美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

新発見の高麗青磁 ―韓国水中考古学成果展

東洋陶磁美術館の「新発見の高麗青磁 ―韓国水中考古学成果展」に惹かれるものの色々あって行くかどうか悩んだが、やっぱり足を運んだ。
なにしろ一番好きな高麗青磁ですしなあ。しかも海底に沈んでいたのをサルベージして、という話だから世に出てないものばかり。既に世に出てるものだけでなく、世に出てないものもこれはもう愛するしかないでしょう。
・・・とかなんとか言うより、まずこのチラシにヤラレてます。
イメージ (55) イメージ (56)

獅子と紹介されてるけど、怪獣でしょう。しかも昔懐かしの「グズラ」の先祖みたい。
斜め前からと背中から。「かいらしー」としか言いようがないね。
六田知弘さんの仕事か。
なるほどなあ。すごく魅力的な写真だ。
以前にここのコレクションを撮った展覧会が開催されて、あのときもやはりチラシにシビレてたものです。
その時の感想はこちら。
ときめくね。

なおこのチラシ、実は背景の海や空の部分に蓮の花の絵を透かしでいれている。
それはさすがにスキャンできない。

水中でどんな感じに沈んでたかという映像を上映していたが、そちらは見ていない。
いつまでサイトにあるか知らないが、映像が出ているのでそちらでよろしく。

随分昔、大阪の出光美術館で「南海沈没船の至宝」だったか、こちらは中国系の陶磁器をサルベージしたのを展示。
あれもよかった。そのときに船底に陶磁器を乗せてバランスを取るようにした、ということを知った。
マカオでも同じく沈没船からサルベージした陶磁器を見た。
こちらは悲しいことに解説にも音声ガイドにも日本語も英語もなく、中国語とポルトガル語だけしか用意されていなかった。
というか、わたしたちが訪ねたとき「日本人がこんな博物館に来るとはっ!」と驚かれ、大歓迎されたのだった。
好きなものはどこなと見に行きますがな。

新発見の高麗青磁と共に、元からここに所蔵されている安宅コレクション、李コレクションなどが参考品として展示されていて、欠片なども「ああ、全体はこんな感じか。この部分か」とわかるように工夫されていたりする。
中には同じ工房で拵えたろうと思われる作品もあり、そんな比較をするのも楽しい。
一方、参考品の数々が、初見のものが含まれているように思われた。
わたしも大概ここへよく来ているように思うが「あれ?こんなのあったかな」が何点もあった。
番号は付けられているが「をい、知らないよ」と「!!」となったりした。
もしかすると、前からの目見得品であっても、比較されることで新しい魅力を発揮しているのかもしれないが。

イメージ (54)

・高麗時代の漕運船と運送経路
どこへ船を出して交易していたのかというとやはり隣国なのだろうが、そのあたりのことをもう少し知りたい。
何を主に運んだのか、特に何がよかったのか、船倉に置いた陶磁器は主にどのようなものがよかったのか。
まだまだ学ぶことが多い。

石製将棋 こういうのを見ると大英博物館のチェスを思い出す。今ちょうど神戸に来てるあれ。

青銅匙、青銅箸がある。どちらも先般の正倉院展で見たものとそっくり。
正倉院の御物は8世紀、高麗はそれより後だが、文化は続いている。
細さも長さもほぼ同じようなお箸とスプーン。嬉しい気がする。

・韓国西南沖の水中遺跡と高麗青磁
いいものがたくさん並ぶ。やはり梅瓶が好きだ。
碗も皿も鉢もいい。
陽刻、印花、陰刻、白堆、象嵌など文様の表現も様々で、いずれも美麗。
李朝の白磁もいいが、やはり高麗青磁に強く惹かれる。
もう失われたと思うからか、より惹かれるのかもしれない。

青磁花形皿 貫入が葉脈のように広がっている。花形皿にふさわしい貫入。

青磁印花牡丹文皿 花と貫入の様子が、挿絵画家・村上芳正の世界のように見えた。隠微な魅力がある。

青磁碗 こちらの貫入もいい。とても綺麗。

青磁印花牡丹唐草文花形鉢 かなり彫りが深い。

青磁瓜形水注と青磁壷がセットだと知る。壷の中に水注を納める。

このように特に好ましいものを挙げてみたが、参考品が沿うことでいよいよ魅力と理解が深まるように思った。
ところで、「新発見」と銘打たれたのは何も陶磁器本体だけのことでなく、その存在価値・存在理由・使用法もまたそこに加わっている。
今回の発見で初めて研究者も観客も知ったことがいくつかあるが、その中で一番の「新発見」は、梅瓶の用途だと思う。
水、酒などだけだと思っていたら、ごま油に蜂蜜に、とそんなのを入れる器でもあったのだ。
それがわかったのは木簡のおかげ。栓をして口覆いをするその包装の方法も紹介されていた。
更に小さい蓋もしているが、見た目としては庶人の髪型、あれと同じような感じがする。


・新発見の高麗青磁
このコーナーにあの怪獣な獅子がおるのです。
八方にらみの目でギサギザ歯並びを見せ、両手で玉を押さえている。
首に何かあるなと思ったら鈴らしい。ドラえもんのような奴め。
よくよく見れば肩から背中にかけモンモンならぬ渦巻き鬣が靡いている。
アップでよく見よう。
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可愛い奴よのう。

破片がある。
その完全品によく似たものは東洋陶磁美術館の所蔵品。並んで展示することでよくわかる。

青磁盞・托 東洋陶磁美術館の所蔵品。これを常設で見た記憶がない。
見込、綺麗な翡色に金色の発色。こういうのがほしい。

青磁象嵌牡丹折枝文破片 綺麗な青に、綺麗な青の花のかけら。

やはり高麗青磁はどのような状況であってもいいものはいい。

いいものを見せてもらった。この先もまた新たな発見とその発表の場があることを待っている。
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