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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

日本刀・小袖と古代中国の酒器

「日本刀・小袖と古代中国の酒器」展を黒川古文化研究所まで見に行った。
最近は土日だと無料送迎バスを出してくださるので、本当にありがたく乗せてもらっている。
生半可ではない山の上で、柏堂(かやんど)バス停から徒歩800mというのが、実は物凄く遠いのだ。
バスは平地でもそうだが、ここは特にきちんと安全シートをしないと危ない危ない。
そのかわりベランダからの眺望は素晴らしい。
大阪湾、阪神間の山脈、神戸の広がり、それらが一望。
イメージ (10)

・中国古代の酒器
殷末期の饕餮文のついた青銅器がいくつか可愛い顔を見せている。
面白いのは骨の杯。饕餮文が入っているが上下二つの顔が付き、ムフッと笑っていそう。目の枠から目玉だけ飛び出したよう。そして口が大きく閉じたままで笑う。

西周の青銅も色々ある。
ブロンズ病に侵されているものも少なくない。脱胎という。劣化してしまうのだ、剥落箇所から。ただ、それが不可思議なまでの魅力的な景色になっていることもある。
玉や青磁を思わせる青白色の錆層に侵略されることで、新たな美を獲得する。
思えば恐ろしい…

後漢の青銅 獣環鍾がいい。これを茶釜にしたものの写しが欲しいと思うくらい。

青銅 獣首鐎斗 三国―西晋  柄長の急須のようなもの。これがあの病に侵され、異様に美しい姿を見せている。

後世、宋時代頃には懐古ブームがあり、ブロンズ病への憧れが「付錆」という技術を生み出すことになった。

四川省から出土した後漢時代のレリーフの拓本を見る。
舞楽雑技画像磚拓本 大いに踊る四人の姿があった。
後漢時代のレリーフには好きなものが多い。原本が見られないときはこうした拓本で見ている。

ところでこの黒川古文化研究所は黒川家の人々が丁寧に蒐集したもので成り立っている。
染織工芸は初代の娘が集めたという。

イメージ (11)

浅葱綸子地鳳凰に光琳千鳥薊文様 小袖裂打敷  大岡春卜の「妙画品類」の光琳のページにも登場しているとか。
鳳凰の羽の裾だけがある。まるで何かの束のようだ。その隙間に薊と流水とがある。

藍縹紋縮緬地 菊蝶に段幕文様 染繍小袖 刺繍の綺麗さが際立つ。裾に段幕、蝶の乱舞。

紫縮緬地 養老滝文様 染繍小袖 肩のあたりに鶴が飛ぶ。この滝はなかなか大きな滝。全部お酒。そういえば養老の滝の話が最初に出たのは8世紀だった。
話の内容としては二十四孝の仲間入りみたいな感じなので中国の影響が強いのだが、この説話が一般化するにつれて文様そのものが和そのものになってゆく…

紫絽地 水辺景文様 染繍単衣裂 鷺に鷹に御所車に芦、橋や柵も。ああ、何でもありな様子。

染織を絵の表現の一つとして取り込んだものもある。
山口素絢 靭猿図 黒地にじんべさんを着たエテがいる。二人の男との位置関係がいい。布をキャンバスにしている。

友禅染 西王母図 桃をくれそうな感じ。

・中世の刀剣(山城・大和)
今は日本刀がブームだけどここにはさすがに押し寄せていなかった。
日本刀の保存は油を塗って錆を警戒するようだが、普通は研ぐところ、ここでは見栄えを保つためにとがないということを知る。

太刀 銘・国友造 途中虹が出ている。綺麗。

刀 金粉銘・定利 波文が綺麗に出ている。もあもあしたのもいい。

・鐔、刀装具
これがもぉ本当に繊細な作りで、素晴らしかった。

五疋龍目貫 爪は三本ずつ。玉持ち。掌見せてる龍もいる。
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黍図笄 可愛いなあ。ふんわりしているのが表現されてる。

岩本昆寛 藻魚図縁頭 鱗がスゴイ!!

岩本寛利 鰻に藻図小柄 すごくぬめぬめしているのが表現されてる。
これだけぬめる黒は四分一を艶のある仕上げにしたからだそう。
イメージ (14)

一宮長義 猪に萩図小柄 二頭のブヒブヒ。

一宮長美 十二支目貫 二つに分かれて前半組・後半組。絡み合いながら合体している。虎が右端にいて前の手を出してたり、イノシシに猿がしがみついていたり。可愛いなあ。

5/31まで。
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