美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

家元に伝わる茶の湯の道具 3 表千家歴代ゆかりの床を飾る道具

表千家北山会館の展覧会に行った。
「家元に伝わる茶の湯の道具 3 表千家歴代ゆかりの床を飾る道具」展である。
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会館に入るとすぐに昭和12年製の不審庵の模型が現れる。
立派な模型で、柱も建具もすべて本物の小さい版なのが魅力的である。

ロビーには茶室・残月亭の模型がある。こちらも同年の製作である。
そっとのぞくと薄暗い茶室の床の間には白椿の造花と三十六歌仙絵がある。もしやと思い尋ねると、やはり佐竹本の壬生忠見であった。
模型の茶室に素敵な小さい歌仙絵の名品。
こうしたところに優雅な遊び心を感じる。

なおチラシは本物の不審庵の床で、利休の所持した高麗筒に白椿が生けられている。
(模型の白椿の花入は床の間に置かれていた)

三階から見学する。
イメージ (51)

花入 
伝来 青磁経筒 算木。そして虫食いと継ぎとが走る。三人の家元の箱書きがあるようだ。

覚々斎手造 黒舟 これはまた素朴な舟で、中の格子もやきもの。

覚々斎好 手付置籠 チラシ真ん中。形は全然違うが、どうも竹籠の花入れを見ると、香雪美術館所蔵の魚籠花入を思い出す。そう、吉良の首と関わりのあるあれです。

如心斎好 金巻水蒔絵置筒 銘・さみだれ 竹の内側に黒漆に金で流水文。
雨の日に見たからか、流水というより道路に落ちる雨垂れのようにも思えた。

掛物
覚々斎筆 其角ノ句 「川むかい 誰か 家シキヘカ 郭子」なんとなく可愛い。

如心斎 竹ノ絵賛 はてな、竹というより草に露やん。

香炉
如心斎好 馬 樂長入 首を垂れるので足四本に首も胴の支えになりそうな構造である。赤樂。

茶壷
真壷 如心斎銘・藤浪 ルソンの壷。四つの耳つき。
これにはツボツボ柄の口覆いの布なども添えられていた。

そしてここに実物大の不審庵の再現があり、いつの茶会のかはしらないが、設えがされていた。

次の間にはいるといきなり巨大な琵琶が現れた。
銘・錦花鳥 徳川治宝公より拝領 桿撥絵は色違いの六羽の鳳凰と瑞花。
裏には狂歌が書いてあるそうだ。
「なれなすび なれなれなすび 茶入にもならねば床のかけものになれ」
 
掛物
吸江斎 千里同風 なかなか力強い四文字である。

花入
備前 如心斎銘・大雪 茶黒いので大雪といわれてもなあ。

如心斎所持 唐金地紋置 何かの逆立ちみたいだと思ったらその通りで、「底をとって蓋にしよう」ではないが、底が抜けたので口に蓋をして逆とんぼりにしたそうだ。

硯箱
時代竹虎蒔絵 紀州徳川家より拝領 ガオーッ 中も開いていて筆が竹ぽいのと雀の絵柄の蒔絵が遊び心の表れで、楽しい。

置物
啐啄斎所持 伏見焼 猿 如心斎直書 七代目が伏見の幼い我が子のために買うたもの。おみやげ。「与太郎へ」と書いていたそうだが、父の優しいきもちがいい。子供もそれをありがたく思う。いいなあ。
素朴な伏見の人形。銀地に墨のまだらのお猿さんの人形。

二階におりて先にお茶をよばれる。飴菓子と麩菓子。

花入
唐金 銘・一すすり 東山御物 細い鶴首の花入だが、本当に細い。

道安 一重切 彫銘・せめて これねえ「セメテ」とカナ書きしてて、妙な色っぽさがあって…

古銅 銘・園城寺 胴の辺りに檜垣紋が続く。

茶壷
利休所持 銘・橋立 これが利休遺愛の茶壷で太閤にも譲らなかったもの。
大徳寺に預け、取りに来ても渡さないでと頼んだ文書も残っているとか。
渡さないぞという強い意志を狂歌で詠んでもいる。
口覆いもその紐も並ぶ。

掛物
東福門院御作 桃縫絵 桜御所より元伯宗旦拝領 桃の花の刺繍。可愛い。

盆山 カウネンキ 元伯宗旦直書 え…普通の盆山やのに…この字って「更年期」???この時代にそんな言葉があったのか。
残月亭で使われたそうだ。

元伯宗旦に関わりのある花入が二つ並ぶ。
経筒と信楽焼の花入だが、どちらもとても細いので驚く。

ここからは近代から現代である。
碌々斎 千秋萬歳 おお、説経節のようだ。

碌々斎好 青釉龍 写 樂惺入 金泥で亀、龍、雲などを描く。近代の中国趣味かと思う。

惺斎の愛したものたち。
飛来一閑が柄を拵えた払子、1916年に中村宗哲が拵えた硯箱、中川浄益の砂張釣舟の花入などなど大正時代の千家十職の人々の仕事。
常滑焼の花入の箱書きが「トコナヘ」になっているのもあった。こういうのもなんだかおもしろい。

やがて現代になる。
而妙斎の時代。
富士絵賛 四海波静 甲午 2014年ですな。ぎっぎっとした線で富士山を描き、横にその言葉を書いているのだが、とてもロック魂がみなぎっているような構図だと思った。かっこいい。

そして最後に黒田正玄が去年拵えた蛇籠の花入れが出た。蛇籠は本来川の護岸のためのもので、ここでは俵型だった。

代々の家元が愛した茶の湯のお道具の佳いものをたくさん見て、きもちよかった。
11/30まで。

なおお茶をいただいたのだが、そのお茶碗は正倉院展に今出ている白地の花柄カーペットにも似た雰囲気のある、安南焼きのような感じのものだった。
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