美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

神仏・異類・人 奈良絵本・絵巻にみる怪異

國學院大學博物館で「神仏・異類・人 奈良絵本・絵巻にみる怪異」展を愉しむ。
前期展示を見てきた。
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さすが國學院大學、たいへん魅力的なラインナップで、これが無料で展示されているのはもう本当にありがたい。

1. 王朝の絵巻
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竹取物語 寛文・延宝  出ていたのは龍の珠取りに船出してえらい目に遭うてはるところ。

伊勢物語が三種と謡本と源氏物語がある。源氏は特に婚礼のために調えられた本なのでたいへん豪華。

2. 異類の顕現
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田村の草子 寛文・延宝  奈良絵本でこれを見るのは案外ないので嬉しい。丁度田村が鈴鹿御前と婚姻し、ともに敵と戦うところ。鬼の首が飛んで噛むところ。鈴鹿御前にしろ田村丸にしろヒトより化生のものに半ば属しているのだが、ヒトであろうとして半分の属性と闘っているのかもしれない。
夫婦で同程度の能力を有しているのがカッコいい。

大織冠 寛文・延宝  解説がもう本当に身もふたもなく本質を衝いている。その通り、女を利用して恥じないよな、この不比等サンは。
海女が龍宮に着きました。鬼の衛士がいてました。まだ事件は起こらない。

俵藤太物語 18世紀  たいへん綺麗な絵巻。もうムカデ退治のあとで龍宮で饗応を受けているところ。ちょっと感謝され過ぎではないかと思いはするが、龍宮では本当に困っていたみたい。引き出物の中には尽きることのないお米の俵や、後に三井寺にゆくことになる立派な梵鐘などなど素晴らしいお宝が。
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龍宮の人々はちょっとグロテスクな感じもある。中には鬼もいるが、これはやはり衛士かもしれない。そこへ亀が花をささげようとやってくる。龍宮みんなの感謝の念がよく表れている。

道成寺とその別バージョンの日高川絵巻の賢学草子とが上下で並んでいた。
賢学は元禄頃、道成寺は幕末以降。
ここでも女は大蛇と言うより別なものになっている。般若の顔をした龍になっている。やがて男を捕まえたときには完全に龍になっているが。
道成寺でも蛇と言うより龍になっている。

磯崎 寛文・延宝  本妻が二番目の妻を鬼面を付けて襲撃し殺す。しかし天罰覿面というかその鬼面が剥がれなくなる。息子と二人祈ることで鬼面が割れる。
わるいのは亭主なのになあ。

3. 神仏の哀歓
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熊野の本地 17世紀  もう既に五衰殿の女御は殺され、動物たちの協議の後で、王子がトラ・ヒョウ・サルらに可愛がられて育てられているところが出ていた。
時々柏のケープをかぶって山野を歩き、トラ・ヒョウの夫婦に背中に乗せてもらったり、猿に見守られたりしている。

わたしは小栗判官とこの熊野の本地とが「物語」としていちばん好きなのだった。

隠れ里 寛文・延宝  ネズミの国 (浦安にあるのとかロスにあるのとかとは違います) に行った男が、えべっさんと大黒さんの大喧嘩を目の当たりにしたりいろいろ。
その二人が戦うところ。

異代同戯図 狩野昌運  もう本当に戯画。鍾馗が鬼をくくったのをそばに置いて銭かけて双六している。ちょっと向こうではカードゲームする孔子・観音・大黒・維摩・神農・稚児文殊ら。そばでは十王が銭勘定。
獅子を肘枕のクッションにする文殊ボーイなんて「あんた、背中がすすけているぜ」とか「ご無礼、ロンです」とか言いそうなむこうぶちな野郎にしか見えない。
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4. 異類の活躍
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ふくろう 17世紀  フクロウの老人がうら若いウソの姫に恋する話だという。てっきり「恋重荷」とかあんな感じかなとか思ったらそうでもなさそうだが悲恋だそうだ。

ほかに桜の花を擬人化して和歌とからめた「さくらの姫君」や百鬼夜行図もあり、キャラクター紹介というノリで物語の登場人物たちが紹介されていて、楽しい展示になっていた。

夏の三の丸尚蔵館での絵巻展示同様、こうした取り組みはとてもいいと思っている。
12/23まで前期。1/8-2/7が後期。また行かなくては。
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