美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

東灘アートマンス

毎年恒例の東灘アートマンスに参加した。
今年は10/17から11/23までの期間に6カ所のミュージアムを回る。
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で、10/18に既に5館回り、スタンプラリーもある程度終わり、傘や展覧会チケットのご褒美も貰った。ありがたいことです。
しかもここに参加しているミュージアムの半券提示で割引もあり、色々嬉しいこともある。
わたしが見たのは次の5館(+1)

国立美術館巡回展 洋画の大樹が根付くまで 小磯記念美術館
日本衣装絵巻 卑弥呼から篤姫の時代まで 神戸ファッション美術館
小松益喜・川端謹次 戦後・神戸洋画壇の輝き 神戸ゆかりの美術館
酒器と神獣 神、人をつなぐ美術/オリエント絨毯 楽園を描く・人を彩る 白鶴美術館
筑前・黒田家が伝えた名宝 福岡市美術館のコレクションより 香雪美術館

これら5館を回った。
そのうち「日本衣装絵巻 卑弥呼から篤姫の時代まで」神戸ファッション美術館は昨日のうちに感想を挙げている。
まとめて小さい感想をあげてみたい。

・国立美術館巡回展 洋画の大樹が根付くまで 小磯記念美術館
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これは北海道などにも巡回した展覧会。主に東近美と京近美の洋画のいいのが巡業中。
藤島武二や岡田三郎助の美人画、佐伯祐三らの都市風景、萬鉄五郎、安井曾太郎の人物画、岡本太郎らの作品に至るまで多くの有名な作品が並んでいた。
なじみの名画が多かったので、終始和やかな気持ちで見て回った。
純然たる鑑賞を愉しんだのも久しぶり。いつもは絵の前で色々考えるのだが、そんなこともせず、漫然と眺めたり、「ああ、ええな」と思ったりする。
こういうのは精神衛生上たいへんよろしいな。
感想もだから「ええ絵を見たなあ」という一言に尽きてしまうのだ。
しかしそれも普段から東奔西走できる体制を整えてもらえているからなので、自分を取り巻く環境に感謝。
未知の奥さんが「エエ絵ぇですなあ」と言うので「えぇ、エエ絵ぇですなあ」と答えた。

他に小磯良平のバレリーナの絵などを見たが、アトリエ内でギャラリートークがあり、それがとても楽しかった。
小磯の50年代の群像画はギリシャの彫刻から想を得ているのではという話などなど。


・小松益喜・川端謹次 戦後・神戸洋画壇の輝き 神戸ゆかりの美術館
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小松は当初東京で画家として暮らすつもりが、途中で立ち寄った神戸の街の魅力に惹かれて、それきり神戸の人になったそうだ。
わたしは隣接する北摂のヒトだが、神戸の魅力というものをあまり味わっていない。
阪神大震災前までならまだ好きな店も少なくなかった。
しかしあれで何もかもが変わってしまった。好きな店も代替わりし、面白くなくなった。
美味しかった店も少なくなり、それどころかひどいときは食いっぱぐれることも多い。
これは一つにはわたしが大阪という都市に住まうことでそうなるのかもしれない。
だから神戸の魅力というものが正直まるで分らないままである。

小松が神戸の人になったのは戦前の事だから、今よりもっと洋館も多かったろうし、当時のおしゃれさは際立っていたろう。
戦前の神戸を舞台の一つに描いた手塚治虫「アドルフに告ぐ」で、戦時中にドイツから久しぶりに帰国して神戸の母に会いに来たアドルフ・カウフマンは、町を行く婦人らがもんぺ姿になっているのを見て愕然となる。
「あのオシャレな神戸っ子たちはどこへ行ったんだ」
彼の慨嘆は実際の声だったろう。
つまり、戦前の神戸のオシャレさというものは京阪神の中でも格別だったことが偲ばれる。

洋館を写生したものが続く。現存するもの・失われたものなどが混在する。
いい建物ですねと見て回るうちに、一枚「なんだか雰囲気が違うが、この界隈はいいな、すごく好ましい」と思ったものがあった。
わたしは絵は本体を見てからタイトルや解説などを読むので、絵に惹かれてからそちらを見て「あっ…」となった。
「中之島風景」1950年頃  …大阪やんか。昔の朝日新聞社ビルを今の国立国際美術館界隈から見上げた感じかな。
長らく国際美術館に行ってへんので、これをキッショに見に行くか。
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小松は洋館の本家の国にも飛んでいる。その時の絵もある。
しかし本家の国に洋館があるのは当然で、それよりも極東に建つ洋館の方がよかった。
戦後の混乱期にも小松は熱意を込めて神戸風景を描く。
どれもいい絵。
そういえば熱心に神戸風景を描いた川西英・祐三郎父子、彼らの木版風景画はいつみても・どれを見てもよかったな。

続いて川端。川端の絵は光を捉えようとする絵で、風景もまばゆいものが多い。
日本の地に根付いた日本独自の洋画ではなく、光をもっていかにして風景を描くか、ということに力を入れたかのように思う画風だった。


・酒器と神獣 神、人をつなぐ美術 白鶴美術館
本館では主に中国青銅器の可愛いのを見、新館ではアナトリア地方の絨毯を見た。
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白鶴美術館の古代中国の青銅器コレクションはとても有名なものだし、これまでにもしばしば見ているから、こちらも安定の<鑑賞三昧>になった。
とはいえいくら見ても見飽きないのが青銅器の文様の魅力で、今回も「あらら」と新発見がいくつもあり、楽しく思った。
殷代の饕餮くんや犠首ちゃんたちのキュートさは言うに及ばず、唐代の金属製品に刻まれた花鳥の華奢な壮麗さにも目を瞠る。ほんと、素晴らしい。
鼻先がカールしたゾウさん、外線だけ蝉な金属、両頭のナニカがついたようなものもある。

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そして明代のやきものもあるが、そこには大きく目を見開いたファンキーな龍たちがいる。
学芸員の山中さんの著作「その龍に肉球はあるか?―ささやかな日常感覚から見た古美術」、あれ以来必ず龍の肉球や獅子の睫毛を「要チェックや!」するわたしです。
うい奴らよのう…

応挙の絵がある。鶴が飛来してまた去ってゆく。その飛行ルートの美しさ・シャープさに衝かれる。
かっこいいなあ。ずっと斜め奥から飛んできて目の前を横切り、やがて去る。
こんな構図の絵を三百年前に描く人。
金屏風にそれだけというのが、本当にカッコイイ。

曽我兄弟の奈良絵本が3冊出ていた。工藤祐経と兄弟の対話。思えば気の毒な祐経。
曽我兄弟も若い命を仇討のためだけに使って…思考停止の若い兄弟が今となっては哀れ。
この奈良絵本の展開を見ているとそんな気になってくる。

・オリエント絨毯 楽園を描く・人を彩る 白鶴美術館

講演中なのでそぉっと一部拝見。幸いなことにわたしの大好きな動物闘争文の絨毯が見れた。けっこうエグいのが可愛く綴られていてとても好きなのですよ。


・筑前・黒田家が伝えた名宝 福岡市美術館のコレクションより 香雪美術館
最終日に行ってしまい、こちらはもう終了。
今年の正月に「成田亨展」を見に福岡市美術館に行ったが、素晴らしいコレクションを見たのに、ウルトラ熱が取れぬまま月日を越して、なんにも書かずじまいになってしまった。
で、今回もいいものを見たのにもう終了。福岡市美術館、ごめんね。
これはまた別項で感想挙げますわ。

あとは世良美術館のみ。大いに楽しみました。
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