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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

天才陶工 仁阿弥道八 その2

特にここからが好きなものが多い。

四、仁阿弥の鉢 懐石の華

個別に見たときは差異に気付かなかったものが、ここでずらりと並ぶと、まさに百花繚乱、全く違う個性が華やかに艶やかに花開いていた。

まず雲錦手。桜と楓が美しい文様を見せる器。
色絵桜楓文鉢 MOA美術館 やや平たく、桜の幹が大きい。
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色絵桜楓文鉢 個人蔵 木瓜型。深めで「乾山」サイン入り。
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色絵桜楓文四方鉢 逸翁美術館 やはり一番親しい鉢。
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色絵桜楓文鉢 サントリー美術館 大きいね!透かし入り。地は薄紅。
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真上から見ると…イメージ (84)

色絵桜楓文鉢 ボストン美術館 やや□いな。

5つの桜楓文の鉢はどれもこれも違い、これらを見ているだけで一足早いお花見気分になった。灰色地のものが多く、サントリーのだけ薄紅地。
日本に四季があってよかった、「日本に京都があってよかった」ということだ。

先のは春と秋の美。
次は冬の美。
銹絵雪竹文手鉢 湯木美術館 貫入の雪。  
銹絵雪竹文手鉢 逸翁美術館 モコモコの雪。
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銹絵雪竹文手鉢 個人蔵 なんと枇杷色地に雪。初見。
銹絵雪竹文手鉢 個人蔵 詩が書いてある。雪はおとなしめ。

並んでいるのを見て初めて知ったことが多く、軽くショックを受けている。
こうして並ぶと全く違うではないか。凄いなあ。
湯木と逸翁とは常からよく行く美術館で、正直この二つの差異など全く気付かなかった。
今も個別に見ると同じものに見えるのだが、しかしこうして共に展示されると、その個性の違いがありありと出ている。

春の美を追う。
色絵桜透文深鉢 尾形乾山 MOA美術館  ああ、やはり良いなあ。本歌として眺める。

いよいよ仁阿弥の色絵桜透文深鉢。
色絵桜透文深鉢 湯木美術館 外にも土坡の緑が描かれている。
色絵桜透文深鉢 個人蔵 こちらは濃い目の緑。
色絵桜透文深鉢 東京国立博物館 ややかすれた緑。

本歌と写し、それぞれが際立った個性を見せているなあ。
こうして一堂に会した姿を見れるのは、本当に尊い機会です。

色絵大根文鉢 逸翁美術館 葉は黒に金の脈。これはとてもモダン。
色絵大根文鉢 湯木美術館 湯木さんでは吉兆のお料理を盛り付けた写真パネルの展示もあり、それがとても美味しそうで美味しそうで・・・ああ(よだれ・・・)。

染付松文鉢 個人蔵 呉須手。松葉がしゃっしゃっしゃっとしている。

色絵紫陽花文手鉢 個人蔵 濃い目の青の花。粒は小さ目。綺麗。

色絵紫陽花文鉢 個人蔵 「不香」の花の粒。やや小さい。

逸翁で時折見かけるものが並ぶ。
絵高麗鉢、刷毛目鉢、銹絵桐葉形皿(桃山窯)

ボストン美術館所蔵のもの。
刷毛目鉢、銹絵桐葉形鉢、銹絵染付瓜形鉢、銹絵染付菊文皿

銹絵桐葉形皿 桃山窯 逸翁美術館 茶色いだけでなく、部分で色を変え、破れを拵え、蝶々まで。いいなあ。
逸翁は道八が好きだったようで、色々な作品をここで見せてもらってきた。
集めたくなるキモチはよくわかるようにも思う。

銹絵染付瓜形鉢 ボストン美術館 モースの旧蔵品。モースも可愛さに惹かれたのだろうな。

銹絵絵替蓋茶碗 十客 仁阿弥道八作 松村景文画 湯木美術館 薄い柑橘系肌色の地にさらさらとシンプルな草花。

字面をおいかけるだけでも観たときの嬉しい気持ちが蘇るなあ。
ちょっとちびっこ特集。
祥瑞写盃 野﨑家塩業歴史館 小さくて可愛い。外に竹、内には「この木なんの木」の木。
三島写盃 野﨑家塩業歴史館 これも小さいがしっかり。
色絵四君子絵盃 弘化2年(1845) 豊橋市美術博物館(司コレクション)縁は金。
赤絵盧仝茶歌文磁盃 豊橋市美術博物館(司コレクション)馬上杯ですな。
七種盃 天保9年(1838) 珠光・絵高麗・刷毛目・青磁・三島・色絵。
実は仁清ぽいのがなくなったとか。
それぞれ趣向を凝らしていて、本当に愛らしい。
手元で賞玩したいと思うね。


五、彫塑的作品 置物・手焙・炉蓋
これがまた可愛いし、楽しい。
階段を降りたところのあの空間で<かれら>は待ち受けていた。

色絵寿星立像 野﨑家塩業歴史館 チラシの真ん中の寿老人、あれがどーーーんっと。実はかなり大きくてびっくりした。
野崎家を見物したときの写真を、いつかここで挙げたいと思う。

色絵人麻呂坐像 桃山窯 個人蔵 にこにこ人麻呂。

色絵竹隠和尚坐像 天保2年(1831) 大中院 うう、リアルよのう。チラシにいるが、座っているけど三頭身くらいかな。

色絵宇須女置物 高津古文化会館 ふふふ、芸が細かいな、道八。そう、ちょっと、ね…

色絵猿置物 個人蔵 エテコ。こいつも可愛いが、これまた芸の細かいことで。

色絵兎置物 ボストン美術館 可愛かった。横顔美人のウサギさん。
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ビゲローコレクション。ビゲローといえば「三井寺」展のときの三度笠に道中姿の股旅なビゲローのコスプレ写真を思い出す。

