美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

2月の東京ハイカイ録

2月の東京ハイカイ録
1月のそれがほんの2週間前だったので時間が地続きになっている。
なんというかメリハリがないな。尤も東京には大阪にない刺激があるので、ここに来るだけで実は細胞が活性化する。
神経が刺激でヒリヒリしてそれが愉悦にもなる。
で、それに疲れたらやっぱり大阪に帰り、関西特有の温気にやられ、楽しいぬるま湯に浸かるわけさ。
そのぬるま湯に飽きたら電気ビリビリに当たる、こういうのの繰り返しで細胞活性化。
お風呂屋さんでも電気風呂大好きだ。

さて例によって木曜の夜から都内入りしたが、今回は趣を変えて定宿から数分の別の宿に泊まった。すると設備面では定宿の方が上だなと。ただし朝食はこちらの方がいい。
東京駅に出て丸ノ内線の定期売り場で「東京サブウェイチケット3日間分を購入。1500円で3日間メトロも都営も乗り放題。安いです。

四谷に出た。快晴。迎賓館の一般公開初日。割と早い時間についたので整理券の番号も若いめ。並びだすと忽ち大行列。セキュリティチェックはなかなか厳しいが、これは当然。むしろペットボトルはその場で飲みさえすれば飛行機のように「捨てろ」にならんだけいいと思うよ。
外観は撮影自由、内部はダメ。楽しく見学しましたわ。
外観はまた別項で後日に挙げます。

ああーよかった、が、タイムオーバーしてるな。仕方ない。そこから四谷三丁目に出てお友達のえび新聞さんの個展開催している「わたしの隠れ家」なるカフェに向かう。幸いスルッと吸われたがそこまでで、後から多くの人が座れなくて帰っていった。
いわゆるカフェごはん。麦飯に蕪入ったスープがおいしかった。紅茶を頼んだがコーヒーが来たのには困ったが、デザートのチーズケーキにオレンジマーマレードがついていて、そのマーマレードの名残りがあるままコーヒーを飲んだら、これが大正解。
たいへん美味しいやないか。そういえばチョコにオレンジピールってアリやもんな。
マーマレードコーヒーに溺れました。
えびさんの絵は絵ハガキサイズで壁に可愛く設えられてます。

四谷三丁目に来たら必ずゆくところがある。
錦松梅本社?いえいえ違います、消防博物館ですがなー♪
なんかもう楽しいわ。警察博物館より消防博物館の方が好きやわ。
派手やからかな。ここでも大いにバチバチ撮ったり。

渋谷に出た。本当は明治通りから國學院に歩くはずが挫折。なんかもう出だしで萎えた。で、例によりハチ公バスに乗る。それで連れてってもらう。
「異類」展の後期。これがまた非常に面白い。
展示は2/7までだったので、感想は終了した後の今以降だけど挙げたい。

金曜なのでご近所の塙保己一記念館が開館中。100円。丁寧な説明を受け、建物を見学し、更には保己一の物凄い「群書類従」の版木を拝見する。
「群書類従」はatokで一発変換する。版木は桜。これが強いそうな。
「塙保己一をご存知ですか」と訊かれたので「松平定信の庇護を受けて学者として云々」と答える。やっぱりあれよ、元は国文学やってた者としてはこれくらいは言わなくては…ではなく、わたしの中では井上ひさし「藪原検校」に出てくる学者だったりする。

あの「藪原検校」はたまたま1985年刊の五世中村勘九郎の芸話を読んだ時に、彼が演じたことを知り、興味を持ったわけですね。「きらら浮世絵伝」共々、惹かれる舞台写真が本に出ていた。
それで井上の元本(脚本)を読んで一発でハマった。非常に面白かったしまた切なかった。
後に紀伊国屋ホールで三林京子らが演じるのを見てもいる。
芝居の中で、悪の限りを尽くす藪原検校と対照的な塙保己一がいるわけだが、藪原検校はとにかく生き急ぐというか悪の限りを尽くし、カネの力を使いまくって頂点に立つ。
普通は当道座16階73刻の階級をあがってゆくわけだが、藪原検校はカネの力で一気に駆け上がって28歳で検校になる。そして一足先にこちらは学問の力で検校になった保己一と対話するのだが、その二人の対話が非常にせつない。カネ・学問で成り上がった二人だが、結局のところはお上、いやこの社会そのものから実は排除されている者同士に過ぎないことをふたりは悟っていて、それで<ふと目が合って>和やかに笑い合うのだ。

塙保己一の銅像もある。にこやかで温和な像。こういうのを見ると、ここにたどり着くまでの苦労が想像を絶するものだと感じもする。
非常に幸いなことにこの建物は関東大震災も戦災も受けずに昭和2年の創立以来守られ続けてきたそうで、この貴重な版木が今に生きている。
平日のみ開館だが、一度は立ち寄られることを勧める。

