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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

花紀行 京都中央信金所蔵品展

京都中央信金が創立75周年を迎えたそうである。
めでたい。わたしは預金者ではないが寿ぎたい。
この通称・中信は京都の文化面にとって、とてもありがたい存在なのである。
美術館を運営している。そして作家たちの支援をしている。
堀川通りから府庁へ向かう道すがら、素敵な建物がある。
そこが中信美術館である。
無料で良質の美術展を見せてくれる。

今回は「花紀行」として、現代日本画家の花絵を集めていた。
靴を脱いでスリッパに履き替え、受付に立った時、この絵が目に入った。
堂本元次「蘭花集い手―て薫り合う」である。
イメージ (22)

様々な種類の蘭たちが寄り集い、芳香を撒いている。
以前に加賀正太郎の「蘭花譜」を見て蘭の種類の多さに驚いたが、ここにも軽く十種を超える蘭たちがある。
妍を競う、とはこのことか。しかし誰もが勝ち誇るわけではなく、やさしい調和がある。

濱田観 芥子 薄い色調の変化を見せる空色を背景に紫と赤の芥子がまっすぐに茎を延ばし花を開いている。
薄紫の方は蕊を隠すが、赤い方はもう隠すことが出来ず完全に開き、間もなく終わりを迎えようとしていた。
その奥には花弁を喪った蕊と茎とが咲く。ふと、ナマナマしさを覚えた。

浦田正夫 ぼけ 紅と白との木瓜が明るく可愛く咲いている。近所に木瓜を素敵に咲かせる家があるが、よくよく見ると木瓜はだんだんと色が濃くなるようだった。だからここに咲く白もそのうちに薄紅位に変わるのかもしれない。

池田遙邨 花の疎水辺 さすが遙邨、とてもすばらしい。そう、春の盛りの疎水はこんな風になる。奥の小さな赤橋が緑の地をつなぐ。土手には小さな草花が芽吹き、桜の庇護のもと、静かに生きている。疎水の水もさらさらと流れる。
時を超えて永遠にこの風景画続くことを望む。

イメージ (23)

稲元実 鉄仙花 花弁の先にチラッチラッとアンテナがあり、それが電波を拾うようだった。薄紫と白との優雅なコントラスト。シックでいい花。

山口華楊 蘭 洋蘭ではあるが華楊が描くと少しばかり無国籍な風にもなる。
背景の薄黄緑がいい。黙って並ぶ蘭二輪。

茶室をのぞく。屏風に伊砂利彦の型染めによる夜桜図が広がっていた。
いや、広がるのを制御されていた。枠はないものの円相に納められて、その中だけで花弁を舞い舞いさせている。
静かな狂気に似たものを感じた。

松岡政信 しだれ梅 薄い色の金箔地にしだれ梅。枝ぶりは細いが優しい。

山崎隆夫 春香 こちらは金地に紅梅白梅が入り乱れる。花よりも枝が激しいうねりを見せていた。

小倉遊亀 白梅 左上に群青を置き、そのほかは金泥のような色で占めて、そこに白梅を咲かせる。決して真っ白ではなく薄紅がかった白梅を。

前田青邨 紅梅 青邨の梅の様式をここでも見られるとは。躍る枝振り。そこに紅梅が咲く。金時人参と同じ色の紅梅が。ああ、可愛いなあ。

大野藤三郎 白牡丹 その背景の色が不思議な色で、薄いお茶の色のようにも見えるのだ。そこに白い牡丹が大きく花開いている。背景の色はまだ暁の頃のようにも見える。不思議な色調だった。

小松均 牡丹大王図 うん、大王やな。…群青地にどかーーーんっと白牡丹。
白牡丹だがどこかに緋色を秘めている。

工藤甲人 夕牡丹 やはりどこか幻想味が強い。満月を背景に佇む薄紅の牡丹。

松尾敏男 雪中花(寒牡丹) 薄紅と白の牡丹が寄り添いながら雪中に倒れている。雪責めで傷んだような、痛々しさがある。芝居の明里を思い出す。
どこか無残な美しさを感じる。

堀文子 牡丹 海を背に薄紅と白とが咲いている。松原が中景にある。
なぜか日本ではなくメキシコだという気がする。

山本倉丘 長春花 薔薇である。

芝田米三 月下に咲く 女の横顔、髪についたのは月下美人か。
須田国太郎に師事した画家。

関主税 浜に咲く たぶんハマナスかと思う。なんとなく偉そうな花弁が面白い。

牧進 薔薇 群青を背景に黄色いバラが一つ。

大野俊明 芍薬 可愛いピンクの花がよく咲いている。

黒光茂明 菊 墨だけで葉を表現し、どこかしら怖いような風情があった。

5/17まで。
いいものを見せてもらい、とても嬉しい。
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