FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

アムール虎

今夜のNHKの動物番組はアムール虎の生態であった。
アムール虎は他のベンガル虎、インドシナ虎ら熱帯の連中と違い、ツンドラタイガ地域に生息している。
だから亜熱帯の虎たちがやや精悍にしなやかで、茶系統なのに対し、白地の多い、雄偉な体つきをしている。

寒冷地の悪環境下の生活だから、子育ては夏に限定されている。
カメラが捉えた仔虎たちの可愛らしさには『きゃー可愛いー』これしか言葉がない。
猫の親分みたいな行動も多い。じゃれたり、べろをだしたり、猫パンチしたり。
うちの猫共と大違いの可愛さだが、やっぱり虎は虎で、なかなか怖い。

北方少数民族のある部族の方々が、ソ連崩壊後に激減したアムール虎の保護に熱心に取り組んでおられるそうだ。
アムール虎はこの部族の神様という位置づけだから、ここのトーテムの在り様がよくわかる。

虎は本来単独生活者である。
しかし、父虎はたまに子供とその母に会いに来る。
なんだか微笑ましい。


これらのことから私の思い出すことなどを書いてみたい。


アムール虎の生態については、ニコライ・A・バイコフの名作『偉大なる王』に詳しい。
アムール虎の王様は生まれながらに額に『王』の字が、首の後に『大』の字が浮き出している。つまり虎の大王。中国語読みで『わん』である。
わたしはこの小説に感動し、一時その周辺を調べ倒し、溺れたり沈んだりしながら、やたらめったらシベリアから北方領土辺の地誌や小説などを読んだり民俗資料を見たりした。

だからちょっとはアムール虎にも詳しくなった。

『偉大なる王』は、生まれながらの大王虎の一生が静かな筆致で描き出され、精密な挿絵とともに深い印象を残す名作だ。
『狼王ロボ』のロボも凄いが、読後、悲しみの方が強くなる。
このアムール虎も最後は人の前で生を終えるのだが、偉大なる大王虎の最期の時間を、まるで皇帝の侍医のように見届ける猟師の老人がすばらしいのだ。
読み終えたとき、ある種の明るさが含まれた諦念が、胸に広がる。

時間が永遠のものになる感覚が、ここにはある。


TVを見ながら私は、様々な感慨にふけった。
そしてオリンピック後に今度はベンガル虎の特集をすると聞き、これまた関連することを色々と思い出している。

しかしそれはまた次回にしよう。
今はただ、『偉大なる王』に会いたい。

虎党の一員として『六甲おろし』をBGMにしながら。
関連記事
スポンサーサイト
コメント
アムール虎のことを聞くと、私は何故かいつも「のらくろ」を思い出します。のらくろが、赤ペンキで変装し、「自分はカムチャッカの赤トラです。」と言い張る話ですが、幼少の頃その話を読み、カムチャッカに虎がいるんだ!と、わくわくしたものです。後年、テレビでアムール虎を見たとき、当たり前ですが「赤くないんだ…。」と落胆しました。
2006/02/07(火) 22:43 | URL | xwing #-[ 編集]
虎といえば我らが阪神タイガースの虎のマークです。それからタイガーマスク。キャプテン翼の日向君。ライブラの童虎の背中の虎の刺青、タイガー・ジェット・シンこれはちゃいましたね。
eye of the tiger ♪ はロッキー2、ロッド・すタイガーという俳優はpenkou師でないと知らないかしら。トラトラトラはミフネ、トラんジスターラジオは清志郎、トラばーゆはトラの馬油じゃなくて、転職か。
トラんキライザーは飲んだらキケン、下手したらトラこーマになるし、トラホームはトラの家じゃなくて、えーと・・・ラグビーはトライだ!!!

夜中になにをしてるんだ、わしは。
2006/02/08(水) 01:08 | URL | 遊行 #-[ 編集]
いつもながら守備範囲の広さに圧倒されます(@@;)

ライオンは王様といっても、ちょっと怠惰な王様。動物園で見てもあんまり怖くない。虎はハーレムを作らないだけに、緊張感のあるすごい気を放っていて威圧され近寄りがたい王様、神様に近い雰囲気さえします。中でもアムール虎は格別ですね。
2006/02/08(水) 12:56 | URL | 山桜 #-[ 編集]
眠たい王様

森の中、草原の中、または人工の庭の中にあっても、ライオンは王様でした。
家来もたくさんいました。働き者かどうかは別として、割とみんな忠実でした。
王様にはお后様のほかに、その姉妹や彼女たちの夫(やっぱり同じライオンなのですが)も面倒をみることが決められていました。
なにしろ王様なので、扶養義務は他の動物より重いくらいなのでした。

ある日、その王様は義務を遂行するのが厭になりました。
同じような種族の虎や豹にはこんな責務はなかったのがうらやましくなったのかも知れません。
一人で暮らす虎は随分かっこよくみえました。
岩場を駆ける豹にはあこがれました。

ああなりたいものだ、と王様は思い、自分の周囲に向かって『出て行くぞ』と宣言しました。
「どこへ行くの」
「どこだっていいさ、一人になりたいんだ」
「一人で生きる事なんて出来ないわよ」
「うるさいな」
がおーーと吠えました。

