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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

郷倉和子 百寿の梅

香雪美術館で「郷倉和子 百寿の梅」展が開催されている。
副題は「表現を梅に託した画家」。
そう、郷倉さんは梅をとても愛し、梅を描くことに力をそそいでいる。
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今回の展覧会タイトルで初めて郷倉さんが百歳を迎えられたことを知った。
しかしお達者なようでけっこうなことだと思った。
日本画家は特別長命か短命かのどちらかというのが多いので、こうして百歳を超えてなお現役だということはとても尊いと思う。
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高原の秋 1933 18歳の作品。秋草が繁茂する一角を捉え、そこに小禽を配する。華美な色彩はないが、若い人の決意とかこの道を往こうという意思を感じる絵。

庭の一隅 1934 ガクアジサイにクロアゲハという取り合わせはとても好ましい。少し先には白い蝶もいる。
同時代に速水御舟が西洋紫陽花にクロアゲハを配した、時間の止った絵を描いていた。
あの絵の異常な魅力はここにはない。なくていい。あれはやはり早死にする人にしか描けない絵だからだ。

春 1955 もこもこの桜。背景にはやや濃いめの色が使われているのは時代性か。

菜園 1960 緑の濃い庭。しゃきしゃきと何かを食べたくなる。

楽園 1963 カラフルな絵の中に見受けられる黒いのはトリ。何の鳥かは知らないが可愛らしい。
7羽が下に集まり上の木々の隙間に17羽が隠れていた。
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榕樹 1970 ガジュマル。沖縄返還が決まったのはいつだったか…ハイビスカスらしき花も見える。

獅子頭と水島柿 1980 不思議な取り合わせ。タイトルだけなら小禽と柿かと思うが、ほんまの獅子頭。籠には柿。

熱国の湖畔 1983 アンスリュームという熱帯の花とカージナルとがいる。しかし黄土色の背景からはそんな熱帯性気候は感じられない。

閑庭 1984 池田遙邨にも似た絵があったと思ったら、これは光悦寺の風景だった。白萩、苔庭、石、竹、白壁、鼠色の瓦…静かな調和がいい。

古木に出た紅梅の芽 1985 蓆でぐるぐる巻きのミイラ木から新しい花が開く。
ここから郷倉さんの梅シリーズが始まったという。もう30年。
湯島で見たもの。湯島の白梅ばかりが有名ではないのだ。

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寒月 1987 闇に白梅が。月は上がっているが闇に飲み込まれそうである。しかし白梅の香りは強く漂っている。暗香とはよく言ったものだ。
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静日 1989 白・黄・青の美を堪能する梅。青軸白梅の蕊は黄色。綺麗だった。
そしてそこには灰色の空に日本家屋。優しい和の時間がある。

厳寒に咲く 1991 薄い群青色または縹色の夜、白梅が枝を広げる。民家はそれを見守る。

春日蜿蜒(紅梅)2000 
春日蜿蜒(白梅)2001
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早春の美。呉春の「白梅図」を思い出させてくれる大作。
紅梅は活気があって力強い、というのが画家の言葉。確かに蕾があっても満開のような華やかさが紅梅にはある。白梅の清楚さとの楽しい比較にもなる。

春暁 2002 上に白、下に紅の梅たち。

春に遊ぶ 五羽の雀たちが可愛い。やややせている。

薫春躍兎 2011 飼うてるウサギが走る姿。ゾロ柄のウサギ。白梅の下を往く。
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春の瞬き 2012 あらら、3羽になっている。いや、もしかして異時同時図かもしれない。

春へ 2013 白梅と銀枝と二匹の鯉。ああ、希望を感じる絵。

空へ 2013 金の梅が咲く。寒中の気持ちよさを絵に込めている。
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朧々 2014 空と富士と白梅という日本人の好むものの取り合わせ。

かほりシリーズがある。2002-2004の間に製作された様々な花鳥たち。
菖蒲、うめ、チューリップ、菊、飛鳥、柿、雀…
ほのぼのする。

薬師寺の散華「紅白梅」原画がある。いいなあ。薬師寺さんのセンスの良さ。

梅の他にもスケッチがあり、いずれもとてもよかった。
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郷倉和子さん、これからも新作をお待ちしています。

5/10まで。
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