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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

鎌倉から始まった。1951-2016

鎌倉にある神奈川県立近代美術館の本館が今後どうなるのか、わたしはわからない。
もう借地権の関係で終わりだというが。
建物は1951年に坂倉準三の設計で造られたドコモモの選定建造物である。
鶴岡八幡宮の平家池にせり出してたてられているので、夏は蓮が近い。
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正直なことを言うと、わたしはモダンムーブメントの建造物がニガテだ。
見た目とか機能性とかにすぐれたものがあるのだろうが、どうしてもなじめない。
だから1950~1970年代のモダニズムの建物とは距離を置いてきた。
かといって、美術館機能が置かれているのだから全く行かないわけにもいかず、ニガテながらもその空間に身を置いては作品を眺めてきたが、やはり自分の居心地はよくはならない。
たぶん、わたしが好きではないので建物の方もわたしが嫌なのだと思う。

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こうしてみると、案外見に来ていた。
特に心に残る展覧会もいくつかあることに気付く。
歩み寄りは難しい、と思っていたのはわたしの勝手な思い込みだったのかもしれない。
自分のデータを照合する。
最初にここへ来たのは1989年11月で「向井良吉」展の最中だった。
あまり好みではなかったようだ。
次が1996年11月の「絵を読む心・物語と幻想」なのだがこのチラシにそのタイトルは出ていない。しかしここで清方の「お夏狂乱」と誰かのサロメとを見ている。
そして1999年6月に「水の物語-ヨーロッパ絵画に見る神話と象徴」展、これが今もなお心の底に息づいている。

作品をみる。

青山義雄 湖のほとり 1925 油彩 マチスのお弟子ということだが、色彩はシャガールに似ている。牛もいるから余計にそう思うのかもしれない。

朝井 閑右衛門 電線風景 1960  油彩 モノスゴイな、このマチエール。絵もあれだけどそれ以上にマチエールに目がゆく。

三岸 節子 小運河の家 1973  油彩 ああ、グレーの佳さを堪能する。赤、白、グレー。
三岸さん、本当に素敵。

鶴岡 政男 視点B 1966  油彩 描かれてその年に購入されてる。妙に楽しいぞ。半円と半円が上下にあり、つまりカプセルが割れたみたいな状況で、そこにまた半円と半円がのぞいていて、その中にも実は半円が…
SFでなんかこういうのあったな。

ルイ・ル・ブロッキー 川の流れ、ユリを手にした行列 1986 リトグラフ 妙に薄青い、薄い存在の人々。

清宮 質文 夕日と猫Ⅱ 1979 木版 黒猫と○い太陽と。何も言わぬ猫が妙に可愛い。

飯田 善國;西脇順三郎 クロマトポイエマ』 1972 シルクスクリーン  ヒッチコックの横顔風なのがある。なんだろう、これ。

西脇の絵が並ぶ。以前彼の展覧会でさらりと魅力的なのを見ている。
西脇 順三郎 九月 1966 油絵 水彩のような感覚の絵。九月というより春のような風景。

西脇 順三郎 マラルメの扇 1950年代 油彩 どことなくドンゲンにも似ている。

西脇 順三郎 キリストの変容 ― マタイ伝第17章 1981 水彩 変な顔つきの変な群衆と。

山口 勝弘 ヴィトリーヌ No.37 1953 ミックス  例の右から見た景色と左から見た景色が違うようになるもの。ガラス表面によって変わる景色。面白くて好き。波状に見えるのがまた面白いね。ただ、これがアートですと言われると「…そうなのか」その深さにおののくわけですわ。

坂倉 新平 内なる光 ― 金色の僧院 1992 油絵 オレンジとレモン色と白と。色の取り合わせはとても綺麗。

松谷 武判 1937- 接点2009 2009 ミックス 変な寿老人にしか見えないんだが。

野中 ユリ 夢の地表Ⅳ 黄金の花 1978 コラージュ 綺麗すぎて…以前別館での展覧会の時、図録が売り切れていた無念さが蘇る。

柄澤 齊 クロノスの盃 1979 コラージュ  真っ暗な中に卵の殻がギザギザに割れたような器が浮かび、その内側に宇宙がある。宇宙の深淵をそこにみる。

舟越 桂 彫刻のためのドローイング(アンソニー・カロの肖像) 1990 木炭 かっこいいジイさんですな。

伊庭 靖子 Untitled 2009 油絵具 イスラームの花のような。綺麗で見飽きない。前もこの人の作品にそうだと知らぬまま惹かれていた。

立体作品

堀内 正和 D氏の骨ぬきサイコロ 1964(1993鋳造) ブロンズ  刳り抜き。ぬかず?ううう??

