美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

京都画壇・鈴木派の隆盛

赤穂市立美術工芸館・田淵記念館に行った。
以前から行きたかったので機会に恵まれて本当に良かった。
今回は「京都画壇・鈴木派の隆盛」展。
鈴木百年・松年父子を中心にした展覧会である。
この父子が赤穂ゆかりの画家だということは何かで読んで知っていた。十年以前の百耕資料館のチラシで見たのかもしれない。たぶん間違いない。
鈴木松年は松園さんの師匠の一人でもある。
イメージ (38)

西光寺というお寺に所蔵されている合作物が三点並んでいた。
水仙百合根図 百年・松年 扇面に墨絵
大根百合根図 松年・鈴木松僊
仏手柑図 松年・松僊 
どうも百合根を描いたのは松年だと思う。そして最後の仏手柑もそうではないか。
この仏手柑には実は墨絵の水仙がついているのだが、どうもその絵を見ていると声が聞こえてきて仕方ない。
「なぁなぁえーやろーなぁて」「ええー、ちょっとー」
どうも間違いなさそうである。

冬山水図 百年 全体がセピア色になり、そこにもこもこ雪の風景。山家の屋根に雪が降り積もり、二軒三軒とそれが連なる。抒情性を感じる。
実際のところ百年がこうした山水画にそれを込めてたかどうかは知らないが、見た者としては抒情的ないい絵だと感じるのだ。

ただ百年の墨絵には呉昌碩を思い出させるようなところもあり、それに妙にドキッとするのもあった。
どういえばいいのか、やはり近代になると山水画もあのような激しさが必要になるのかとか、時代の推移がそこにあるからか、など色々考えてしまうのだった。

円窓美人図 百年 これはもう本当に柔らかな唐美人図で、円窓の外の海棠かな、それがよく咲いているのも素敵だ。
筆を加えながら机に倚る美人の手には団扇がある。ゆったりしたココロモチになる。
イメージ (30)


唐人物図屏風 百年 1860 大きな屏風にずらずらぞろぞろと人々が集まる。
左には、やたらと縦にも横にも大きな寿老人像があり、それに拝する人々がいる。傍らには珊瑚を生けた瓶もある。彼が生きてるのか像なのかは本当はわからない。
というのは彼に拝するためにぞろぞろ並ぶ列の最後には鶴もいるし、近くには鹿もいるから。そして左隻からもぞろぞろ群衆。

老松孔雀図屏風 百年 1882 「もみ金」地に墨絵の孔雀。羽根の目玉部分は白抜き。かっこいい、とてもいい。

イメージ (39)

戦勝万歳図 松年 1904 ああ日露戦争か。面白いのは旗や提灯に印章が使われていること。提灯行列も家々に掲げられた旗もみんなハンコ。

松年の達磨の絵が二点。
不倒翁図 白衣で鉢巻でコワモテながらも面白い表情。松の下にいて前には払子。
達磨図 赤衣に鉢巻。こちらはより戯画風。

烏賊図 松年 …やたら巨大である。大王烏賊なのか…???

春秋風物山水之図屏風 松年 1888 チラシ表に秋、裏に春の図が載る。
秋では山の中でたばこを吸って一休みするオヤジと木を担いで歩く杣が、春は振り分け籠に子供を載せたのが家に向かって橋を渡るところが描かれている。
どちらも飢饉などのなさそうなのんびりした様子。

躍鯉図 ジャンプ!!水しぶき跳ねる。蜂か虻もいるのでこの絵は中国風吉祥画になるのか。

弟子たちの絵をみる。
老松群鳥図屏風 今尾景年 1922 右にはインコ、ルリ鳥、文鳥、百舌鳥か隼らしき小禽、左にはカップルの鳥、燕などが明るい色調で描かれる一方で、幹はシックな色彩で統一される。

寒牡丹図 西田竹僊 花は雪囲いの中、顔の黒いユリカモメのような鳥がその上に閉まる。しっとりした絵。

工芸品もある。
漆盆 松年と京都工芸校の人々の競作。松年は幸野楳嶺とは不仲だが、その弟子たちとはこうして競作をすることもあったそうだ。
松年 笹に雀、白椿、芙蓉。
栖鳳 二羽の蝙蝠。
菊池芳文 芙蓉、白朝顔、葡萄、寒鴉…
神坂雪佳 もこもこした柑橘類。

他にもこの田淵家は浅野家の後に移封された藩主をしばしば招いてごちそうしたそうで、その際に使われた高坏なども展示されていた。

遠いところだが来た甲斐があった。
またいつか機会があれば来てみたい。
展覧会は1/11で終了。
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