美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

9月二度目の東京ハイカイ録 その2

9/21(日)
やっぱり暑い、暑すぎる。暑い暑いと言いながら横須賀へ。
馬堀海岸駅のバス停に立ってるだけでジリジリ焼かれる。
干乾びる前になんとか横須賀美術館へ連れて行ってもらう。

長新太の回顧展。この人のナンセンスさに参った。
大人向けの不条理ギャグより童画と絵本の方がわたしには合う。
原画を見て続きがとても気になったのが何冊もあり、そちらを確認もする。
ああ、面白かった。

おなかがへりすぎたな。これはやっぱり長新太のギャグでおなかが減ったからに違いない。
残念ながら常設を諦めて走水神社の前の味美食堂に入る。アジフライ定食。ああ、溶ける。
おいしかったわー。前回はアジフライとアジのお造りだったな。次はナメロウを頼んでみよう。美味しうございました。

次は金沢文庫。「東の正倉院」展。中世の古文書と仏教関係ね。
正直な話、わたしのアタマではムリ。殆ど関心がない分野ですがな。
しかし鎌倉幕府に興味がないとはいえスルーするわけにはいかん。次の南北朝や室町へと続いてゆくことを思えば…思うんだけど、難しかったなあ。

この後ほんまは大仏次郎記念館や郵船に行く予定だったが、ハッとなった。
来月十月十日にも予定を入れてるから、その日に横浜に行くことにすれば、久しぶりに双十節が見れるやんか。
・・・調べたら96年の双十節に行ってたわ。あの日は友人と三溪園とブリキのおもちゃ博物館に行き、中華街でご飯食べたのだが、爆竹の硝煙のにおいにわたしはクラクラして2時間以上獅子舞の後をついて回ったのでした。
今回は果たしてどうなるか。

というわけで横浜の二つを来月にして、今回はそごうで明治の有田焼を見て離脱。
輸出に懸命だったのをよくよく感じたわ。好悪を超えて、すごい技巧に技巧を重ねた作品ばかりに、ある種の感銘を覚えたわ。

横浜から湘南新宿線で新宿へ。中村屋に行く。
斎藤与里展。
シャヴァンヌの影響を受けた幻想的な作風もいいが、晩年の童画風な作品がまたよろしい。
それにしても明治の若者たち、中村屋グループ、白樺派とみんなわいわいと賑やかですなあ。大好きよ。

窓の外からauの巨大ショップが見えたので、このところ調子の悪いスマホの相談に行く。
うーん、やっぱりもうダメかな。買い換えようか。カネの感覚がマヒしそうで怖いな。
最初のガラケーは8年わたしに仕えてくれたのだがなあ。

次にあまりに暑いのでビックロに入り夏服物色し、GUで良さげなのを見つける。ああ、暑すぎる。それにしてもファストファッション店、これがこの値段か、と驚くのばかり。

最後は六本木へ。大江戸線なら一本だが、ここから大江戸線に行く自信がない。目の前の丸ノ内線と日比谷線乗り継ぎの方がわたしには自信があるな。
というわけで後者選択。結果的にそれでよろしい。

ガンダム展。昨夏、大阪の天保山で初日に見たときの楽しい記憶が蘇る。
その時の感想はこちら

地下鉄スタンプラリーもしたねえ。
場内に入り最初にホワイトベースに「入らせてもらう」映像体験にもドキドキ。
やっぱりいいよなー。胸が熱くなった。
今回は一年経ったので新しい映像も増えてた。何かというとジ・オリジンの映画「哀しみのアルテイシア」の映像が見れたことだな。エドワウ少年とシャア・アズナブル少年の相似。猫のルシファ。いいなーいいなー。
ときめくなあ。
モビルスーツいろいろ。

ガンダムの動きそのものにもときめいたよ。そしてあの「めぐりあい宇宙」の首なしガンダム。最高やな。
あと今思うと、ランバ・ラルは安彦キャラでは「天の血脈」での内田良平の仲間に入るのかもしれない。
やっぱりわたしは安彦さんが大好きだ。

ときめきを大事にしながら帰る。


9/22(火)
明治神宮へ行く。宝物館で明治天皇、昭憲皇后の遺品などを拝見。特に螺鈿の違い棚が素晴らしかった。翡翠と花菖蒲の意匠がある。
明治天皇は皇后の健康を気遣い、散歩を勧め、それで花菖蒲もたくさん植えたそうな。
いいお話ですなあ。

明治天皇の正服もある。陸軍大将と同型のもので、向かって右半分の胸側に仕掛け糸のようなものがたくさんついている。これはあれかな、勲章をつけるためのものなのかな。
そのあたりは不明。

戸栗美術館で古九谷をみる。
少し前に東京STギャラリーでいいのを見たが、無論ここでも凄いのを見るわけです。
吉田屋の再興九谷の濃厚さ、柿右衛門登場による新たな地平。
色々と思う所が多いよ。好ましいのはやはり椿柄とか。青い椿、赤い椿にときめく。

くじら屋に入る。二階の座敷へ。昼の定食のうち「鯨の天ぷら定食」とサービスのクジラステーキ(ハーフ)を頼む。
かーたーいーーーっ噛み応えあり、というより堅いのなんの。
農水省のクジラの方がやらかいのは種類の違いなのかな。
味噌汁にはコロの薄切り。美味しかったが堅かったなあ。
案外安価で気軽に入れる店なのだが、歯が強い人でないと勧められませんな。
そうそう、前に半地下のようになってる外から見える座席に金髪の白人男性四人組が実に美味しそうにクジラを食しているのを見たが、あれノルマン人でもゲルマン人でもましてやラテン人でもなくて、どうみてもアングロ=サクソンだったなあ…

国立新美へ。乃木坂から直通という謳い文句に嘘はないが、雨風からは守ってくれないし、日光もダダ漏れの道を歩くのですよ。

ニキ・ド・サンファル。
射撃による制作はやっぱり60年代の人だという感じがした。
で、あのぐでぐでのナナ・シリーズ。これも人の事が言えないながらも肥えすぎで、色々と鬱屈するなあと思いながら見たのだが、ニキの言葉を残された映像で聴いて、考えを改める。
「女性と黒人が手を汲んだら大概の事がかなう」とニキは言う。
それは差別される側、としての存在が組むということである。
性別による差別を受ける女性と、性別以前に黒人であるということが差別になっている世界に居る以上、きれいごとは言えない。
ニキは男性原理(暴力)の追放を言い、平和裏に世界を統治するのは女性に限る、という案を出していたのだった。
だがそれから半世紀。今もそれはかなえられていない。世界は暴力という男性原理のカラクリで回っている。
極東にいるわたしなどがニキの言葉に共感を覚えること自体、21世紀も15年も過ぎているのに、いまだに世界の改革が進まず、旧体制はいよいよ重くなっている証拠ではないか。
彼女が表現として選んだナナたちの元気な姿を見ながらも、この世界が終わりを告げるのは男性原理が究極の地に突撃した時だと思った。
その意味ではこの極東で進んでいる少子化と男性の草食化は平和への道筋かも知れないのだ。たとえ日本国憲法から平和が取り除かれようとも…

乃木坂から出光へ。
桃山時代のやきものや南蛮蒔絵などが並ぶ。
実にこれがいい並びで、作品がいいのはもう今さらわかりきったことなので「どう見せるのだろう」と思っていたのだが、そんな心配はさーっと消えたね。
隣り合わせた老婦人がわたくしに「いい並びだね」と話しかけてきたので「ほんまですね」と答えて、改めてそのことを意識しながら見て回りましたわ。
いいものはいい。
それを改めてどう楽しませるか。
演出力が試されているわけでしょう。
その意味では本当に楽しませてくれる「眺め」があった。
さすが出光美術館…!と思いながら後にする。

一駅乗ってlixilギャラリー。廃線の面白さを堪能。写真ぱちぱーち。
足尾鉱山の鉄道もあったのねえ。
色々と面白いものを見た。

銀座はホコ天になっておった。
そこで8丁目まで歩き、あおひーさんの個展を見るわけです。
ありゃ、あおひーさん不在。
すんません、勝手にぱちぱち。好きな作品があるのでそれをしつこく眺める。
わたしの眼には魔王ゼノンのようなのがあった。いいねー。ツイッターで一村雨さんから「ロールシャハを思い出しました」とコメが返ったが、ああなるほど。
ふふふ。見る人の感性で何にでも見えるあおひーさんの「道草模様」でした。

そこから新橋停車場へ。おおう、文芸と温泉。これ、面白すぎるやんか。
伊香保のマップがもう、それだけで楽しい楽しい。ちゃんと伊香保沼もある。
わたしもほんまに鳥瞰図や旅行の栞が好きやなあ。
楽しいですわ。群馬の四万温泉や草津に行きたいわ。久しぶりに伊香保もいいね。

さてパナソニック汐留ミュージアムへ。片岡鶴太郎の作品にパナソニックの技術の粋が注ぎ込まれていて、楽しいコラボになっていたよ。
絵自体は師匠の村上豊の系譜に連なるものなのだが、そこからも踏み出している。
スイカを始め野菜や果物がいずれもおいしそうだった。
プロジェクション・マッピングに彼の絵が使われていて、非常に綺麗な仕上がりになっていた。
パナソニックの技術力に改めて感心した。

この日はここまで。

9/23(水)
最終日。宿のバスで東京駅に出てロッカーに荷物押し込んでからまず弥生美術館へ。
森本美由紀展。
彼女の提供したものを見ていた世代のはずなんだけど、全然影響を受けなかったなあ。
それはそれでさみしい。
よかったのはバーキンとゲンズブールとの関係を墨絵でえがいたもの。
「エロティーク69」と題されている。
「本作はゲンスブールとバーキンが主演した伝説の映画「スローガン」を、フレンチ・コミック風に描いたものです。」
かっこいいよなー。わたしはこの二人は例の「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」にときめいたものでした。

夢二は版画、華宵はファッションリーダーとして、というコンセプトで作品が集まっていた。
セノオ楽譜、婦人グラフ、本の装幀・・・
華宵ではあの六曲の立派な屏風も出ていた。それになんというても大正時代の帽子の素敵さにドキドキ。
わたしもあんな帽子が欲しいな。

根津駅近くの時々行く定食屋さんへ。はっきり言うけど味はごくありきたりというかまずくもおいしくもないのだが、奥さんの多少ガラッパチな性質がよくて、それで行くのよ。けっこうそういう人が多いみたい。
奥さん、いつまでも元気でいてね。

はん亭のところから根津の町中に入り、上野桜木町を抜けて藝大の前に出た。
東博で二度目のクレオパトラとエジプトの女王展をみる。
そう、最終日ね。やっぱりレリーフがよかった。豊かな微笑がすてきなティイとか色々。

常設も大いに楽しむが、東洋館の動物骨占い、断ったけどぜひぜひと勧められ、三度目なんだがと思いながら骨のサイコロを振るが、また同じ結果。
「成功は難しい」
向こうの人が気を遣い、再度振るが結果は同じ。
☆1つよ、いつも。
そしたら別なお客が来て振ったら…★でしたな、結果的に。
うーむむむむむむ

科博へ。生物大行進やのーて大躍進。
脊椎は大事だ。

なんか暑くて言うてることがわからんな、わたし。

神田から三井へ。蔵王権現。櫻本坊からまた可愛い前後鬼の二人組、八大童子たち、8+2でお遊戯の絵もあった。
それにしてもびっくりは投げ入れ堂の狛犬とか古材がきていたこと。いやーびっくり。

メトロリンクで東京へ。STギャラリー。「月映」ですわ。
じっくり見て、詩的な表現にせつなくなる。
大正の青年たち・・・

タイムアップ。お土産などいろいろ買い集め、今回はポイント集まってたのでグリーン車で帰阪。
ぐったりしましたわ。
長いハイカイでした。

また来月。
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