森や草原や庭に住む他の動物たちはその声にひれ伏しましたが、同じライオン仲間は聞きなれているのでアクビくらいにしか思いませんでした。
王様はみんなをひれ伏させる為に吠え続けました。
しかしアクビにしか思わない仲間たちは、その声に眠気を誘われてどんどん居眠りを始めました。

がおーがおーがおー・・・・・がおー・・・が・・・ぉ・・・

生まれながらに立派な声帯が傷むことはありませんが、吠え続けて空気ばかりを吐き出したので、王様は酸欠になりました。
そしてそのままころんと横倒しになりました。

眠たくてたまらなくなった王様は、みんなと一緒にそのままぐうぐうと眠り始めました。

夢の中ではたぶん、ひとりで走っているキモチになれたかもしれませんでした。

おわり。


いきなり山桜さんのコメントで思いつきました。
特にどうということもない話ですが、なんとなく書いてみて楽しかったから、まあいいか、ということで。
2006/02/08(水) 15:15 | URL | 遊行 #-[ 編集]
わぁ、オリジナルだったんですね。 昔話か何かなのかと思いました^^
絵が浮かんでくるような楽しいお話になって嬉しいです。

ライオンと虎は自然界では会うことなさそうですけれど、
ライオンは、どこか自分に無い世界に憧れてるというか、
今の生活に飽きてるような雰囲気はありますものね
2006/02/08(水) 19:32 | URL | 山桜 #-[ 編集]
雌ライオンはともかく、オスの方はなまじ立派なたてがみがあるばかりに、身動きできないんじゃないかな、とよく思います。

上半身と言うか前半身があれだけ仰々しいのですから、尻尾がビミョーに淋しそうなのも気にかかります。

ホントはシマウマが食べたいわけじゃなく、りんごとかパパイヤが好きなのに、それを言えないのかもしれない・・・なんだかそんな気がします。
2006/02/08(水) 22:07 | URL | 遊行 #-[ 編集]
そうそう、タテガミの仰々しさに比べた下半身の淋しさ!壺でした~
目も遠くを見ててどこか虚しげで、悲哀を感じさせるんですよね。
ジャングル大帝の読みすぎですかね(笑)
2006/02/09(木) 11:01 | URL | 山桜 #-[ 編集]
ロッド・スタイガーが出てきたのでオヤ!と思いました。夜の大走査線で、確かアカデミー賞を撮りましよね。僕の気になる好きな俳優でした。
この人を見ると、アメリカだなあ!と思うのです。どこか憎めない。日本人にはありえないキャラクターだと思います。xwingさんの言うアメリカバナキュラー男優でしょうか。
2006/02/10(金) 12:47 | URL | penkou #-[ 編集]
ドクトルジバゴでもラーラの母の情夫でわるいオジサンしてましたね。
アクの強い俳優でした。

わたしはオトコマエも好きですが、アクの強い役者が大好きです。
クラウス・キンスキー最愛ですよ。
2006/02/10(金) 13:23 | URL | 遊行 #-[ 編集]
週末である昨日、ビデオ(最近ではハードディスクに)の“お気に入り”で溜め録りしておいたこの番組をみました。そして今日このブログを拝見し、さらに勉強できました。ありがとうございました。また時々覗かせて頂きたいと思います。ちなみに私の“お気に入り”は“世界遺産”“美術館”“自然”です。そしてタイガースファンでもあります。
2006/02/11(土) 14:00 | URL | 酒徒善人 #-[ 編集]
すばらしい!わたしもそれら3項目が大好きです。
というか、それ以外に見る番組は大阪発のグルメ番組だけかもしれません。
明日の朝には張りさんに『喝!』言われるかも・・・

お名前から推察すると、世界遺産・美術館・自然を見られるときは洋酒を口にされ、タイガースのときはビールまたはチューハイを飲まれるのでしょうか。

なんとなく一人でそんなことを考えて、楽しくなりました。
虎に乾杯!
2006/02/11(土) 21:23 | URL | 遊行 #-[ 編集]
コメント頂きありがとうございます。今朝起きて先ほど張りさんに『喝!』って言われたところなので、このコメントに新鮮さを感じ目が覚めました。さらにお酒の飲み分けも大正解でした。
また私も大阪環状線あたりを巡るグルメ番組が好きでよく見ています。でもテレビで見たお店に行ったことがありません。その頃には忘れてしまっているのです。先日は山根基世著「であいの旅」という本を読んでいたのですが、著者がNHKアナウンサーであると書かれているのに暫くそれが誰か気がつかず、溜め撮りビデオを観ていて“新日曜美術館の人やったんや・・・。”って分かり、妙な感動がありました。昨年11月に行ったイギリス・フランス旅行の余韻に浸って生活しています。大英博物館・フィッツウィリアム博物館・ルーブル美術館・オルセー美術館を巡り、特に“モナリザ”が忘れられません。
2006/02/12(日) 10:59 | URL | 酒徒善人 #-[ 編集]
びっくりなタイミングです。
今実は酒徒さんのところに足跡を残してきたところなのです。
ひゃーという感じ。

イギリスは生憎空港しか知りません。
奈良に今度スコットランド美術館展が来ますね。
わたしはラファエロ前派のファンなので、テイトなどにも行くべきなのですが。

モナリザも良いですね。でもすごい人気でなかなか見れませんでした。
キリストの遺体の絵が2m長で、緑色に塗られているのには、西洋と東洋の意識の差を強く感じました。
2006/02/12(日) 11:18 | URL | 遊行 #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア