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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「クラブ式広告」展 中山太陽堂の広告活動 

春の恒例クラブコスメチックス文化資料室の展覧会に行ってきました。
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このブログ上で毎春ご紹介しているけれど、やっぱりね、いつ行ってもわくわくしますな。
無料でここまで見せてくださるのは、やはりすごくありがたい。何を見ても面白いだけに。
*写真はすべて許可を得ての撮影です。

始まりは「中山太陽堂」で創業者・中山太一は天下の広告王。
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明治の広告合戦の凄さというのはこの化粧品だけでなく、たばこの村井兄弟と天狗商会、三井と三菱の客船などなどの資料を見ればただただ唖然となるばかり。
もう本当に知恵の限りを尽くしての広告合戦。
世界でも日本のコマーシャルのレベルの高さと言うのは群を抜いてるけれど、やっぱりそれは明治のこの時期に培われ、大正で洗練され、昭和で花開いたと思っている。
戦争で全部だめになるけれど、戦前の宣伝の素晴らしさは現代でもここまで到達できるかどうか。
そんな中での中山太陽堂の宣伝力は群を抜いていたのでした。

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三越の少年音楽隊に世間が「をを!」となったのをきっかけにほかの百貨店も音楽隊などを拵えたが、この中山太陽堂は少女による明るいちんどん屋を組織したらしい。
どんな音楽をかけて街を練り歩いたかは詳細不明。
どなたかご存知の方があればぜひご教示を!

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日本初のアドバルーン広告も中山太陽堂。そしてプロペラ機からチラシをまいたり。
昭和初期はこれがとても有効手段だったよう。
村上もとか「龍 RON」にもそんなシーンがありました。
そういえば、空からチラシ、のもとは案外幕末の「ええぢゃないか」かもしれんな。
天からお伊勢さんのお札が振ってきてどーのこーの・・・

雑誌の広告。
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こちらは三越の刊行していたPR誌上で他社製品と共に商品案内。
昔の化粧品の瓶の華麗さにはそれだけでときめく。

雑誌の付録が愛されていた時代、婦人誌にカレンダーも付けました。
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左から田中良・木谷千種・伊東深水。
高名な挿絵画家と大阪の人気女流日本画家と美人画の大家。

モガもあります。IMGP0264.jpg
細木原青起。なかなかもう見ることが出来ないので嬉しい。

昭和に入ると人気スターの写真ポスターも出現。
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高杉早苗、入江たか子などなど。

オシャレな宣伝はまだまだ続く。
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このタイポ、レトロなだけでなく、今でも十分可愛いと思う。

マンガにも登場。田川水泡のマンガのラストシーンをよくよくご覧あれ。
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お気づきですかな。
「クラブハミガキ」でしたー

大人気の「冒険ダン吉」の付録本の裏表紙には中山太陽堂オリキャラの「ハミーおじさん」。
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ベイマックスの先達やな…

こちらのマンガは東郷青児。
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なんか2週間しか勤務しなかったそうだけど、嘱託でこうした作品を描いていたそうな。

旅行ブームの頃にはこんな宣伝も。
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右端のはホルモンクリーム。今の保湿クリーム。
これは最近このパッケージのが復活して販売中。

さてこちらは初代通天閣の写真。
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天井絵があり、それは中山太陽堂が寄贈したそうです。
だから「クラブ」の商品名がゴシック風天井の襷に書かれている。

織田一磨の原画IMGP0284_2015040700205179d.jpg

今度、通天閣の天井画が復活するとかで、初代の織田一磨の絵を再現するとか。
沖谷晃司氏の絵。IMGP0285_20150407002053c57.jpg
そしてこれはクラブコスメチックスからの寄贈。
楽しみ。

なおここでは、再現されたレトロパッケージのクリームなどが販売もされている。

5/30まで。
アクセスなどはこちらへ。
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