岡崎 和郎 招福猫児 2006 石膏に彩色  白ネコやがな、白に白を塗って…松浦だるま「累」みたいやな。

小川 待子 WA-BLUE 六 2002 陶土 、釉薬  青色がとてもいい。アイスブルー。そして内側はゼリー状に見える。不思議なやきもの。この釉薬は化学製品かな。

鷲見 和紀郎 CRESCENT 1991-2002 ホワイトブロンズ  ざりざりざり。ところが指輪にほしいようなスタイル。かっこいい。

存外ここの現代アートのときめいたな。わたしとしたことが。

次は別館へ向かう。途中の八幡宮の休憩所で蒟蒻の味噌田楽をいただく。

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日本画の部
鏑木 清方 一葉図(下絵) 1940  おお、下絵はここにあるのか。

前田 青邨 内山岩太郎氏像 1965頃  ええと、何の方ですか、この花柄とか…

中村 岳陵 孫図(下絵) 1951  おもちゃも周りにある。白いヒラヒラを着て帽子も可愛い。孫への愛情が漂うねえ。

玉村 方久斗 能因法師 1926-27頃  2007年にここで回顧展が開かれたようだが、わたしは京都近美で見ている。面白い画風の日本画家だと思ったなあ。物語性が豊かで。息子の玉村さんよりこちらのパパの方が好み。

山口 蓬春 宴 1960  3体の埴輪が古代の喜びを露にする。時間を超越して宴の楽しさが満ち満ちる。青く晴れ渡る空の下で。

小倉 遊亀 牡丹 1984  金地に白の花。優雅な花。

伊東 深水 荻江寿友像 1957  深水といえば美人画というイメージがあるが、一方では実在のその道の達人の肖像画を描きもする。
シワやシミが彼女の歳月を示すが、その強い眼差し、しっかりした物腰、それらが彼女が誰かを知らずとも、見るものにその風格を自然と感じさせる。
実際には彼女の奏でる音曲は聴いたこともないが、聴こえる気がするのだ。

上村 松篁 杜若 1978 ああ、綺麗。ずっとずっと……

岩橋 英遠 仙 1965  カルスト台地に羊のような岩と、黄初平らしき男の影。山の形も面白い。

片岡 球子 剃髪 1950  あら、この若いヒトなかなかやん。周りの女たちは普通。珍しいね。

片岡 球子 面構 徳川家康公 1967  やっぱり憎たらしい。

加藤 栄三 石庭 1955  石二つ。じーっと見る。幻影と向き合うような心持ちがわく。

荘司 福  石 1980  黒い地に一つ、大きい石。
髙山 辰雄 夜  うずくまる人がいる。
工藤 甲人 枯葉 1963 ……あまりに暗い。

近藤 弘明  浄夜  1969 シュール過ぎて意味がわからん。

加山 又造 凍る日輪 1964 カラスがギャーッ
うーん、わからん。この時代の又造さんはニガテだ。

以下はリストにない作品。
須田剋太 侍 おや、定九郎のような。尻ハショリして、水色の下帯が見える。
顔はグズグズ隠れている。
迫力があるなあ。

須田剋太 百済観音 横からの眺め。素敵。

河野通勢 蒙古襲来 油絵 1926 けっこう派手派手な群像描写。

河野通勢 ABC教育 油絵 1936 明治のバッスルドレスの母子。パラソルをさして楽しそう。

加納夏於 水夫イシュメール 「お前が波浪に視たものを語れ」のための昔話 こんなタイトルだったかなあ。カンナ風なのがある。どこがどう「白鯨」なのかもわからん。ただ、これを見たときやはり「白鯨」の世界に浸りたいと思ったのは事実。

そうそう、メモに書いたものでどの作品への感想なのかがわからないものが一つ。
「雪待雛人形 稚児風なのと」・・・なんだろう、これは・・・

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