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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

動物絵画の250年 前期 1

さて毎春のお楽しみ、府中市美術館の春の江戸絵画まつり、今年は「動物絵画の250年」展です。
毎年毎年本当に感心してます。
言うたら珍品を探し出してきて、それが観客の心を掴むわけですから、これはもぉちょっとやそっとの苦労ではない。
所蔵先を見てても個人所蔵は別として、「よくも持ってたな」なところが多く、そこで見るよりここで見ることで、初めて光が当たると思う。
一旦光った絵画は自信を持つのかして、また近いうちに世に出たりもする。
そのあたりが大変面白い。

絵を見て回る前にスライドレクチャーも受けた方がいい。
この企画展の意図がよくわかる気がする。
今回のチラシ、虎のエヘンな顔つきが可愛い。
(後期展示のため、あえてここには挙げない)
これを見ててっきり「かわいい動物絵画」だとばかり思い込んでしまった。
しかしレクチャーを聞いて、わたしの勘違いもそのようにミスリードされたせいだと知る。
「かわいい」はつかない、と言いつつも「かわいい」に重きを置いた展示だという。
なるほどなるほど。
あとは「虎にご注目を」というわけで、いつも以上に虎に目を向けることにして、出発。


橘保国 鯉図 左から右上へ上る。鱗みしみし、藻の中を行く。これはレクチャーに取り上げられていた。

岡田閑林 群鷺図 これはわざと彩色をずらしているのか。しかし鷺の動きがかっこいい。

国芳 大漁鯨のにぎわい ギャラリー紅屋 これは実際に大井のあたりに入り込んで弱ってた鯨がいたそうで、みんながそれを見学している図。
もうほんと、見学客だらけ。女客もわいわい。
これはあれかな、この鯨、解体されたのかな。気になるなあ。

森徹山 檜にリス図 熊本県立美術館 おおおっリスまみれの檜!!!13匹いたな。
「葡萄に栗鼠」はよく見るがこんなにリスまみれの檜を見たのは初めて。すごいわー忘れられそうにない。

森狙仙 手長猿の図 摘水軒記念文化振興財団(府中市美術館寄託)…以下略して「摘水軒」と表示する
 「猿の狙仙」の猿はニホンザルだと思っていたが、これは中国の丸顔のアイアイ。顔が黒。
なんでも文政6年に道頓堀の見世物にオランダ渡りのこの猿が出演したそうな。
狙仙は大坂住まいなので機嫌よく見に行ったことだろう。

谷文晁 駱駝図 摘水軒 チラシには後記とあるが展示されていた。築地塀のような毛並みでした。谷文晁はラクダの現物を見たことがあるのだろうか。
見たとしたらやはり見世物小屋とか貢物とかかな。

曽我二直庵 柳枝鷹・岩上鷹図 敦賀市立博物館  白っぽい鷹たち。岩の上にいる奴は足場もよくないが、ピシっとポーズを決めている。

森狙仙・中井藍江・森徹山 蝙蝠鹿松図(福禄寿図) 上にうっすらと蝙蝠(藍江)がいて、それょ見上げる鹿(狙仙)、足元には松など(徹山)

上記二点はレクチャーに登場した。

岡本豊彦 郭子儀・牡丹に子犬・万年青に鸚哥図  中・右・左の順のタイトル。カラフルな鳥や目元を隠す子と唐子と、花を取る白犬に茶斑。明るい絵。
 
宋紫石 鯉図  これは面白いことに左は水中の鯉、右は跳ね上がる様子を捉えたもの。

黒田綾山 琴高仙人図  ご存じ鯉に乗る仙人。この鯉の鱗がくくくくくとフフフフに対位的に連続していた。緑色多めの鯉。巻物もつ琴高さん。

与謝蕪村 孤鶴図  鶴の外郭線をモールス信号にしている・―― ―― みたいな感じの線。

狩野永良 島台図  鶴亀・松竹梅・翁と媼のめでたい揃え。面白いのは松の上の方に鶴の巣が作られていて、雛が鳴いてるのだった。

狩野洞雲 唐松白鹿図 福岡市美術館(太田コレクション) 幹で背をこすり付けてやろかい、みたいなツラツキの鹿。にやり。

円山応挙 寿老人・鶴図  左右は鶴で中に寿老人と、すりよる鹿と。白鹿だけど蹄は黒い。背中にも一筋黒が走る。丁度見たばかりの小田富弥の丹下左膳の着流しを思い出した。

島田元旦 玉兎図 景福寺(鳥取市) 南蘋風な三匹のウサギ。妙にうねった木の上には満月。滝まであって、どこか不穏な感じもする山の中、月から追い出された?白兎たちが集まっている。
イメージ (9)

さて虎が集まった場所へ。
右都御史印 二十四孝図のうち 楊香  例のトラに乗る娘。オヤジは逃げてる。この虎はにゃーとでも言いそうなタイプ。扇面図。

雲谷等益 竜虎図屏風 周南市美術博物館  瓢箪面のトラ。背中がとても大きい。枇杷の実のような目玉。龍の方は前歯がにょきっ。なかなかファンキーな二者。

不詳 四睡図  細竹。虎もぐうぐう。ちびっこ二人は顔を埋めて寝ている。この虎はべろまで出していて可愛い。そして寒山か拾得かどちらかが豊干の膝にもたれているのがこれまた可愛い。いい絵です。

伊年印 四睡図  これまたのほほん…平和でいいねえ。

英一蝶 四睡図  虎が伸びをする。じいさんは「こらーっ」ちびらは起きたところ。やっぱりどこか不埒な感じのする絵。

石川淳「おとしばなし」の中に国姓爺合戦のパロディがあり、そこでは虎も仲間に加わって何か商売しようとしていた。それが和唐内らがまた戦争で一旗揚げてとか言い出したので、錦祥女とトラは呆れて、男たちを置いてけ堀にして見世物芸でもして稼いでいこうということになる。
「四睡図」を見ていると、あの虎もこの虎も同じ仲間に思えるのだった。

対のように見える虎が並んでいた。
諸葛監 虎図  こちらは座ってにゃーな虎。白眉に赤口。
片山楊谷 虎図  山中、崖を駆け下りる。妙に可愛いぞ。

百川子興 双虎図  えーと…ビミョーな虎。目は怖い。伸ばした喉がカッコいい。

円山応挙 猛虎図 摘水軒 出た!色白の賢そうな虎。水際におる。好きな一枚。

ここから三幅対ぽい虎が並ぶ。
吉村孝敬 虎図  うずくまり、ぐにぃと笑うよう。しっぽはくりん。岩のところにいて、小さい牙が見えるのもまるで八重歯のようで可愛い。

長沢蘆雪 猛虎図  ガラの悪そうな虎。後ろ脚の崩れとか色々。

土方稲嶺 虎図  ぐいっと鎌首をもたげたかのような虎。

原在明 水呑虎図  べろ出した虎。背中がハート形の上部分ぽい。水にも映る。

虎はここまで。イゃー、よかったわー。

司馬江漢 ライオン図 摘水軒  なにやら凶悪そうなカップルですな。
イメージ (2)

一旦ここまで。
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