある。
三代道入への頌である。
「道入標月 Moon Donyu’s Signalling Moon」
闇の彼方に沈殿する長次郎…
当代の言葉が胸に残る。

長次郎以来の樂に新たな地平を開いたノンコウ。
ノンコウに影響を与えた本阿弥光悦。
17歳の道入少年が58歳の光悦の膝下で修業をする。

道入 黒樂 銘・青山 加賀七種の一。白抜きが胴にあるが、ひよこまんじゅうが見返る姿のようで可愛くてならない。
(例によって好きなことしか書けないので、当代吉左衛門さんのかっこいい言葉に対し、申し訳ない)

一入 黒樂 銘・木下 明るい黒。チカチカキラキラ。初代に向かう前の、父の後追い時代のか。花火の残り尾のような白が見えた。

一入 黒樂 銘・残雪 見込みを包むような花が開いている。そんな風に思えた。外は黒く厚く、釉端に白い蛇蝎釉の流れが三つ。ムラムラと・・・口べりが薄くて綺麗。胴の白むら。まるでかさぶたのようにも見えるが、それがいい。

一入 赤樂筒茶碗 銘・青苔 全体は柿色で見込みに灰色の何かがある。

一入 黒樂 銘・嘉辰 黒地に朱がにじみ出している。底へ向かう厚み。

一入 赤樂筒茶碗 利休形茶碗。聚楽土に透明釉をかけている。聚楽土か・・・どんどん初源へ向かっている。

三代・四代の父子から少し時代が流れる。

了入探月Moon Ryonyu’s Searcing Moon
初代から二百年。
へらで削る、ということをする。

了入 黒樂 銘・巌 ざっくりしている。

了入 白樂筒茶碗 60歳の作。現代の60歳ではなく、江戸中期の60歳、還暦の人の作とは思えぬモダンさに満ちている。ヘラの削りの力強さ。いい、とてもいい。

了入 赤樂 古稀の作。更に十年後、至った境地はもう本当に自在。斜めにへらが入り続ける。上から見下ろせば茶碗は薔薇の形を見せていた。

ここで当代の作が現れる。
1994年 黒樂 銘・浣花渓 中をのぞくと白に朱が散る景色が見えた。ぽつんぽつん・・・

2004年 焼貫黒樂 モダン!はっ となった。とてもかっこいい。

時代を戻り、五代・宗入。
宗入慕月 Longing Moon 長次郎へ帰る。

宗入 赤樂みみづく香炉 珍しく香炉。みみづくというより狸。可愛い。

樂家では飴釉は茶碗以外に使うという決まりがあるそうで、これは金沢の大樋焼に伝わった。

宗入 一閑人赤樂箸置 井筒のぞきの暇そうなおっちゃん。△帽をかぶっている。

宗入 菊置上蛤香合 派手で可愛い。

宗入 黒樂 銘・比良暮雪 所々に釉の柄が牡丹雪にも見える。

宗入は雁金屋の出で樂家に養子入した。
元禄の頃に長次郎に帰る作風というのは、スゴいことだと思う。繚乱の元禄に質実剛健の昔へ・・・


いい展覧会だった。
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