美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

クレパス画名作展

既に終了したが、小さくとも感想を挙げたい展覧会がある。
クレパスメーカーのサクラが所蔵する、クレパスによる作品群である。
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サクラアートミュージアムの名は知っていたが実際には行ったことがなく、チラシだけは前にもらったままだった。
今回は難波の高島屋でその展覧会があり、じっくりと見せてもらった。
正直「クレパスか…お子様か」という気持ちでいたのだが、そんなあほな思い込みは一挙に消え、クレパス画礼賛の気持ちでいっぱいになっている。
クレヨンとパステルのいいとこどりで作られたクレパス。
名だたる画家たちがクレパス画を描いたのだった。

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熊谷守一 裸婦 黄色い肌の裸婦が赤い線で描かれている。単純な構成をのぞむ守一の仕事にとても合うように思われた。

山本鼎 西瓜 これがもう素晴らしい質感で、どきどきした。背後は暗い。いい染付の皿に黄色身の強いスイカを盛り付ける。この黒はもしかすると黒檀の机かもしれない。皿と西瓜がその表面に影を落としている。

川島理一郎 洋蘭 これもクレパスを使いこなしている博士、やっばりすごい。
赤い花にはピンクの塗り重ねと黄色とを配する。この花は画家の観察眼と粘り強さとで作られている。

小糸源太郎 風景 白い教会建物が前方に見えるのだが、黄色い車がエンコしたようだ。なにししろ雪のあとなもんで。
信号には虎マークの貼り紙防止板が巻きつけられているな…

寺内萬次郎 緑衣の婦人 背景は臙脂色に近い。髪の裾辺りにふっさりとパーマを当てたなかなか綺麗な女。物思いにふけっている。女の左腕の色彩、こうしたところにクレパスの良さと言うものを感じた。

須田国太郎 マミジロとモクゲ  白い花とコントラストをみせるかのように黒い鳥がいる。
触れば指に尽きそうな濃い塗り方だが、青と緑と黒を配して華やかな花の下の暗闘を捉えている。
鳥の鋭いまなざしがとてもいい。油彩の時より明るさがあるのも面白い。
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鈴木千久馬 裸婦 真ん中で分れ左右それぞれ完全にポジとネガの配分で塗り分けられている。
これはとても面白かった。シンプルな線の人なので塗るのに気合が入っていそうである。
他に「バラ」もよかった。色の上に色を重ねても元の色が殺されないこともあり、それが質感を生み出している。

鈴木信太郎の「人形」、林武の「裸婦」もそれぞれの絵の特徴にクレパスがうまく乗っている。

猪熊弦一郎 顔 黄色系に日焼けしたような女の肌と背景の青とのコントラスト。しかも女の前にはバナナ。深い眼鼻立ち。
とてもくっきりと印象に残る。

小磯良平 婦人像 いくらクレパスでもやはり小磯は小磯の色を作り出す。そのことに感心した。そしてクレパスは何にでもなり、どんな仕事でもできるのだと感嘆する。

耳野卯三郎 少女  この絵を見て「わたしも描きたい」と強く思った。
白い帽子の内側はピンク、洋髪少女の涼しい眼差し。黄色めの肌に頬の血気。濃い紅系のカットソー。
可愛いなあ。本当にいい感じ。
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それにしても今回のラインナップを見ると、二科展と関係の深かった作者の作品が多かった。
場内ではクレパス自体の説明と宣伝もあった。面白い作品も作ったりして…

小松益喜 教会堂 山吹色で塗り建てられた古い素敵な格好の塔。力強い塗り方。

小杉小二郎 花 2014年の作品。藍色地に群青の瓶、黄色・オレンジの色に鮮やか。

ああ、いい展覧会だったのに書き損ねたことが申し訳ない。
何もかもがとても新鮮だった。
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