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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

伊福部 昭 追悼

伊福部 昭が亡くなった。享年九十一。
一般的には『ゴジラ』のテーマ音楽が一番知られているところだが、確にあの重厚さと音が重なる繰り返しは、一度耳にすると決して忘れられない名曲だと思う。
しかし私は『ゴジラ』や最初に彼の名が高まった『日本狂詩曲』より、ずっと好きな楽曲がある。アルバム『鬢多多良』に収められている数々の曲目だ。
『サハリン島土民の三つの揺籃歌』などは林務官の頃に北方少数民族の各部族を巡って採集した子守唄を元にアレンジされているようだが、わびしくせつなく、そして豊かなメロディだった。

数日前わたしはこの場で『アムール虎』のことを書いたが、アムール虎にハマッた頃に同時に伊福部 昭の楽曲にも惹かれたのだ。
つまりわたしにとって北方領土からカムチャッカ半島、タイガ地区はアムール虎と伊福部 昭と夢野久作と檀 一雄なのだった。

タイトルにもなった『鬢多多良』は’73年の発表だが、これはもう聴いていると踊らないわたしでさえ身体が動き始めるほどの音楽だった。
振付師でもないのに勝手に振りが浮かぶくらいだ。
そして終焉を迎えるときの高い笛の音で不意に陶酔から目覚め、一瞬にしてカタストロフが訪れる。
初めて聴いたときの衝撃は大きかった。
こうした経験は他にはラヴェルの『ボレロ』しかない。

すばらしい音楽をありがとうといいたい。

蛇足ながらこんなことを思い出した。昭という字は『昭和』という年号が定まるまで殆ど使われなかった字らしい。照という字はよく使われていたが。
中国の由緒の古い辞書から探し出してきた文字らしい。
だから昭和以前に生まれた方で『昭』の字をうけた方は少ないそうだ。

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コメント
井福部先生については、思い入れが有り過ぎて、簡単には書ききれないのですが、ほんの少しだけ記事にしてみました。
2006/02/09(木) 17:19 | URL | xwing #-[ 編集]
伊福部先生がxwingさんの高校の先輩とは。
広い北海道なのに不思議な縁と言うものがありますね。
xwingさんはギターで、わたしはエレクトーンで伊福部先生の楽曲をそれぞれの地で演奏しましょう。きっとコラボレーションになるはず。
・・・でも、時差の都合が生じるでしょうから、曲目は『ゴジラ』にしましょう。そうすれば、そのずれの断層が却って強力な魅力になると思います。
2006/02/10(金) 12:00 | URL | 遊行 #-[ 編集]
素敵な提案ですね。時間と距離を埋める「ゴジラ」のアンサンブル。素晴しいです。アポヤンド奏法全開で強大な「ゴジラ」を演奏しなければ。最高の鎮魂歌です。
2006/02/10(金) 12:57 | URL | xwing #lW1SJDGw[ 編集]
遊行七恵様、はじめまして。
はろるどと申します。TBとコメントありがとうございました。

>『日本狂詩曲』より、ずっと好きな楽曲がある。アルバム『鬢多多良』

ありがとうございます。
是非探して聴いてみます。

恥ずかしながら、これまで伊福部さんの音楽にあまり接してこなかったのですが、
随分と多くの演奏がCD化されているようで、
今度しばらくは色々と聴いてみようかと思います。

今後ともよろしくお願いします。
2006/02/15(水) 01:08 | URL | はろるど #GMs.CvUw[ 編集]
おはようございます。
はろるどさま。

伊福部さんはゲキバ音楽の大家でもあるようです。
銀嶺の果て、でしたか。

武満徹が原・日本音楽からの出発と変容としますと、伊福部昭は北方民族固有の音楽の変奏と展開かな、とか勝手に考えております。

わたしもしばらくは『追奏』しようと思っています。
2006/02/15(水) 10:24 | URL | 遊行 #-[ 編集]
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