FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

インドの仏

ようやく「インドのイム」ならぬ「インドの仏」展の感想を書けそうな気がします。
二度も見に行ったのに本当に書けなくて困ってたのです。
イメージ (15)

このチラシの破壊的なパワーにまずヤラレましてな。
数か月前に最初に見たとき咄嗟に
♪インドの山奥で 修行をして ダイバダッタの魂宿し
レインボーマンの歌が一挙に出てきましたわ。

しかもツイッターで「これは『インドのホトケ』じゃなくて『インドにいるイム少年の物語に違いない』というヨタが出て、それからはどうしても「仏」じゃなくて「イム」にしか見えなくなってしまったね。
「神」が「ネ申」な、あの感覚かなあ。

さて展覧会は片山東熊設計の美麗な洋館・表慶館で開催。
西洋館で東洋のものを展示する、というのが実は非常に好きだ。
これは山岸凉子「ドリーム」の衝撃が自分の身の内に浸透し、影響を受けたからだと思う。
「ドリーム」に現れる西洋館のインテリアが悉く古い東洋のものだったのだ。

コルカタ・インド博物館から多くの仏像が来られた。
昔はカルカッタだが今はコルカタ表記。なんだか全く知らない地から飛来してきたようなドキドキ感がある。

2003年夏に奈良博で「インド・マトゥラー/パキスタン・ガンダーラ」展が開催されて、それまでガンダーラ仏にはときめいていたが、インド・マトゥラー仏には関心がなかったのが、一気に変心した。
以来「インドの仏」に愛情がわいて、東博や松岡美術館で見かける彫刻に勝手に熱い視線を送っていた。
今回もその例に漏れない。
イメージ (16)

仏像誕生以前
偶像崇拝を許さない時代が長かったそうです。
ここではジャータカをメインにしたものがある。
物語は基本的にお釈迦様が他者のために捨身することですな。
物語の情報が一枚に押し込まれている。

菩提樹(カナカムニ仏)の礼拝 木の回りにいる人々は完全ではないが左右対称の様相を呈している。
こうした姿を見ると布に織られた花樹対鹿文などを思い起こす。

釈迦の生涯
仏伝の彫刻が集まる。

托胎霊夢 ゾウさんきたーーー可愛いね。
インド彫刻ばかりかと思えばガンダーラ仏も少なくない。
 
酔象調伏 仏伝はやはり有名なシーンがメインとなるので、このゾウの顛末はこれまでの展覧会ではあまり見なかったように思う。おお、ゾウさん、小さくなったよ。

仏の姿
ロリアン・タンガイ発見当時の写真、面白すぎる。
仏像をあちこちから集めていて、わいわいしてる。修学旅行ぽい感じに見える。

マドゥラー仏とガンダーラ仏が並ぶ。
同じ図像・同じ物語をテーマにしても表現が違うので、別物として楽しめる。
本当にいろんなインドのイム。

仏顔 ガンダーラ仏の生首だけがそこにある。
甘美な表情。夢見るようなその顔の美しさ。
映画「ドグラマグラ」の九州大学付属精神病院の解放病棟の中庭にガンダーラ仏の首が斜めに転がされていた。
むろんハリボテだが異様に魅力的だった。
あの映画を見て以来、ガンダーラ仏の生首に再会できないかと思っていたが、今回初めてそれがかなった。しかも<本物>の首で。


様々な菩薩と神

菩薩頭部 相当甘い顔立ちで素敵。ローマ色が強い。ややデッサンが崩れている。

ハーリティとバーンチカ 
マトゥラーとガンダーラの地方色の違いがとてもはっきりしている。この夫婦の姿は全く別物にしか見えない。同じ物語の人々とは思えないほどに。
がっしりしたガンダーラ、ふっくらしたマトゥラー。


ストゥーパと仏

奉献塔とセン仏 中世の頃の作品。壊れもしないでよく残る。細やかな表現のものが多くて見る度に発見がある。

実はここでマトゥラーの欄ジュンがあれば、と少しばかり残念に思った。

密教の世界

仏足石 足指が長い。
これを見ると谷崎「瘋癲老人日記」のクライマックスを思い出す。足フェチの老人は懸想する息子の嫁の足裏の拓本を取った。それを自分の墓に仏足石としてつけてもらおうというのだった。

白文殊菩薩立像 ああ、インドのイム。綺麗な体、素敵。唇の厚さも魅力的。

サンヴァラ立像 北ベンガル 今回ここの地方のはこれだけ。怖いことにブラフマンの首を持って立ってますわ。

経典の世界
これが大変良かった。
今回の唯一の絵コーナー。

東インドのパーラ朝の男尊女尊、14世紀頃の仏たちなどなど。ポーズはみんな一緒で、ある意味ラジオ体操を思い出させてもらった。

さらに挿絵が艶めかしい大乗荘厳宝王経、これがとても面白かった。
観音の降臨 地獄の釜の蓋にいてます。
難破する師子王と隊商を助ける羅刹女 溺れる人々を助ける羅刹女たち。
師子王と羅刹女の生活 実に楽しそう。しかしこのままでは破滅が近い。

参考資料として名古屋市博物館が所蔵するこのシリーズのがまた素敵。
これはしかし「高野聖」「ローレライ」に一脈通じるものがあるなあ。

仏教信仰の広がり

仏坐像 ミャンマー にっと笑いながら首を傾ける宝冠仏。飾りがまたきれい。

銀鉢にはヴェッサンタラ本生が打ち出されている。凄い!!

ああ、いくらでも見て歩けるわ。
素晴らしいインドのイム。
面白かった…5/17まで。

関連記事
スポンサーサイト



最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア