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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

天野山金剛寺の名宝/雛まつりと人形

京都国立博物館の特別展観を見にいった。
「天野山金剛寺の名宝」「雛まつりと人形」を主軸に、室町時代の絵巻を目的に出向いた。
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河内長野の金剛寺という古刹から来ているのが、今では一階の仏像の間に鎮座ましますこのお二方である。

大日如来坐像
不動明王坐像 行快作
先般の平成知新館の鎮護の要職を締められたかと思いきや、仮住まいだったのだ。

金剛寺はなんでも改修工事をされていて、その間に京博の保存修理所で修理をされて、ここに鎮座ということだった。
つまりお寺が治ると仏さまも眷属も屏風も古文書も何もかもみんなサヨナラなのだった。
それを知ったのが京都へ出てから、というか、この日は朝から大山崎山荘―島本町立歴史文化館―龍谷ミュージアムで、本来ここから高島屋経由で兵庫県美に行くはずがツイッターで「天野山金剛寺の名宝」の期限を知り、急遽龍谷ミュージアムからバス1本で出向いたのだった。
208系統ね。
ほんまに急でしたが、この後予定が全て変わったものの、行ってよかったと思う。

大黒天立像 黒くて逞しい大黒天である。足元は今にも走り出しそう。そして手にした小槌はこれはもう宝物がバンバン飛び出すと言うよりも、これで一撃食らわせば脳漿飛び出すのは疑いなし、という代物。
むしろ鉞に似ている。
七福神が闘う絵も熱田神宮で見たけど、ホント、闘神・大黒天という感じ。

獅子(大日如来像台座付属)6躯 こいつらがまぁ可愛いのなんの。大きさは小ぶりで鍍金で、顔つきもみんな違う。阿吽阿吽と色々いるけど、元は8揃いで2匹はどこかへ。グループ卒業なのか誘拐なのかは知らない。
先の巨大な大日如来さんのお台のところにいやるわけです。
太眉に大きな鼻の穴の奴や胡散臭そうに睨む奴やおどけた表情の奴等々。
可愛くて可愛くて。これに対抗できるのは大倉集古館に住まう忠太の狛犬ちゃんたちですな。
彼らの丸い頭の可愛さはキュートすぎる。
 
金剛界三十七尊のうち(大日如来像光背付属)8躯 要するに平等院の飛天さんを思い出していただきたい。似たサイズで中空に舞い浮かぶ尊き眷属たち。
にこにこ笑うのもいた。筒帽子をかぶるひとも。

剣 附 黒漆金銅三鈷柄宝剣拵 持ち手の柄が三鈷杵てすごいな、もぉ殆ど伝奇系アニメぽい。

日月山水図屏風 6曲1双 これが見たくて飛んできたのね。ああ、なんだか日本の昔話。
いいなあ。のんびりといい気持ちになるね。
緑の山、激しい流れ。山からの滝水が川へ。松も杉もイキイキ。
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五秘密曼荼羅図 1幀 なんかもぉ仲良しさんというかなんというか、肩の辺りから二人が顔を出している。昔のファミリードラマ、あんな感じ。

紺紙金字法華経 巻第八 1巻 ああ、綺麗なお経。
遊仙窟残巻 1帖 …あ、これあれか、あれやなあ。駒田信二あたりが翻訳してくれたら面白かったろうに。お寺で人気の読み物だったのね。

やっぱりあの大日・不動の並びは迫力があったなあ。
ずぅぅぅぅぅんって感じで堪えるわ。もうこの並びは見られなくなるのか…今月末までなのか。
残念というか淋しいというか。
しかしこんな気持ちになるのもここでこの並びを見たからこそ。
ありがとう、とお礼を言いたい。
重量感あふれる、存在感の重い仏さまたちでした。


さて他の展示物を拝みましょう。

釈迦堂縁起 6巻のうち巻3 清凉寺  これは絵巻だけど、仏像自体は近年しばしば奈良博でよくお見かけする。ものすごく繊細なドレープのドレスのようなのをまとってはるお釈迦様ですな。1515年の製作。
前回みた展覧会で特によかったのは2009年の「聖地寧波 日本仏教の源流」展。
感想はこちら

物語でも最初は異国生まれの木像だということだが、いつのまにやらどういう経緯でか謎なまま渡海して本朝へおいでになったとやら。
鳩摩羅什の父に当たる鳩摩羅焔が天竺から震旦へ盗んでお運びしようとする。ここでは王からの迫害を避けるためという説明がある。
昼日中は山中を釈迦像を背負って鳩摩羅焔が歩き、夜になると逆に釈迦像が彼を背負ったとか。
元々の話は今昔物語にあるみたい。
参考までにこちら


桑実寺縁起 2巻のうち下巻 桑実寺 
「BIOMBO」展で見たときの感想
「土佐光茂 阿閉皇女の物語。病床に伏せている。阿閉皇女といえば文武天皇の母で、後に中継ぎの皇位にもついている。土佐派らしい綺麗な色調だった。」

「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏 名宝展」での感想。
「阿閉姫の病。定恵和尚が薬師如来の出現を予言する。
光が射し込んで姫が治るまでが上巻。
湖中から薬師如来が、帝釈天の化身たる太白水牛に乗って出現する。その背後には雲に乗る八童子。岸辺には白馬が待っている。そちらは梵天の化身。岩駒なる白馬は雲に乗り、薬師如来をお運びする。八童子もむろんついている。
この下巻には元明天皇がお訪ねしたり、日光・月光に守られ霊験を顕す薬師如来の姿がある。岩駒が空をゆくと、田や里が眼下に広がる。
この桑実寺の落慶法要は定恵が導師となり、白鳳六年11月8日に行われる。
その様子を瑠璃石から眺める薬師如来と岩駒。」

白牛も黒馬も働き者でかっこいい。
薬師如来たちが乗り継いでやってくる、というのがそもそもいい感じ。

地獄極楽図 2曲1双 金戒光明寺 娑婆と極楽の間には、♪深くて暗い川がある 誰も渡れぬ川なれどエンヤコラ今夜も 舟を出すRow and Row Row and Row 振り返るな Row Row というくらいの流れがあり、とても「黒の舟歌」どころではなかった。
ところで案外地獄へもそうはたやすく行けそうにないのだった。
川か海かはさておいて、その流れには牛も龍もいる。極楽の陸の柵の内には蓮池。

五色糸 1包 金戒光明寺 ああ、まだ色が残っているな。未使用の糸です。

瀟湘八景図 相阿弥筆 4幅 大仙院 元は襖絵で、その引手跡が丸い影になっていて、月が上っているように見える。

賀茂競馬図屏風 6曲1双 これが見たくてね。久しぶり。もぉほんと、不埒な奴らばかりの図。ゲイも多い。変な着物の兄ちゃんもいた。
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花下遊楽図屏風 6曲1双 凄い人物造形。これね、柳櫻をこき交ぜて、なんだが、そんな風景より人なのだよ。出てくる人みんな割と大ぶりに描かれているが、全員がスゴイほつれ毛のみだれ髪なのだよ。
美術ライターの佐藤晃子さんとこのことについてツイッターで話し合ったけど、本当に一番すごいほつれ毛屏風だということで意見一致しましたわ。

春秋禽狗遊楽図屏風 6曲1隻 京都国立博物館 鳥や犬の闘魂を見せるみたいな大会でしたわ。

風流踊・水掛祝図屏風 6曲1双 十念寺 傘がスゴイ。みんなで揃えて拵えるわけだが、今のコスプレーヤーの人らと多分キモチ的には一緒なんでしょうなあ。

染織の方は子供の着物の特集だった。
ちゃんと背守りの糸などがついている。
小城鍋島侯より拝領したとか、孝明天皇の娘の着物とか色々。
明治のはじめ頃には薄暗い地に柄の入るのが流行ったとかそんなことを知る。

やきものはまた秋とは違うのが出ていた。
後漢の緑釉の犬。東博にも天理にもいるが、ここのはちょっと面長の犬。
わんっっと吠えてる。

明器の鴨池(プール)もにぎやか。
鋭い目つきの仕女像は前漢。

三彩神王像、邪鬼を踏むのは四天王と変わらないが、こっちの邪鬼は根性をみせて、神王に噛みついてますがな。

唐の婦女像のふっくらさ、いいなあ。珍しいことに狆をだっこしている。

粉彩松鹿瓶がいい。渡河する鹿とか丁寧な柄。

特集の雛人形などを見る。
衣裳人形のバリエーションが楽しい。
お迎え人形。大阪でこの言葉を聞くと「天神祭の」と思ってしまうがそうではなくて、女駕籠でお迎えに来たお女中さんでした。わんこ二匹付き。

着物を着替えて鏡の前でポーズを取る女の姿、それを人形にしたものもある。すごいなあ。
これは吉川観方の旧蔵品。

子供の手鞠にまといつく猫の人形もある。

木目込人形の踊り、楽しそう。

そして年代ごとのお雛様がいい。
やはりお人形はいいなあ。

御殿造りも立派なのが出ていた。
面白いのは、立派な御殿やけれど、ちゃんと関西らしく台所もあるところ。
見慣れてるから当たり前やと思っていたが、これは関西オンリーらしいと知ってから、ますます好きになった。

やっぱり東洋の古美術は楽しい。
いいココロモチで見て歩けてよかった。
京博、次は4月から狩野派の大きな展覧会が始まる。
そちらもとても楽しみ。
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