FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

動物絵画の250年 前期 2

昨日の続き。
珍しい作品を探し出す学芸員さんたちの<ハンター力>に感服仕るでござるの巻。

大岡春卜 画史会要  カエルの相撲。虹は点描。なんとなく微笑ましいが絵の背景がわからない。

歌川国芳 かゑるづくし ギャラリー紅屋  カエル劇場。団七、五郎と朝比奈、仁木、忠臣蔵。「がま手本」の忠臣蔵の連作があるが、こちらはまあ「俄芝居」くらいかな。

歌川国芳 絵鏡台合かゝ身(みみずく・獅子・般若面) ギャラリー紅屋
イメージ (3)
ムリカラ感があるが、楽しいのは楽しい。

上田公長 蟹子復讐之図 大阪市立美術館  これはもうほんと、面白い図。真面目に描くから余計笑える。レクチャーで聞いたところによると、これはサルカニ+桃太郎説話も加わった話らしい。義侠心だけで猿退治はせんわけか。
それで栗をスカウトしてるところ。ハサミが可愛い。何もない空間(つまり人の指とか入る隙間)に目鼻が浮かぶのがシュールだなあ。
坂道をえっちら上ってくる臼がいる。
そうねえ、義侠心だけではなあ。それで黍団子のご褒美とか報奨金とか色々。
復讐心を共有せず、ビジネスライクで行こう。

酒井梅斎 孫悟空図 摘水軒 シャボン玉する悟空。その一つ一つに彼の分身のシルエットが映る。うまい図。

忍頂寺静村 坂田金時立身図  これは去年の展覧会にも出たし、ほかでも見ているがちょっとどの展覧会だったか思い出せない。
みんな和やか。故郷に錦を飾る金ちゃん。

歌川芳郷 王子狐火図  むー とした闇の中、稲わらがある。赤い火が灯る、狐火か…

歌川国芳 流行猫の戯 梅が枝無間の真似 ギャラリー紅屋  梅が枝の役の猫、当時人気の女形の顔を当てられている。梅が枝の無間の話は落語にもあったかな。けっこう好き。
ひらひらと開きが落ちてくる・・・小判やのうてアジの開きね。

岸駒 枇杷に蜻蛉図  リアルな絵。枇杷がおいしそう。

沖一峨・九皐 水辺鷺図  南蘋風、ピンクの花とタンポポと。

土方稲嶺 糸瓜に猫図 鳥取県立博物館  べろーんと伸びたヘチマを見返る不穏な顔つきの猫。朝顔も咲いている。

関蓑洲 象図屏風 大阪市立美術館  文久二年、アメリカから来たそうな。三歳の雌でその四年後には大坂にも来た。リアルなゾウ。それで更紗を使った装飾がいい。
イメージ (7)

衣笠守昌 牛馬図屏風 福岡市博物館  妙に怪しい牛馬。レクチャーに出た。
これを見て思い出したのは和歌山の熊野古道の可哀想な牛馬童子、それから奈良の今井町の牛馬つなぎの高さの違いなどなど。

尾形洞眠 竜門登鯉図 福岡市博物館  まっすぐ上る!!!このまっすぐさにドキドキしたな。

鍬形蕙斎 鳥獣略画式 前期・後期(頁替え) 狐かわいい、ミミズクもいい、虎に猫。
紙粘土で拵えたい。缶バッヂもいいな。
・・・ということを思っていたら、スタンプになり、今回のワークショップにご出演。
イメージ (8)

森狙仙 鹿図 摘水軒 墨の濃淡でもあもあと描いている。いいなあ、こういうのも。

葛飾北斎 日の出と双兎  白と茶の兎。これで思い出したが、日の出が初日の出とするならば、このウサギは江戸の雑煮の具になるなあ。肉食禁止とはいえ兎OK、猪OKでした。

稲葉弘通 鶴図  臼杵藩の藩主の絵。紅梅の下、鶴が「反省!」のポーズとってる。

中林竹洞 雪柳双鷺図  ああ、白灰の美。今回の展覧会で色彩の美を感じたのはこれが初めて。白と灰色の美。

長沢蘆雪 岩上猿図  ぼーっとしているな。こういう猿を見ると、箕面の滝の前でボーっとしていた猿を滝に蹴落としたおっさんの話を思いだす。
猿がキーッと声を上げながらザブン!わるいおっさんは「今のは誰某!」と同行の友人の名を挙げながら走って逃げたそうな。こらこら。猿の仕返しから逃げようとする悪人の話。

春になると馬も機嫌よく野に出る。
中林竹渓 春郊放馬図 摘水軒  仲良しな二頭。この人の絵も頴川美術館で見覚えたのだ。
渡辺小華 春苑遊馬図   アバラの見える四頭が桜、柳の下に集う。仔馬もいる。

大原呑舟 月に泥亀図  ははははは。やっぱりすっぽんは食べておいしかったいう記憶が先ですな。

長沢蘆雪 烏・雀図  左幅の雀たちが可愛い。だいたい芦雪の雀は可愛いのが多い。
前に江戸博で見た「ファインバーグ・コレクション」の群雀なんてもぉ本当に萌死にそうになった。
さて右の烏は薔薇と奇岩の上にいる。この時代は烏もそんなに嫌われてはいなかったようで、多くの絵にその姿がある。

長沢蘆雪 老子図 敦賀市立博物館  この老子は立派な風貌の老人で、ちっとも変なところもなく、まぁおかしみもないが、その意味では「ああ、老子ですか」という感じしかない。これはどうなんだろう。やはり芦雪には何かしら妙な期待をしているのかもしれない。

与謝蕪村 鯉図  墨絵の肥えた鯉。丁度釣ったところ。これは食用。

冷泉為恭 五位鷺図 敦賀市立博物館  説話から。見つめ合う鷺と人。意が通じるところ。

仙厓義梵 南泉斬猫図 福岡市美術館(石村コレクション) 出ました、いらんことしいの南泉。そんなことしなや。いつもイラッと来る。

岸勝 猿の坐禅図 摘水軒  これが今回一番不思議な絵だと思う。岸派はそんな諧謔を帯びたものは描かないから真面目なんだろうか。大真面目にこういう冗談を描くのか、それとも何かの見立てなのか。
まぁしかし可愛いわな。イメージ (5)

歌川国芳 源氏雲浮世画合 柏木 ギャラリー紅屋  二重の見立て絵。「艶姿女舞衣」の三勝が箒を持ちながら幼い娘を見遣る。その子は小さい手で三味線を弾く。ネコはごはん欲しがる。どちらにしろせつない話を二つ入れ込んだ絵。

仙厓義梵 猫の恋図 九州大学文学部(中山森彦コレクション) めちゃめちゃな顔つき。
もぉほんまに猫には困らされてます。飼い主やからこそ文句も言うよ。
こんな顔でふぎゃーとか鳴いてたら「うるさい、だまれ、やかましい」の三連言うぜ。
イメージ (4)

仏涅槃図  おお、猫もいた。猿が蓮の花を持っている。ネコはなかなか涅槃には参加しないのだ。もしかすると、悲しくて涙ぽたぽたするうちに、ついつい寝てしまうからかもしれない。

上田公長 芭蕉涅槃図  葉っぱのやのうて松尾芭蕉さん(数え51)の最期。この臨終を描いた小説が芥川の「枯野抄」。
ここにはシカ、サル、馬、カエル、カタツムリら芭蕉に詠んでもろたいきものたちが集まっている。
傍らの木には笠と荷とが掛かっている。
もうも本当におしまい。

歌川国芳 子供遊八行のうち 仁 ギャラリー紅屋  雀の放生。飛びかかりたそうな猫を抑えるのも放生放生。幼女が猫を宥めるように撫でる。ネコ、無念そう。

猿の狙仙の本領発揮。
蜂猿図 敦賀市立博物館  5猿が寄り集まっている。狙仙の猿の集合というと色々思い浮かぶが、これは本当に初見。
李花三猿図  これは以前にも見ている。何で見たかはわからない。木に登る奴ら。
猿図  考え事にふける猿。賛は宣長。うむ、賢そう。
猿の三番叟図  芸人な猿。イメージ (6)

森狙仙 獅子図  妙な獅子。落ちまいぞ!と頑張るのはいいが、鬼のようなヒトのような目つきの獅子。うーん…

森一鳳 熊図 松井文庫  これはもうほんっとに可愛い!!くんくんと地面をかぐクマの子。雪の中、冬眠もしないでお外におる。青い目が可愛い横顔。
「もぉかるいっぽう」の一鳳、こんな可愛いクマを描いてたのか。本当に愛らしい。

長沢蘆雪 狗子蓮華図  目がパチッとしたキュートなわんこ。茶と白のわんこら。可愛いなあ。師匠のわんこも弟子のわんこも本当に可愛い。

円山応挙 麦穂子犬図  茶と白のわんこらが麦を引っ張る。楽しそう。
こういうかわいいのが最後に並ぶから、本当にここの展覧会は気が抜けない。
イメージ

長沢蘆雪 狗子図 摘水軒  7匹のわんこ。みんなそれぞれ楽しそう。月下でごきげんさん。
かわいいなあ。レクチャーでは「かわいい、はタイトルにはつかないと言いつつ<かわいい>を重きに置いた」と話されてたが、本当に大納得。
そう、こういうことなのでした。

最後に不思議な絵が現れた。
土方稲嶺 狗子図 鳥取県立博物館 孔雀の羽で遊ぶわんこたち。…なんなんやー

まあ今年も本当に楽しい「春の江戸絵画まつり」でした。
後期もとても楽しみ。
関連記事
スポンサーサイト



最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア