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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 アメリカ合衆国が誇る印象派コレクションから

随分遅ればせながら三菱一号館で開催中の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 アメリカ合衆国が誇る印象派コレクションから」の感想を少々挙げたいと思う。

随分前にもここの名品展などを見ているが、やはり良い作品が多いことを改めて実感する。
作品のいくつかは実物を見る以前から見知っていたりもする。
よいものを芳しい空間で味わおう。
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1  戸外での制作

ヨハン・バルトルト・ヨンキント 曳船道 1864年  いい風景。道が緩く湾曲して伸びているのだが、その外周に当たる左面に木々が林立。しかも高い木で上部にだけ茂っているので見通しもいい。右側には白いビルがある。なんだかいいなあ、こういうの。

クロード・モネ アルジャントゥイユ 1872年頃  道の奥に教会か何かがある。左は川、右はモミの木かヒマラヤ杉かなんかそんなのがある。いい感じの道。舗装もされてない。

カミーユ・ピサロ 柵 1872年  女と男が立ち話。木はまだ繁る前の季節。そんな時期の立ち話。

カミーユ・ピサロ ルーヴシエンヌの花咲く果樹園 1872年  木花で、その下で立ち働く人々。

アルフレッド・シスレー アルジャントゥイユのエロイーズ大通り 1872年  灰色に近い曇り空、轍、馬車。静かな風景のはずなのになにか妙な感じがある。なんだろう。馬の白さにドキッとするのかな。

アルフレッド・シスレー ポール=マルリーの洪水 1872年 水浸し。左の建物には一階と二階で別な店が入ってるみたい。道路が水面になり、そこにボートも出ている。水面に映る風景。

アルフレッド・シスレー 牧草地 1875年  水色の空にシュークリームのような雲。その下には活けるものたち。いいなあ。

ウジェーヌ・ブーダン オンフルール港の祭り 1858年 万国旗がずらーっ 三隻の帆船がある。泳ぐ人もいてなかなか賑やかな様子。

ウジェーヌ・ブーダン トゥルーヴィルの浜辺 1864/1865年 曇っている。遠くにヨットの白帆。椅子出して海を見る人々。リゾートも様変わりしてゆく。昔はこうだったのか。
ある種の頽廃を感じる。
全然関係ないが、「風と木の詩」は1860年代が舞台だったな…

ウジェーヌ・ブーダン トゥルーヴィルの浜辺風景 1863年 浜辺に椅子を出してじーっと海を見る人々。別に海を見てない人もいるだろうが、なんだろうか。犬もいる。みんな日光浴なのか。潮風にさらされて。風は強い。

ウジェーヌ・ブーダン ドーヴィルのカジノの演奏会 1865年  戸外での演奏会。群衆ざわざわ。白いドレスが目立つ。この時期はまだアイロンがないのでしわしわ。
白いドレスが確か流行ってたかなんかあったはずだが忘れたな。

ウジェーヌ・ブーダン ブルターニュの海岸 1870年  こちらも曇り空。フランスの海辺の空は曇りがちなのか。横帆艤装の船がある。(「海皇紀」で学んだよ)
こっちに来るようだった。

ウジェーヌ・ブーダン トゥルーヴィル近郊の洗濯女 1872年頃/1876年  雲の多い日。働く女。船が中州に乗り上げている。日常の光景にも何かしら鬱屈したドラマがある。

ウジェーヌ・ブーダン ベルクの浜辺の女性たち 1881年 穏やかな空の下、立つ女3人、寝そべる・座る女3人。遊んでるわけではなく地元で働く女たち。
インタビューを受けたりすることもありそうな様子。

ウジェーヌ・ブーダン トゥルーヴィル=ドーヴィルのヨットハーバー 1895年頃/1896年  万国を飾った船が水面に映る。色とりどりの旗。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
花摘み ぼやけたような花の庭、曖昧さはここにいる男と女の関係性にまで関わる。緑と白とピンクが目に残る。映画「ピクニック」を思い出させてくれる。

ピエール=オーギュスト・ルノワール ブドウの収穫 1879年  もあ~緑ももあ~、細い道をゆく人々、籠を背たろうて歩く。途中に小屋があったり、右奥にブドウ色の教会らしきものもあったり。

エドガー・ドガ 牧場の馬 1871年  川の向こうの丘、蒸気船、白馬や茶色の馬…競馬の馬とはまた違うのんびり馬たち。

エドガー・ドガ 競馬 1871–1872年  まだレース前の様子。煙突からは煙。どきどきする前。

エドゥアール・マネ 競馬のレース 1875年頃  四頭がこっちを見ている。小さいながらもはっきりと絵からは疾駆する感覚が捉えられ、画面の外にあふれている。

ポール・セザンヌ 愛の争い 1880年頃  四組の男女がいるが、これはあれだな。犬も来た。…あら、中にはもしかすると女性同士の?その方が平和でいいけど、あとは難儀ですなあ。

フィンセント・ファン・ゴッホ オランダの花壇 1883年頃  ロングで捉えた風景。色違いの花々を整列して植える。英国式・フランス流とはまた全く違うやり方に見えるね。

オディロン・ルドン ブルターニュの村 1890年頃  真っ青な空の下、白い家々が。…アメリカぽいな。

オディロン・ルドン ブルターニュの海沿いの村 1880年頃  こちらも真っ青な空の下、黄土色に近い浜辺にて。無人と言うのが何やら怖くもある。

ジョルジュ・スーラ 「グランド・ジャット島」の習作 1884/1885年  これは先般の「新印象派展のときにも来てたかな。複写を見たんだったけかな?

ジョルジュ・スーラ 海の風景(グラヴリーヌ)1890年  いうてみたら空と海と陸地とを3分割するはずが、きれーに何層もの層になってるようにしかみえん。

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2 友人とモデル

ジャン=バティスト=カミーユ・コロー 芸術家のアトリエ 1868年頃  モデルなのか、椅子に座り、描きかけの絵を見ている。手にはマンドリン。
これとは別バージョンというか同工異曲というか、似た絵を他のところでも見ている。

ベルト・モリゾ 窓辺にいる画家の姉 1869年  白ドレスを着て扇を触る女。彼女も元は画家だった。今はやめているのだが、「彼女は画家」ということを妹は強調したかったそうな。

ジャン=ルイ・フォラン 舞台の裏 1880年頃  バレリーナと紳士。カーテンの向こうとこちらの事情。左は花にまみれている。色々とある、のですよ…

エドガー・ドガ 舞台裏の踊り子 1876/1883年  こちらも同じような様子。
たいへんなのですよ…

ピエール=オーギュスト・ルノワール アンリオ夫人 1876年頃  白いドレスの夫人。周囲の真珠貝色のような青が彼女を知的に見せている。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 少女の頭部 1890年頃  丸々した横顔で髪も丸々とまとめている。そして「シュミーズ」を着ている。

ピエール=オーギュスト・ルノワール モネ夫人とその息子 1874年  寝そべる息子の顔は完全にルノワールの登場人物なんだけど、全体的にモネぽいところが面白い。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 猫を抱く女性 1875年頃  バラ色の頬、鼻の頭もバラ色。大きなキジネコをだっこし、とろけるような目で猫を見ている。
サファイアの指輪が小さく光る。
オルセーにある「猫と少年」にはちょっとした妖しさがあるが、これはとても健全で幸せそうにみえる。
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ピエール=オーギュスト・ルノワール 髪を編む若い女性 1876年  やや細めの美人さんで、とても親しみがある一枚。来てくれて嬉しかった。

犬の絵は別室に飾られている。
エドゥアール・マネ キング・チャールズ・スパニエル犬 1866年頃  ベラスケス風な筆致の、ロン毛のわんこ。
 
エドゥアール・マネ タマ、日本犬 1875年頃  狆ですな。人形が転がっている。「TAMA」と画面の左上に書きこまれている。べろ出してます。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック カルメン・ゴーダン 1885年  赤の強いオレンジ色の髪の女の横顔。なかなかかっこいい。黒服の女。
「人生いろいろあるのよ」という感じがにじむ。

3 芸術家の肖像

ピエール=オーギュスト・ルノワール クロード・モネ 1872年  かなり男前でまつ毛と髭がチャームポイント。

ポール・ゴーガン カリエールに捧げる自画像 1888又は1889年  嫌なツラツキだな、と思ってしまうよ…

4 静物画

エドゥアール・マネ 牡蠣 1862年  生牡蠣がてんこもり、レモン…ちくしょう!!

アントワーヌ・ヴォロン バターの塊 1875/1885年  なんなんだ、これはーーーっっっ

この後、ラトゥール、セザンヌ、ルノワールらの桃や洋ナシが繰り出されるのだが、生牡蠣とバターにやられてしまった身としては、ちょっと興味がわかなかった。

5 ボナールとヴュイヤール

ピエール・ボナール 辻馬車 1895年頃  近景遠景がうまい。手前のシルエット風な辻馬車と傘を持つ女が不穏な存在に見える。

ピエール・ボナール 革命記念日のパリ、パルマ街 1890年  歩道の上には建物に掲げられたフランス国旗。その下を往く母子ら。シャープな感じがして好き。なんとなく安野光雅を思い出した。

ピエール・ボナール さびれた街の2匹の犬 1894年頃  斑犬と黄色い犬と。なんかもうこれ、フランスじゃないよね、アメリカぽいわー。ヴィム・ヴェンダースとライ・クーダーの世界だな。

エドゥアール・ヴュイヤール イル=ド=フランスの風景 1894年頃  なんだかこれは藤島武二の「到耕天」に近いな…

エドゥアール・ヴュイヤール コーヒーを飲む二人の女性 1893年頃  顔が見えないのだが、もしや二人とも老女ですか。

エドゥアール・ヴュイヤール 会話 1891年  なんかこう、わびしいなあ。

エドゥアール・ヴュイヤール 黄色いカーテン 1893年頃  カーテンを引いたらやたらと派手な花柄の壁が出てきた。黒い服の女は年配なのかな。ついに顔は出ないまま。

エドゥアール・ヴュイヤール マントルピースに置かれた花瓶 1900年頃  なんかやたらと和風な室内ですな。ジャポニズムなのか。

ピエール・ボナール 緑色のテーブル 1910年頃  戸外、白い木花が見える。テーブルはペパーミント色に塗られている。ペンキ塗りたて中。

ピエール・ボナール 画家の庭の階段 1942/1944年  ああ、ミモザがとてもいい。この黄色が気持ちいい。

結局長々と書いてしまったか。
いい展覧会をいい空間で見て気持ちいい。
廊下から中庭を見たとき、印象派の画家たちが描きそうな空間だと思った。
それだけでもここで見た甲斐があった気がする。
5/24まで。
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