美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

聖護院門跡の名宝 1

龍谷ミュージアムの展覧会はいつもとても面白い。
今回は「聖護院門跡の名宝」展である。
見に行く前からさぞやと期待して出かけるわけだが、ここで一つ振り返ることがある。
聖護院て…よく知らないなあ。何のお寺なのか。それに門跡寺院だったのか。
…というのがわたしの心の声。
京都市民の友人知人に尋ねると、洛外の高野村住人も吉田神社の氏子も衣笠山の麓の人もみんな、聖護院の場所は知っていても入ったことがないと仰る。
わたしもバスで…何系統か忘れたがたまに近くを通ったりもするが、「ああ、ここが聖護院かぶらとか大根とか聖護院の八ッ橋とかのあの」と思うくらいで、ほんまにどうも申し訳ない。

ツイッターでこういうことを呟いたところ、何人かの方々から聖護院のお寺のお話とか何が有名とかそぉいうのを教えていただいた。
ありがとうございます。ほんまに考えたこともなかったのでした。

さて、こういう何も知らないわたくしが龍谷ミュージアムに入り込んで見たものは何か!
ここらへんのことをちょいちょいと記させていただきたいと思います。
なお聖護院以外の所蔵先については記載する。個人蔵については―を記す。

チラシは二種ありそれぞれ違った味わいを見せている。
副題は「修験道と華麗なる障壁画」。
これでようやく聖護院が修験道の方のお寺だと知る。
この不動尊がご本尊。
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3階から始まる展示。
壮観。
何がかと言えば、ずらりと不動明王像が並ぶ様、それが他にない眺めではないか。こちらも気合が高まってくる。
先に壁面展示から見る。

序章 増誉大僧正とその偉業
創建者・増誉は熊野詣の先達を務め、その縁からこの聖護院が熊野修験を統括する山伏のお寺になったそうだ。
平安時代、「蟻の熊野詣」といわれるほど熊野詣が盛んだった。
今でさえ行くのが遠い地へツアーを組んで、都からはるばる行くのだ。
信仰心とは恐ろしいものだ。

増誉僧正像 江戸時代 黄衣をまとう。絵自体は今の絵のような雰囲気がある。

春日権現験記 江戸時代 東博 冷泉為恭らの模写もの。 

宇治拾遺物語 巻第5 龍大図書館 三室戸寺の叔父の隆明と甥の増誉の違いについての説話など。

新羅明神像 鎌倉時代 「肥満相」で描かれているそうだが、剥落しすぎてわからない。
新羅明神と言えば数年前の「三井寺」展で異形のお姿を拝し、非常な畏れに打たれたものだ。
あの異形、この肥満相、それから痩せた老人の姿と色々あるようで、ますます謎の神様だった。
為恭が模写したものは痩せた老人の姿で、描表装には花鳥が描かれていた。

また別な新羅明神像もあり、こちらは目が怖い。やや右向けで笏を持ち足を組む姿。大織冠ぽいスタイル。鎌倉時代 粉河寺

熊野那智参詣曼荼羅 江戸時代 ― 金銀の月日が上る。滝がない!ただし補陀落舟はある。鳥居の扁額には「日本第一」の文字。大釜が岩に据えられていた。

木像熊野本地仏坐像 江戸時代 千手が中央。薬師や阿弥陀ではなく。台の岩に苔が繁茂し、白い花が咲いている様子。
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吉野金峯山図絵略記 中邑候卜 江戸時代 喜蔵院 版本で中身はガイドブックな地図。町家が三階建てでホテル風にも見える。惹かれる。

第一章 聖護院と本山修験宗の遺宝
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銅造役行者半跏坐像・前後鬼坐像 出羽守政常 1695 このチラシの真ん中のがそれ。出羽守は彫刻の人ではなく京の鋳物師。その銘がある。
役行者の眼が怖い。左右の二人は指が三本ずつ。

役行者は修験道の始祖だからそれ系の展覧会ではよく見かけるが、どれもこれも怖い顔している。
ここにある他の像もそう。
わたしが役行者を最初に知ったのは「新八犬伝」のジュサブローの人形だったから、ここにあるのとはまたイメージが違うのだよな。最初のスリコミ記憶は消えないものです。

役行者前後鬼・八大童子像 室町時代 住心院 中央やや下に役行者とその周囲に8+2。白狼が控えている。子供らはそれぞれ可愛らしい。

多武峰からは絵巻も来ていて、そちらは表現はともかくどうみてもSF。

木造智証大師坐像 平安時代 頭が尖っているなあ。この像内にはさまざまな資料が収められていた。
これらは以前にもどこかで見ている。

そしていよいよ不動明王の像のオンパレード。
立像の周囲を歩き回るその快楽。ほんとうにすばらしい
腕白そうにみえるものが瑟瑟台に立っていたり、歯の水晶がギラリとしたものものがあったり、天冠風なので巻き毛を隠したものもあれば、彩色の佳く残るのもある。

イメージ (27)

絵もいいのが出ている。
黄不動尊、五大尊像など。いずれもこちらも気合が満ちて来るような力強さ。
かっこよかった、とても。

孔雀明王像 室町時代 ああ黒孔雀とは珍しい。背後に広がる羽が光輪のようにもみえる。元から黒なのか経年からのか。

箕面寺秘密縁起 江戸時代 瀧安寺 おお、箕面の瀧安寺。そういえばここは修験道のお寺でしたな。
山には天狗もいてご挨拶。鬼たちもはしゃぐ。役行者も滝には見とれる。
そう、箕面の滝は古くから人気なのです。
遊山風な、楽しそうな様子がとてもいい。
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「こんにちはー」「あー、こんにちはー」

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「おー」「すげー」
よくみたら滝の中に不動尊。火焔も消化しそうな勢いの滝でした。

摂州箕面山瀧安寺伽藍之図 松翠 江戸時代 龍大図書館 滝がゴォゴォ。猿はいないし紅葉も見えない。
久しぶりに行こうかな。新緑の頃とか。

三峰御神犬 版木 明治時代 三峰神社 狼か。林の中で阿吽の狼の。ほしいな。

第二章 聖護院と関連寺院の宝物

平安後期の木造の阿弥陀三尊、大日如来、地蔵などが並ぶ。いずれも京都お寺のあちこちからのものだが、みんなとても美人。

涅槃図 南北朝時代 リス、カエル、蝶、大きな花をもってきた小象、うさぎ、鳥たちはそれぞれ花をこわえて。

十二天のうち梵天・帝釈天 南北朝 三室戸寺  とぼけたような知らん顔など三面のお顔が可愛い。

ほかにも良いものがたくさんあるが長くなりすぎるので、今回はここまで。

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