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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

Muttoniに幻惑されて

久しぶりにムットーニの劇場が見られるというので、阪急に行った。
愛する忠太の建造物をナイガシロにされて以来足を踏みいれなかったが、ムットーニなら別だ。
私はアサヒグラフで見てからそのファンになり、キリンプラザで実物を見た時には嬉しくて仕方なかった。更に大丸でご本人による実演に出会えた際には、幻惑されてクラクラした。
間には世田谷文学館で『山月記』などを見ていたが、これも行くたびに楽しみで仕方なかった。

今回もなかなか大がかりである。関西初目見得もあるそうな。私は六時少し過ぎに入ったが、ご本人による実演が始まっていた。

作品を作る人は総じてメーカーである。
メーカーの語には当然ながら神様と言う意が含まれている。
それを実感するのがこのムットーニの世界だ。
彼を神として生まれたこの世界には一つの秩序がある。律とでも言うべきか、その中でからくりBOXと電気人形たちは生命を与えられ、それぞれに振られた役処をこなす。謀反は許されない。
彼等の神ムットーニは現代の錬金術師だ。
更には私たちのカリガリ博士だ。端正な面と少年のような肢体を持つムットーニの声は、人形だけでなく観客であるはずの私たちまでもたやすく支配する。そして私たちはその支配を快楽に感じてしまう。
危ない、それは危険だと理性が必死で呼び掛けてくるが、もう遅い。
気がつけば私たちの身体は縮こまり、表情筋はこわばり、思わぬ角度に手足が動いてゆく。動けなくなった、いや違う、人形になった私たちはムットーニの魅惑的な指に掴まれ、彼の次の迷宮の住人にされてしまうのだ。だから入った人より出て行く人が少ないのだ。きっとそうに違いない。

・・・そんな妄想に駆りたてる力がムットーニの世界にはある。


不調法な店員たちへの不満も消えるほど、彼の暗闇に輝く電球の世界は魅力的なのだ。

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コメント
誰でもピカソで紹介される以前に札幌でも上演されたムットーニ。私の中でもグラインダーマンと双璧です。
2006/02/04(土) 02:20 | URL | xwing #lW1SJDGw[ 編集]
TVを見ないのでよくわからず、今調べました。
・・・色んなパフォーマーがいてますねえ。

でも考えたら工業系ですよね。
工業系と興行の結びつき・・・科学者でんじろう先生でしたっけ、の活動もまた、エライと思います。
2006/02/04(土) 11:28 | URL | 遊行 #-[ 編集]
はじめまして。
コメントTB失礼します。
先日、世田谷文学館にてムットーニを体感してきました。
「山月記」は高校の教科書で読み、
なんて素晴らしい短編小説なのだと、
当時感動したことを思い出しました。
見事に再現されたムットーニによる世界、世界観。
僕はその日までムットーニの存在すら知らなかったのですが、
他の作品にも非常に興味を持ちました。
2006/02/07(火) 15:01 | URL | 現象 #nl2TgjRk[ 編集]
こんにちは。

ムットーニの世界観そのものがなにかしら、悪夢や妄想の具象化のようで、どんなロマンチックなものを見ていても、『ほのぼの』にはならないところが、魅惑の源のように思います。
彼の声そのものが、異界への導きのようです。

長らくその世界に触れていないと、ムットーニのからくりBOXが見たいためだけに、世田谷文学館へ行くこともあるくらいです。

『山月記』はわたしも大好きです。
あの作品を皮切りに中島敦の文学にのめりこんで行きました。
世界の原初の悪意、人間ではどうにも抗えない運命の力。
ときめきました。

『猫町』のにゃあとした恐怖。入り込んでしまえば二度と帰れそうにない気がします。薄暗い、おびえ。
月面基地も本当にあんな感じなら、旅行したいと思います。
2006/02/07(火) 16:27 | URL | 遊行 #-[ 編集]
あれ、TBが張れてませんでした。
すみません、うちのサーバが調子悪いようです。
あのボックスを見るためだけに世田谷文学館。
僕も再度行きそうです。
あの声はご本人のものだったんですね。
2006/02/10(金) 19:22 | URL | 現象 #nl2TgjRk[ 編集]
こんばんは 実は私の方も三度に一度はTBダメ系なのですよ。

コメントいただいたときお伺いしました。
アイスランドのお話に関心が湧きました。

昔、アイスランドにとてもハマッていたのです。
レイキャビックの成り立ちだとか、温泉がすてきだなとか、デンマークを捨てた人々の話とか・・・
映画もすごいですよね。
日本から永瀬正敏が『コールドフィーバー』でしたか、出てましたね。
2006/02/10(金) 20:44 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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