飴釉狸炉蓋 野村美術館 色合いが妙においしそう。狸汁にしたくなるね…

飴釉双兎炉蓋 正伝永源院 リアルタイプの二匹。彫刻にも見えるくらい。

黄釉寿星大香炉 天保14年(1843) 東京国立博物館(寄贈)こわいよー

黄交趾柚子手焙 正伝永源院 でかいぞ、柚子―――っ

黒楽銀彩猫手焙 遠山記念館 このにゃんこが昨春の「猫ねこネコ」展のまぁ主役の一人でしたな。可愛かったわ~~~
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白釉山羊手焙 正伝永源院 優しい感じの山羊で、それこそ撫でたくなった。


六、御庭焼の指導者として
讃岐で大活躍。

色絵紫陽花文四方鉢 讃窯 19世紀 東京国立博物館 これは以前から好きなやきもので、四国のやきものの良さと言うものをこの作品から知ったのだった。

褐釉人面貼付文徳利 讃窯 19世紀 東京国立博物館(寄贈) 先日この本歌のドイツのとの比較についてもちょっと書いたけど、作り手としては面白かったのかな。

塩釉髭徳利 ドイツ・フレッヒェン 17世紀前半 京都国立博物館 こちらは本歌。

色絵結文香合 讃窯 19世紀 個人蔵 これを本歌取りしたというか、やっぱり造形的には人気作だったというか、道八にもこれと同じようなのがある。
逸翁に所蔵。今回は出てなかったな。

染付龍文双耳瓶 讃窯 19世紀 東京国立博物館(寄贈) 安南風。

色絵桜楓文鉢 仁阿弥道八 讃窯 京都国立博物館 はい、これもあの雲錦手です。しかも大きいの。
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白泥遊環瓶掛 仁阿弥道八 讃窯 東京国立博物館(寄贈) 妙に懐かしいと思ったら、「Drスランプ」に出てきたニコチャン大玉に似てるんだ…

交趾鴨香合 仁阿弥道八 偕楽園焼 滴翠美術館 この手の小さいどうぶつは仁清か道八に尽きるね。写しが写し以上になる。

染付松霊芝図高杯 仁阿弥道八作 野呂介石画 偕楽園焼 文政10年(1827) 東京国立博物館 呉須手。いい組み合わせやなあ。

花橘写茶碗 一方堂焼 19世紀 滴翠美術館 見込みのキラキラしたものが目を打つ。綺麗やわ。

銹絵月雁文茶碗 一方堂焼 19世紀 京都国立博物館 まっすぐに降り立ってくる。これはかっこいい。


七、新しい時代へ
三代目だけでなく、現代の九代目の女性の方の作品も。
正直、九代目さんのセンスにときめいた。綺麗です、とても。

父子のリアルな籠のようなのがある。
銹釉籠形手鉢 仁阿弥道八 逸翁美術館
銹釉籠形手鉢 三代高橋道八 江戸〜明治時代 正伝永源院

色絵桜楓文鉢 仁阿弥道八 個人蔵 木瓜形。

色絵菊文手鉢 三代高橋道八 讃窯 江戸〜明治時代 東京国立博物館(寄贈) 光琳菊が丸く丸く可愛く咲いている。

鬼面耳付一文字凉炉 仁阿弥道八 桃山窯 入間市博物館 ブサカワでええのう。

飴釉鬼面瓶掛 三代高橋道八 江戸〜明治時代 野﨑家塩業歴史館 顎がなかなかよろしい。

色絵狸炉蓋 仁阿弥道八 東京藝術大学大学美術館 こっちは白目むいてるよ。手を袖の中に入れて、あら、しっぽまで出てるわ。

獅子炉蓋 三代高橋道八 江戸〜明治時代 正伝永源院 これが蓋というのはびっくりするわ。

紅魚蓋物 三代高橋道八 江戸〜明治時代 野﨑家塩業歴史館 金目鯛!!!

色絵天狗於多福盃 三代高橋道八 江戸〜明治時代 豊橋市美術博物館(司コレクション) 可杯。そうこけるやつ。表が天狗、裏はおたふく。

よくここまで細かく、と思う絵付け。小さくて可愛いのが二つ。
染付春秋山水図盃 二個 三代高橋道八 安政6年(1859) 豊橋市美術博物館(司コレクション)
染付赤壁図盃 三代高橋道八 安政6年(1859) 豊橋市美術博物館(司コレクション)

染付波兎文盃 三代高橋道八 江戸〜明治時代 豊橋市美術博物館(司コレクション) 真正面向きのウサギさん。

染付色絵紅葉文鉢 三代高橋道八 江戸〜明治時代 東京藝術大学大学美術館 豆彩な位の絵付け。

黒釉飛七宝茶碗 九代高橋道八(2014) 個人蔵 かっこいいのなんの。むしろ漆器に見えたくらい。

色絵丸々透蓋置 九代高橋道八(2014) 個人蔵 紫のみ。仁清を遠祖として見てもいいかな。

色絵金彩桐唐草食籠 九代高橋道八(2014) 個人 綺麗。金が特に。白ではなく黒地で見たいと思った。

九代目道八は直子さん。今度は彼女の個展を見てみたいと思った。
本当にいいもの・好きなものをたくさん見れて幸いでした。
3/1まで。
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