美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

和歌の世界

名古屋の昭和美術館に出かけた。
一番の目的は文化の日に公開の南山寿荘を拝見することだが、同時に「和歌の世界」を愉しんだ。

いりなか駅からまっすぐというが、地図に現れない物凄い坂を上り下りした。まるで双ヶ岡を端から端へ歩いたようである。しかもすぐに現れた岐路、これが地図と違い、大きい。
地元の方が現れて、一緒に歩いてくださらなければ、わたしのような方向音痴は一体どうなっていたことか。
それにしても本当に凄い坂…

南山寿荘は別項で挙げるにして、今回は「和歌の世界」の簡単な感想を挙げる。
イメージ (8)

和歌の神様は住吉さんだったか、和歌の生き神様は柿本人麻呂である。その肖像画がある。
いつものようにぺたりと坐り込んで片手をちょっと背後について、もう片手で筆を持つ、というポーズではない。
バストアップで上空を見ながら軽く口を開け、筆を持つという姿。
月僊の絵に本居宣長の賛。
(人麻呂が登場したことで自分の時代が終わったと悄然とするのは額田王だったな…)

永楽妙全による像もある。こちらは座る人麻呂。
遠目には道八の狸も長八のおやじさんも妙全の人麻呂も大差がなかったりする…

紀州本万葉集 この解説を読んで「!」となった。そう、万葉集の研究者の仙覚の校合した「仙覚本」と「非・仙覚本」とがどちらもここにあったのだ。仙覚本は11-20巻、非はそれ以前の巻。ちょっとびっくりした。

亀山切 伝・紀貫之 あ、この表具…「清水裂」だな。和歌よりそちらの方が気に入った。

古今集、詞花集、石山切、それから下って室町、江戸時代の写本が現れる。
建礼門院右京大夫、伊勢物語、三十六人集・・・

何を書いているのか読めないような細く繊細な書体。
鑑賞するためだけの書体。
そう言い切ってはいけないのかもしれないが。

古瀬戸尻膨茶入 銘・伊予簾
いよすだれの歌 小堀遠州
伊予簾添え状 小堀権十郎
1つの茶入れに和歌とその歌の成立についての文章などもつく。
権十郎の書はなかなか味のある文字。

尾張徳川家の至宝「初音」のその写しの愛らしい三段香箪笥があった。
小さな扉を開くと三段の抽斗がある。紅梅もきちんと再現。

艶めかしい美女が描かれた「時代不同歌合絵巻」もいい。
天下の美男であろうとも業平を見るより、ここでは美女を見る方が楽しい。

イメージ (9)

染付玉章香合 玉章とは手紙のことだが、このATOKはたまずさを知らないんだな…
玉章は玉梓でもある。だから玉梓も出ないわけだ。
例「わーれーこーそーはー玉梓が怨霊~~」
結び文の形に染付でロバに乗る人の図。明代。
それで「結び文」と打とうとしたら「結び踏み」と変換してくれましたわ。
…なにやら縛られた誰ぞを踏んでるような…

八代集之抄出類聚 これはまたいい字。

松下人物螺鈿組硯箱 清朝  舟に乗る人、松の下にいる人、花や竹、縁周りには笠の連続文。きらきら綺麗。

紹鴎袋棚 これは綺麗な赤光りする棚で、そこに砂張水指がはみ出ている。

東園三十勝 松平定信  鳥の子紙で上下に緑色に珠を追う竜の文様が入る。中には鴛鴦の透かし。

竹蓋置 二つ並んでいて可愛かった。大きい方を夏冬、小さい方を春秋と呼んでいるそうな。

和歌のことはわからないにしろ雅であったなあ。

12/6まで。
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