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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

第67回 正倉院展

今年も正倉院展に出かけた。大学の時から通い続けているので、大抵たくさん見ているが、それでも「おお、初見」もあれば「初出陳」もあるし、数十年ぶりのお出ましもあるというのが、さすがの正倉院宝物。
今回は夜間開館に参加。チケットがあるから並ばずにスイスイと入れたのは誠にありがたいことです。
今回、奈良博のリストをそのまま使用させていただいてます。
(倉番号 名称 よみがな 略称 員数 法量 寸法=㎝ 重量=g 初出陳 前回出陳年)

イメージ (36)

最初に大好きなものが現れた。
北倉42 平螺鈿背八角鏡 へいらでんはいのはっかくきょう 螺鈿飾りの鏡 1面
径29.8 縁厚0.8 重3042.7 (紐共)2001年
イメージ (34)

一番初めにこのキラキラが現れると、もうそれだけで嬉しくてならない。
愛らしいなあ。
他の螺鈿の鏡も大好きなものがあるが、これもとてもキラキラしく綺麗で愛らしい。
唐の豊かさ・天平の麗しさ、それを実感する。

その箱もある。
北倉42 漆皮箱 しっぴばこ 鏡の箱 1合 径31.7 高5.5 2001年
大事にされるものはその護りものもいいものだ。この先もずっと守られる。

北倉42 山水花虫背円鏡 附 題箋 さんすいかちゅうはいのえんきょう 山水文様の鏡 1面 径27.4 縁厚0.7 重3258.7 1998年
イメージ (38)

つまみが山。それを中心に山や雲やどうぶつたち。これ円形だが、錐形にすると博山炉風になるかも。
無論その箱も一緒に出ている。
北倉42 漆皮箱 しっぴばこ 鏡の箱 1合 径31.3 高7.2 1998年

日常的なものがいくつか。
南倉43 金銀匙 きんぎんのさじ 金メッキの銀の匙 1本 長29.5 匙幅4.0 重124 1999年
どちらかと言えば朝鮮のお粥などを食べるスプーンに似ていると思う。
そもそも日本においてスプーンを使う食事と言うのは、明治以降の近代から現代と、この時代だけではないか。

南倉86 金銀箸 きんぎんのはし 金メッキの銀の箸 1双 長25.8 径0.5 重74.4 1999年
やや細いが十分に使えそうである。銀の食器は毒入りを判別できるから重宝されたとか。

二枚の「砂張」の皿と水瓶。
南倉46 佐波理皿 さはりのさら 銅の皿 1枚 径27.1 高4.0 1991年
南倉46 佐波理皿 さはりのさら 銅の皿 1枚 径24.6 高2.4 1971年
南倉25 佐波理水瓶 さはりのすいびょう 銅の水差し 1口 高28.0 口径7.2 胴径14.7 重1900.7 2003年
比重についてちょっと考えた…

南倉26 漆瓶龕 うるしのへいがん 水差しの容れ物 1合 高27.2 胴径16.5 2003年 
なんとこれはパッカーンと割れて中身に瓶を収納と言う代物。面白い。

石製の笛と尺八の登場。
北倉33 彫石横笛 ちょうせきのおうてき 石の横笛 1管 長37.1 筒口の径 上2.1
下2.2 2002年
北倉34 彫石尺八 ちょうせきのしゃくはち 石の尺八 1管 長35.9 吹口径2.4 1997年 (2005年・九博)
どちらも指孔の周囲は花模様。蛇紋岩から作られている。薄緑の石。蝶や雲や花鳥。
イメージ (39)
クリックすると拡大。

南倉101 紫檀木画槽琵琶 したんもくがそうのびわ 琵琶 1面 全長98.5 最大幅40.7 1998年
今回のチラシ。モザイク(木画)が背後一面に装飾されている。素晴らしく丁寧な拵え。
表を見ると…
イメージ (40)
そして桿撥絵は山水人物画。左が本物で右が線描化したもの。
イメージ (35)

南倉115 漆鼓 うるしのつづみ 漆塗の鼓の胴 1口 長42.1 口径13.8 腰径8.5 ○
これは初出陳。かなり大きいな。ちょっとした枕くらいある。
こんなに大きいと抱えて「よォーっ」ポンッ「ヨをっ」とするのもしんどかろう。

伎楽面も三面。
南倉1 伎楽面 酔胡従 ぎがくめん すいこじゅう 伎楽の面 1面 縦28.6 横24.0 奥行25.9 1958年
ちょっと小さく感じたのは次の「力士」のせい。

南倉1  伎楽面 力士 ぎがくめん りきし 伎楽の面 1面 縦37.3 横26.4 奥行30.1 ○
凄い迫力のある顔。ちょんまげもぐっとしていた。歯並びが大きい。

南倉1 伎楽面 師子児もしくは太孤児 ぎがくめん ししこもしくはたいこじ 伎楽の面 1面 縦24.7 横18.4 奥行21.9 ○
後者は可哀想な爺さんについている少年かも、という説。笑うてるみたいな顔つき。歯並びは「いーっ」としていて、描きもの。

南倉34 磁塔残欠 じとうざんけつ 三彩の小塔 1基 基座径15.2 総高17.2 2002年
三彩でぐりぐりの円盤がずらずらと。これ見たら諸星大二郎「孔子暗黒伝」のあの「塔」を思い出しますがな。

南倉35 白石塔残欠 はくせきとうざんけつ 大理石の小塔 1基 基壇径9.0 総高3.1 2002年
こちらは礎石部分のような形で白と言うよりやや生成りに近い色合い。

中倉165 金銅火舎 附 木牌 こんどうのかしゃ 金メッキの銅の香炉 1基 口径44.0 高19.0 2002年
台の足四本それぞれに鬼に近い獣面。

完全な状況ならどうみても洗車ブラシやろ、みたいなものを見る。
南倉50 柿柄麈尾 かきえのしゅび 僧侶の持物 1柄 長61.0 鐔幅10.0 2002年
南倉50 漆麈尾箱 うるしのしゅびばこ 麈尾の箱 1合 長84.5 幅50.5 高6.0 2002年
漆柄麈尾 うるしえのしゅび 僧侶の持物 1柄 長58.0 幅8.1 1997年
毛が残るものと残らないもの。後者は殆ど船の櫂の頭部に似ている。
箱が巨大な卓球ラケット入れのようなもの。

南倉51 玳瑁竹形如意 たいまいのたけがたにょい 僧侶の持物 1柄 長60.5 掌の幅9.3 1995年
今はもう作れません。斑がきれい。

中倉145 紫檀木画箱 したんもくがのはこ 献物箱 1合 縦23.6 横42.4 高15.3 2000年
幾何学的な木画。足は花頭型。

中倉152 蘇芳地金銀絵箱 すおうじきんぎんえのはこ 献物箱 1合 縦23.0 横31.6 高8.6 2001年
花喰い鳥ならぬ花持ち鳥。時代の嗜好を感じる。

中倉177 粉地花形方几 ふんじはながたほうき 献物用の台 1基 縦37.5 横42.0 高9.5 2000年
上は花形で足は繧繝。これは後世の平安・鎌倉にも好まれた彩色。

北倉1 七条褐色紬袈裟 しちじょうかっしょくのつむぎのけさ 羅の袈裟 1領 幅297 縦144 1997年
チラシにも出ているが、なにやらあみだくじのようなどう使うのだろう。この袈裟。
むろん箱もある。
北倉1 御袈裟箱 おんけさのはこ 袈裟の箱 1合 縦46.0 横40.0 高12.1 1983年

中倉105 琥碧魚形 こはくのうおがた 魚形の腰飾り 1具 長7.7 厚1.6(魚形) 2000年
黒光りしていて、ナマズ型のような。

南倉74 伎楽面鬚残片 ぎがくめんひげざんぺん 毛束 1括
〔藍色〕長30.0〔黄色〕長25.0
〔茶色〕長23.0〔赤色〕長17.0
〔白色〕長15.0

5種とも馬の鬣から製作したそうだ。

筆はなかなか太目で使いづらそう。
中倉37 筆 ふで 1管 管長20.4 管径2.2 1991年
中倉37 筆 ふで 1管 管長22.3 管径2.0 1976年
中倉37 筆 ふで 1管 管長17.2 管径2.4 ○
いずれも「巻筆」。…有馬の人形筆とかも拵えられそうである。

北倉150 花氈 かせん フェルトの敷物 1枚 長240 幅129 2001年
チラシ。白地に藍で大胆な花柄。中国からの渡来品らしい。
いい感じの文様。

中倉202 花氈 かせん フェルトの敷物 1枚 長117 幅41 1951年(1970年・万博)
こちらも白地で藍でやや小さめの四本集まる花の意匠。

イメージ (37)

今回、七夕の「乞巧奠」行事にかかわる様々なものが出ていた。
平安以前からこうした行事がなされていたことを興味深く思う。
そもそも牽牛と織女の伝説自体も中国から来たものなのだから当然この天平時代に行われていてもおかしくはないのだが、イメージ的に平安以降だと思い込んでいた。

中倉16 続修正倉院古文書 第三十二巻 ぞくしゅうしょうそういんこもんじょ
七夕の詩が習書された興福寺西金堂の造寺造仏に関する報告書 1巻 縦28.3~28.5 2001年
やたらとグダグダ書かれているのは稽古していたようです。

南倉84 銀針 附 紙箋 ぎんのはり 儀式用の針 1隻 長34.8 径0.5 重49 2001年
南倉84 銅針 附 紙箋 どうのはり 儀式用の針 1隻 長35.0 径0.5 重41 2001年
南倉84 銀針 ぎんのはり 儀式用の針 2隻
〔その1〕長19.5 径0.45 重22.3
〔その2〕長19.5 径0.45 重22.3 1957年
南倉84 鉄針 てつのはり 儀式用の針 2隻 
〔その1〕長19.7 径0.45 重18.7
〔その2〕長19.6 径0.45 重18.2 1989年
南倉85 緑麻紙針裹 みどりましのはりのつつみ 針の包み 1張 縦24.5 幅23.0 2001年
南倉84 鉄針 附 紙箋・赤色縷断片 てつのはり 儀式用の針 1隻 長34.9 径0.5 重38.6 2001年
ここら辺りが全て編み針。先のお箸同様に細く長い目。
銀はやはり黒くなっていた。

更にその糸まである。五色の糸。
南倉82 赤色縷 せきしょくのる 儀式用の糸 1条 長径20 紐の径0.25 2001年
綺麗な赤色。これは欲しいくらい。いい色。

南倉82 白色縷 はくしょくのる 儀式用の糸 1条 糸玉の長径16 紐の径0.4 ○
生成りでやや太い糸。

南倉82 黄色縷 おうしょくのる 儀式用の糸 1条 長径18 短径10 紐の径0.25 2001年
ちぶん梔子で染めたと思う。糸の巻き方がサラのままらしい。かっこいい。

中倉51 紅牙撥鏤尺 こうげばちるのしゃく 染め象牙のものさし 1枚 長29.7 幅2.3 厚0.8 1992年
好きな撥鏤尺だが、23年ぶり??ほんまかいな。つい近年にも見た気が…
花と鳥を交互に5面ずつ。裏には飛天と鶴の飛ぶ様子。

中倉52 斑犀尺 はんさいのしゃく 犀の角のものさし 1枚 長29.5 幅2.8 厚0.8 2000年
一寸・五分・一分のサイズが書かれている。

中倉53 木尺 もくしゃく 木のものさし 1枚 長44.5 幅3.0 厚1.0 2003年
一尺五寸か。きちっとしたものさし。

南倉168 密陀絵龍虎形漆櫃 みつだえりゅうこがたのうるしのひつ 鳥獣文様の描かれた収納容 1合 縦65.8 横106.0 総高46.3 2002年
おる。なんかおる。虎か獅子かわからんものがおる。龍らしきものもおる。線は太目。

聖語蔵3-94 根本説一切有部百一羯磨 巻第三 こんぽんせついっさいうぶひゃくいちこんま 光明皇后御願経 1巻 (17張) ○
しっかりした書体だった。

今年もこのように大いに楽しませていただきました。
また来年までさらば。
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