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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

世界に挑んだ明治の美 宮川香山とアールヌーヴォー

ヤマザキマザック美術館で「世界に挑んだ明治の美 宮川香山とアールヌーヴォー」展を見た。
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名古屋の新栄駅に直結したビルの5階と4階とが美術館である。
ロココ絵画以降のフランス絵画を中心に集め、アールヌーヴォーの家具なども展示して、優雅な空間を設えている。

わたしが着いたとき、丁度ポリフォンの大きなオルゴールが奏でられているところで、いいタイミングに聴くことになった。
随分前はこうしたポリフォンやレジーナの古いオルゴールを年に数度聴きに行く会に入っていたが、近年は長く無縁だったので、嬉しく懐かしく心地よく聴いた。

それを背後にしながら歩むと、香山の高浮彫を施した瓶や鮮やかな黄釉に花菖蒲を描いた瓶、そしてガレやドームのガラス工芸品とが並んでいるのが見えた。
香山の作品だけでは濃すぎる世界が、ガレやドーム、そしてラリックの作品まで参加すると、途端に華やかさを増して、異形のものではなくなり、過剰な装飾が違和感なく周囲となじみだす。
孤高の存在もいいが、同時代の(しかも日本からインスパイアされた要素を諸々含む)遠い国のガラス工芸品となじんだ様子を見るのは、とても楽しい。

猛禽も身近な鳥も植物と共にその羽根を露わにし、視点を変えれば目が合いもする。
何故だか葡萄と鼠のセットもある。「ぶどうにりす」は見知っていても栗鼠でなく鼠というのは珍しい。

凶暴なばかりに可愛い猫もいる。
この猫の仲間は神奈川歴史博物館にもいる。
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香山の父・宮川長造は真葛長造と呼ばれ、幕末の京で活躍した。
彼の作品は2000年秋に茶道資料館で展覧会が開催されたときにいろいろと楽しませてもらった。
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わたしが特によかったと思ったのは乾山や仁清の写しだが、無論それだけでなく、いかにも京焼らしい愛らしさを見せる小さなやきものが多かった。

家の跡を継いだ香山がご維新後、父祖の地を離れ、新しい街・横浜で西洋人を相手にした輸出用陶磁器を製作するようになった、そのどの過程でこうした作風を確立させたのかは、知らない。
見事に独自の個性を押し出した作風は、他にみることがない。

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ラリックのアールヌーヴォー時代の皿があった。
魚がいっぱいに気泡が満ちたもの。
魚のあぶくのようで、とても面白く思った。

今回の展覧会ではほかに名古屋のノリタケからもよい資料などが来ていた。
夢のような場にふさわしい、美麗な作品で埋め尽くされた展覧会だった。

8/30の今日までの開催。
再た宮川香山の作品に逢いたいなら、横浜の「宮川香山 真葛ミュージアム」へどうぞ。
なお、ヤマザキマザックでは撮影可能な絵画作品があるので、こちらに少々。
 
ヴュイヤール 書斎にて


マルケ サン・ジャン・ドウ・リュズの港


アルジェの港ル・シャンポリオン
ラ・ショームの家並み



パリ、ルーブル河岸


ドニ エウリュディケ


スーチン 緑の木々



多くの作品があるうち、特に好きなのがこちら。
思えばいずれも1920年代以降。
額縁も素敵だ。

またこの空間に身を置きたいと思っている。
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