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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

四月に東京で見た小さな感想

四月に見た分から、小さい感想をまとめた。

・片岡球子展 東京国立近代美術館
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2012年の丁度同時期に香雪美術館で回顧展があり、「富士山」のシリーズを堪能した。
「ゲテモノ」を描くことにまっすぐ向かった球子。
確かにその「面構え」シリーズなどはたいへんニガテだが、そこにある、わけのわからないほどの爆発的なエネルギーには、常々ヤラレ続けてきた。

昭和初期から戦前のいまだスタイルが定まっていない頃の作品を観る。
枇杷 1930 おいしそうでリアリティもある。
人物画が多い。
ここからあの画風へ向かうというのは、やはり凄い……

大きな空間を利用して一気に「面構」を並べる。
足利に対しては悪意を持ってるとしか思えない。笑えるくらい凄い顔である。
ただ絵師と戯作者をセットにすると、背景に彼らの拵えた人物たちが役者の姿を借りて表に現れる。
南北と国貞 アクの強い役者たちが背景でイキイキしている。かっこいい口元。
黙阿弥と三代目豊国 背景に五人男勢揃い…だが仲間内で暴れているようにも見えた。
山崎辮栄上人・狛則承陵王楽人 珍しく白面の青白ささえ感じる、端正な上人。
このあたりはとてもかっこいい。

今回の展覧会は作品を第一に押したのがいいと思う。
こうしたアクの強すぎる絵を見るとき、作者の言葉などがあれば逆に鬱陶しい感じもする。
5/17まで


・ミッフィー展 松屋銀座
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みんなの「うさこ」ちゃんであるミッフィー、ナインチェの原画がとてもすばらしい。
いちばん最初に見たブルーナさんの原画展は1990年のそごうだった。
そのときに製作のシステムを知って驚いたが、今日も何一つ変わらず、丁寧な仕事ぶりだと思った。
今回は3つの作品を中心にした展覧会で、不採用原画が数多く出ている。
ファン垂涎の原画展である。

不採用原画で驚いたものがある。
おかあさんのおなかに胎児が眠る図があった。
うわーっという感じがした。しっかりと守られている胎児。
これが不採用なのはとても惜しい気がする。
観れて本当に良かった。

ブルーナさんは奥さんに「朝食メモ」を描いている。
ゆで卵なブルーナ夫妻など、とても楽しい。
私生活も温厚で健全だからこそ、こうした素朴で無駄のない素晴らしい作品が生み出せるのだと思った。

物販コーナーは欲望のるつぼで、同じオランダでもボッシュの地獄図やブリューゲルの農民たちの騒ぎの様子を思い出すほどだった…


・ピカソと20世紀美術 東京ステーションギャラリー
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富山県立近代美術館のコレクション展である。
わたしのニガテな方向の作品が集まっているが、それでも新しく好きになったものもある。

ピカソの新古典主義の頃の人物画はとても優美でいい。
さすがにキュビズムの美人はどう「美人」なのかわたしにはわからない。
そしてまだ世に出る前の若い頃に描いた「座る若い男」がとてもハンサムでときめいた。

カンディンスキー 散文詩画集「響き」より
人物もはっきりと描かれ、いい感じだった。色の配置も素敵。
「青騎士」の時代なども好きなので、やはりカンディンスキーの若い頃の作品には惹かれる。以前に三菱で見たときの感銘が蘇る。

デルヴォー 夜の汽車 午前二時。外には蒸気機関車が停車。待合室には三人の女がいる。
一人は着衣の駅員。一人はソファで寝転がる裸婦。その顔はとても金子國義好みだと思う。一人は立ったままポーズをとり、それが鏡に映る。
凍りついた官能性を感じさせてくれる。

ナウム・ガボ 空間の中の線の構成 数理的な構造のオブジェ。とても凄いものに感じる。
とてもかっこいい。

クリスト夫妻の仕事もあった。こちらはどうも万里の長城を思わせた。
ほかにコーネルの箱があったが、絵を描いたものだった。
5/17まで。


・ルドゥーテ「美花選」 日比谷図書文化館
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どちらかといえばニガテなのだがその理由がわかった。わたしはこうした博物学的な表現より、うそのはいった花の絵の方が好きなのだ。早い話が日本画の花の絵が好きで、理由として情緒を挙げてもいいと思った。

とはいえ、いくつも好きな絵はある。
ルリスイレン 薄青い花がとても好ましい。
桃 何故かすべて実の状態で描かれていた。
椿 抒情性はなくてもそれだけでも魅力的。

会場内ではチェンバロの音色が鳴り響いている。
6/19まで。


歌舞伎座ギャラリーで四代目鴈治郎襲名披露の特別展が開催されていた。
人柄のよい、それでいて芯に一本通った四代目に期待をこめ、寿ぎしたい。
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歴代鴈治郎に関する資料が並ぶ。
「ほっかむりの中に日本一の顔」と謳われたのは初代だが、わたしは二代目鴈治郎さんのファンだった。
尤もそれは歌舞伎役者としての鴈治郎さんではなく、映画俳優としての鴈治郎さんである。
「雁の寺」「炎上」などなど、独特の味わいのある、ええ役者だった。

初代さんの「河庄」のレコードジャケットが雪岱の絵だった。これを見れただけでも嬉しい。

さて当代の使った衣装などを見る。こちらは撮影可能。
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ええきげんのお役だけに着物も綺麗。
よくよく見ると丁寧な刺繍が施されている。

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こちらは封印切のそもそも証文と対に切ってもた封印ね。
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ああ、えらいこっちゃがな…

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関ジャニ∞の一人が鴈治郎さんに甘えてグダグダいうのをTVでみたが、実に気さくな優しそうな「おっちゃん」に見えた。
尤もそれだから彼も甘えることが出来たのだろう。

名前を変えると仕事も人柄も大きくなる。
人柄のよい鴈治郎さん、ほんまに素晴らしい名前をもっと大きいにしたってくださいね。

久しぶりに歌舞伎座で芝居を見て、半日ここで過ごしたい、と強く思った。
展示は千秋楽と共に終了。
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