美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

サラリーマンコレクターの知られざる名品 「わの会」

平塚市美術館で「サラリーマンコレクターの知られざる名品」展が開催されている。
「わの会」の人々のコレクションである。
そもそも「わの会」とは何か。
展覧会のタイトル通り、個人コレクターの皆さんで作られたNPO法人だという。
詳しくはこちら
「どんなのをお持ちなんだろう」という問いかけにはこのチラシをとりあえず。
イメージ (4)
・・・こういうのを見させられると「ほな行こか」となるほどの魅力がある。

基本的に洋画が多い。日本画はほぼないに等しい。
こうした状況が恣意的なものなのか・展覧会のためのチョイスなのかはわたしにはわからない。
ただ、「家に飾る」目的の場合、現代ではやはり日本画ではなく洋画の方が「合う」ことが多いという事実がある。
先般、NHK「ファミリーヒストリー」でピエール瀧の祖父を調べたところ、堅山南風の弟子筋に当たる日本画家だったことが判明したが、その時「日本画は今じゃ飾るあてもないし」という意味のことを話された。
現代の日本人の居住空間を考えるとそれはもうどうにもならないことなのかもしれない。
だからというのではないが、現代日本画の洋画化現象・大作主義は「家に飾ることが難しい」という現況を如実に示しているからか、と素人のわたしは考察する。
いや、素人だからこそ、一層ナマナマシイ感覚があるのかもしれない。
わたしなどは近代日本画が最愛とはいえ、では所蔵するかと問われたら「掛けるところがない」としか答えようがない。
小さい複製品は楽しめても大きな作品や軸物はどうにもできない。
和室に床の間・欄間はあるが、その部屋に飾ったり季節ごとに入れ替える心のゆとりがない。以前に短冊をいただいたことがあり、それくらいなら、と飾っているが、これ以上大きいとやはり悩むのだ。
そうしたことを考えると、やはり洋画が多いのは必然的なことなのかもしれない。
尤もこうした考察は余計なお世話なことなので、ここまでとする。

イメージ (5)

絵画から彫刻まで146点。近現代の作品が集まっていた。
個人所有者の名前がはっきり出ているのも「わの会」ならではのよう。
そして所蔵作品との出会い・購入の顛末・作品への愛情などがつらつらと綴られているのがまた面白い。
なまじな解説などより、こうした所蔵家のナマナマしい発言の方が面白い。とはいえ完全にありのままかどうかは知らないが。

見た限り、一番古い時代に描かれた作品は、二世五姓田芳柳「新羅征伐の吉凶を卜す」1910頃か。
釣をする神功皇后と武内宿禰。日露戦争前だし、時勢かな。
とはいえ、二人はお札の柄にも選ばれています。

最初に現れたのは脇田和の「パン屋の子」で、にっ と子供が笑うのがいい感じ。
ここから始まってずらりと並ぶ。
色んな嗜好・色んな想い・色んな事情が作品に付随している。
だから、ただただ見るだけの観客である私がそれらについてどーのこーの言う資格はない。
ただ、こうして好みの作品はこれだとか、こっちはどうも…と心の中で思うばかりだ。

チラシ中央に夢二の暖簾から顔を出す女の絵を置いたのは凄く巧いと思う。
女に誘われた、そんな気がする。

絵の技法も様々で、それを見るのも面白い。言えば統一感はないのだが、それが逆に面白くもある。
会員の皆さんの自由な意思を尊重するというのが感じられてね。

現代の絵画も多く、どういう愛で方・楽しみ方をすればよいのかを所蔵家の言葉から学ぶことも出来る。
難しいことを言われるより、この方がわかりやすくていい。
そしてこうした個人コレクションの面白いのを企画展示する平塚市美術館に好意を懐く。

2/7までもう時間がないが、行ける方にはぜひともお勧めしたい。
これだけ楽しめて200円なのが何よりすごい。
駅から歩きづらいかもしれないが、ぜひ。
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