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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密

根津美術館の「燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密」を見た。
今年は琳派の展覧会が多く、そこかしこ、煌びやかである。
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第一章 燕子花図と紅白梅図-「模様」の屏風の系譜 
屏風の集まる空間、花に彩られた空間だった。

四季草花図屏風 「伊年」印 6曲1双 紙本金地着色 根津美術館蔵
カラフル!ちょっとまとまりはないけれど、きらきらしている。それは金箔のせいではなく、数多の花が楽しく咲き乱れているから。
夏は槿、秋は萩。ガーデニング空間に近いものがある。

蔦の細道図屏風 伝 俵屋宗達筆・烏丸光広賛 6曲1双 紙本金地着色 相国寺蔵
この空間の切り方、色の配置、いいなあ。青々とした緑の土坡。くっきり分かれたことでシャープさが活きる。文字の配置もいい。

本歌とジェネリックというかなんというか。
槇楓図屏風 伝 俵屋宗達筆 6曲1隻 紙本金地着色 山種美術館蔵
こちらの方が槇がぼわぼわと茂り、下草も多い。竜胆と女郎花が可愛い。
色の混ざりも剥落もない。ちょっと暗い空間になるほどの繁茂。

槇楓図屏風 尾形光琳筆 6曲1隻 紙本金地着色 東京藝術大学蔵 4/18 ~ 5/3展示
この方がやはり新しい感覚がある。竜胆らしきものと、赤い紅い楓と。下には桔梗も咲き、楓も真っ赤なだけでなく黒を帯びたものもあり、その違いが面白い。落剝もいい。

さて大繁盛の二点並び。
燕子花図屏風 尾形光琳筆 6曲1双 紙本金地着色 根津美術館蔵
紅白梅図屏風 尾形光琳筆 2曲1双 紙本金地着色 MOA美術館蔵
右に燕子花、左に紅白梅。
どちらも好きな作品なので、その前に佇むだけで心地いい。
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夏草図屏風 尾形光琳筆 2曲1双 紙本金地着色 根津美術館蔵
大好きな花の行進図屏風!白牡丹、タンポポ、芙蓉に始まりのしのしち広がる花の行進。よくよくみればスミレや花菖蒲やオモダカもある。気持ちいい、とても気持ちいい。

第二章 衣裳模様と光悦謡本-光琳を育んだ装飾芸術 

光琳のスケッチが可愛い。
燕子花図(小西家文書)京都国立博物館蔵  横のが二輪咲、縦のが一輪咲き。
1つのスケッチから様々な世界が広がる。

雁金屋衣裳図案帳(小西家文書) 3冊 紙本墨画 大阪市立美術館蔵  これは以前にも何度も見てはいるが、一度全点を見たいとかねがね思っている。
元禄のハデハデ時代が反映している。というより、ハデハデを創って元禄を派手にしたのはこうした町人文化から。納入先は東福門院がメイン。

扇面散貼付屏風 俵屋宗達筆 6曲1双 (扇面)紙本金地着色(屏風)紙本金銀泥 出光美術館蔵
扇面画がまた素敵なのが多い。白木蓮と泰山木のもある。どちらも英語だとマグノリアに一括されるのだけど、ちゃんとその違いが描き分けられていて、どちらも素敵。
あとは秋草や朝顔の絵など。金箔チラチラの地がまたいいね。

光悦の工芸品の素晴らしいのが来ていた。
芦舟蒔絵硯箱 本阿弥光悦作 1合 木製漆塗 東京国立博物館蔵
群鹿蒔絵笛筒 本阿弥光悦作 1本 木製漆塗 大和文華館蔵
どちらも大好き。特に鹿のは大和文華館で見るときはお気に入りの奴に挨拶するくらいなのだ。

さてここからは光悦謡本が並ぶが、それにあわせて、光琳のスケッチが続く。
つまり光琳が光悦の仕事を参考にして、色々とデザインの稽古をしていたのがわかる。
これはいわゆる盗作などではなく、先人へのリスペクトからくるもの。
そして光琳のスケッチを見ることで、光悦のセンスの良さが改めて伝わっても来る。
美麗な本にはうっとり…

次には和歌とか当時人気の歌を綺麗な花絵で装ったもの。
花卉摺絵隆達節断簡 2幅 紙本金銀泥摺墨書 慶長10年(1605) 個人蔵
花卉摺絵新古今集和歌巻 本阿弥光悦筆 1巻 紙本金銀泥摺墨書 MOA美術館蔵
当時堺の坊さんの「隆達」が拵えた恋歌などが流行していて、それを記している。
絵も藤や太竹とかを地にして、歌詞が載る。

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第三章 団扇・香包・蒔絵・陶器-ジャンルを超える意匠 

工芸品のよいのが集まっている。

扇面貼交手筥 尾形光琳筆 1合 木製・紙本着色・紙本墨画 大和文華館蔵
これは見えるように見せてくれている。
東近美での「RIMPA 」展の時以来の全面展示、いつもは見られない「白楽天」もしっかり。
ヨソに出たら気前よくこうなるわけね。

蕨図団扇 尾形光琳筆 1幅 紙本金地着色
こ、これは「ヒルコ」ではないか!彼らが腕を挙げ呼び掛ける虚無の空間こそは…
いや、ワラビやからというツッコミはなしね。

紅葉流水図団扇 尾形光琳筆 1幅 紙本金地着色 五島美術館蔵
これも好きな団扇。色の配置が好き。

雪松・蔦図団扇 尾形光琳筆 1幅 紙本金地着色
二つをくっつけた形。
金箔と胡粉。色の分け方がシャープ。

円形図案集(小西家文書) 尾形光琳筆 1帖(33図)
紙本墨画 大阪市立美術館蔵
20図ばかり出ていた。
これを最初に見たのは尼崎市での展覧会だった。
こうした絵を見ると光琳のうまさを実感する。

銹絵染付金彩絵替土器皿 尾形乾山作 5枚 施釉陶器 根津美術館蔵
いいお皿。帆船、八重葎、薄、流水に雪マーク、梅。
絵柄もよいし、装飾も綺麗。

光琳のセンスの良さとアタマの良さを感じるのが次の三つ。
構成がうまい。3分割して映えるように調える。
白梅図香包 尾形光琳筆 1幅 絹本金地着色 MOA美術館蔵
蔦図香包 尾形光琳筆 1幅 絹本金地着色
仙翁図香包 尾形光琳筆 1幅 絹本金地着色 江戸時代折り、開く、その喜び。

柄が微妙に違う流水をみる。 
流水図乱箱 尾形光琳筆 1口 木製・絹本着色 大和文華館蔵
流水図乱箱 尾形光琳筆 1口 木製・絹本着色 江戸時代 
大和のは親しみを持っていて、猫手のような波と呼んだりしている。
隣のは群青も入り、やや淀みがある。
箱の周囲の白菊も蕊が違う。
どちらもいいもの。

流水文下絵(小西家文書) 尾形光琳筆 1枚 紙本墨画 京都国立博物館蔵
スタイリッシュな波を描くために努力は欠かせない。
でも、それはヒミツ。

水葵蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳作 1合 木製漆塗 MOA美術館蔵
すごく綺麗。これは鉛象嵌もしたのかな。
綺麗なものを見ると気持ちいいわ。

やはり光琳は梅。乾山も梅。
梅花蒔絵箱下絵(小西家文書) 尾形光琳筆 1巻 紙本墨画 大阪市立美術館蔵
梅花蒔絵燗鍋下絵(小西家文書) 尾形光琳筆 1枚 紙本墨画 京都国立博物館蔵
銹絵梅図角皿 尾形乾山作・尾形光琳画 1枚 施釉陶器 根津美術館蔵
兄貴の才能に歯噛みせず、いいところを使う弟。
利用ではなくに。

銹絵菊図角皿 尾形乾山作・尾形光琳画 1枚 施釉陶器 大和文華館蔵
ハイハイ、好きなお皿。
奈良からお疲れさまです♪

銹絵掻落蔦図火入 尾形乾山作・尾形光琳画 1口 施釉陶器
これはまた可愛い。内外に瑞雲がたくさんあるのもいいね。

この後も可愛いのが続く。
銹絵掻落芙蓉図四方火入 尾形乾山作 1口 施釉陶器
色絵桔梗図長角皿 尾形乾山作 1枚 施釉陶器
色絵春草図角皿 尾形乾山作 1枚 施釉陶器
色絵立葵文向付 尾形乾山作 5枚 施釉陶器

桔梗薄図扇面 尾形光琳筆 1幅 紙本銀地着色 梅澤記念館蔵
かなり暗くなってますな。

図案小品集(小西家文書) 尾形光琳筆 1帖(18図) 紙本墨画 大阪市立美術館蔵
これもたまに見るが、茄子や瓜など野菜や伊勢、頭に袋を乗せた布袋さんと唐子など楽しい。

定家詠十二ヶ月和歌花鳥図 正月 尾形乾山筆 1幅 紙本着色 寛保3年(1743) 家と柳と竹がよろしい。

間に可愛いトーテツくんらに会い、最後の一室へ。

燕子花図屏風の茶 Tea after Viewing the Irises Screens

梅蒔絵硯箱 1合 木胎漆塗 日本 18世紀  紅梅、金。綺麗やな!

青磁袴腰香炉 龍泉窯 1口 青磁 中国・南宋時代 13世紀   明るい色。

墨蹟 清巖宗渭筆 1幅 紙本墨書 日本 17世紀  「青山緑水」。根津の号はここからかな?

ある日の茶室。
土風炉 松木宗四郎作 1口 陶胎漆塗 日本 文政10年(1827)
雲龍釜 京都 1口 鉄 日本 17世紀
青磁鉄鉢水指 龍泉窯 1口 青磁 中国・明時代 15世紀
阿蘭陀花鳥文向付 3口 施釉陶器 オランダ 17世紀
糸目銚子 1口 鉄 日本・江戸時代 19世紀
スッポン鍋を食べたそうな。

茶杓 共筒 銘 時鳥 片桐石州作 1本 竹 日本 17世紀   斑で鳥の羽根かな。

蟹蓋置 道斎作 1個 青銅 日本 18世紀   黒光りしてます。

手取釜 浄味作 1口 鉄 日本 19世紀  小ぶりなヤカン。

瓢形水指 銘 大出来 信楽 1口 焼締陶器 日本 17世紀  なんだか土偶ぽいな。二段腹の。

芽張柳蒔絵棗 1合 木胎漆塗 日本・桃山~江戸時代  朱色に小さな朱の芽が。

伯庵茶碗 瀬戸または美濃 1口 施釉陶器 日本 17世紀   卵色と油揚色の真ん中くらいの色。金接ぎがスゴいわ。

志野茶碗 美濃 1口 施釉陶器 日本 17世紀   荒川豊蔵かと思いました。

秀衡椀 3口 木胎漆塗 日本・江戸時代 19世紀   梅柄が可愛い。

呉州青絵赤壁図鉢 漳州窯系 1口 施釉陶器 中国・明時代 17世紀   鮮やかな青緑。綺麗。

いい展覧会でした。


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