いつもはこの坂を下って広尾高校前から広尾高校裏(今は山種美術館前か?)まで歩くのだが、意外とストレスがある坂なのだ。
ところがこの塙保己一記念館(温故学会)の前の道をまっすぐ行き、國學院の院友会館の前を通り、次に右折した方が気楽な道になり、そこで山種美術館に出れるのだった。
これはたいへん楽な道で、今後はこの道を行くことにする。
教えてくださった記念館の方、ありがとうございます。

それで山種美術館で「ゆかいな若冲 めでたい大観」を楽しむ。
なにしろ最初に若冲のカエルと河豚の相撲から始まるからなあ。柴田是真の鍾馗と鬼も面白い。いいものを色々見ました。
川崎小虎の綺麗なファンタジック大作も見れてめでたいめでたい。

日当たり良すぎて暑いくらい。
ここで時間配分が推しすぎているなと思い、両国の江戸博にゆくのを回避して、そのまま千葉に向かう。なにしろ大江戸線が時間狂ってるからなあ。
茅場町から東西線の快速に乗り西船橋へ。これがけっこうストレスなし。
そこで手持ちの東京サブウェイチケットとスイカカードとを使ってJR乗り換え。千葉まで302円。これはカードを改札に当てるタイミングがけっこう大切らしい。
駅員さんに教わった通りにする。
船橋から快速で千葉。パルコのバスに乗せてもらう。
ああ、このバスももうすぐ終わるのだなあ…

千葉市美術館、初期浮世絵展。
この厚み、このレベル、もぉいやだーーーーーっ
凄いものをこれでもかこれでもかと見せられて、時間なんか2時間あっても足りるわけないだろぉぉぉっ
しかも「新収蔵品」ですと??それがまたレベル高いのばっかり並べるな――――ッ
これだけで一本展覧会になるがなーーーっ
甲斐庄楠音「如月太夫」がここの寄託品になったそうな。よかった喃。

ああ、これだよな…この刺激。これが欲しくてわざわざ遠くから来てるのだよな。
ドキドキが殆ど心筋梗塞状態なままとりあえず西船橋経由で都内に戻るのでした。

ハイカイ2日目。土曜日。
定宿へ徒歩で。フロント「あれ、随分早い時間ですね」とびっくりしている。
「うん、ちょっとよそで」まさか徒歩数分の違う所とは言えない。
色々とわけありのわたし。
荷物を預けて、そのまま元来た道を戻り地下鉄に乗る。

9時半になり江戸博「ダ・ヴィンチ」展を見るがこんな開館早々からえらく混雑してますな。
まぁダ・ヴィンチの素描が見れたのはよかったよ。あと追随者たちの絵な。
中で天蓋ベッドにいるちびっこの聖ヨハネとイエスがハグしてチュッチュッという可愛い絵を見たが、ついつい「これがあと15年後くらいなら」とフ目線で色々と妄想が増大化するのであった。いやーいかんいかんw

門仲経由で竹橋へ。これが10時半の話。
結局15時半まで竹橋におることになろうとは、まさか想像だにしていなかった…

近美で恩地孝四郎展。つい先般「月映」展を見たからまぁ気軽にと思って入ったのが運の突き。誰やこんな凄い企画建てたのはーーーーっ
物凄い内容だった。あああ、クラクラする。

空腹に負けて12時半に毎日新聞社のレストラン街へ。
ここにはよくない思い出しかないんだが、時間の都合でここに来て、ちょっとばかり気軽な店に入ったのはまぁよかったが、あとがいかん。実は何かに当たったのだ。水かも油かもしれない。ああ、しんど。

今度は一旦工芸館に。こちらがまたいい企画で。写真パチパチ。いいものをたくさん拝見しましたがなー並べ方がまたよろしいのよ。なんだかもうクヤシイー

あのなあと言いたいがどこへ向けていうべきかがわからん。いいものばかり見せられて魅了されて、とうとう横浜には行けなくなりました。
なにしろ常設の版画にヤラレ、さらに常設の企画展で更にゴンゴンゴンッとどつかれてもぉたわけです。

凄いポスター群を見たよ。リーフレットもいい。
「ようこそ日本へ:1920‐30年代のツーリズムとデザイン」
日本とその周辺に目を向けたもの。
もともと好きな時代なのにこんなスゴイの見せられて冷静でいられるか。
1930年代の満州に行ってあじあ号に乗りたくて仕方なくなるし、日本郵船や大阪郵船の豪華客席で浦塩や南洋に行きたくなる。そそるそそる。ほんまにドキドキのポスターが並んでいる。
先月の八王子で見たポスター群と一緒に感想をまとめたい。
ああ、わたしはこうした内容のものに強く惹かれるのだよ…

時間の都合で色々変更し、太田記念浮世絵美術館へ「勝川春章」展を見に行く。
これがまた…なめてたらあきませんな。予想を上回る良さ。
沢山の浮世絵師の中の一人として見たときに感じなかった面白さに気づく。
特に役者絵がいい。絵はもちろん違うが「鼻紙写楽」に登場する役者らがここにいて、舞台でこんなだったのかと改めて知った、そこがまたより絵を楽しませてくれる。
若き北斎の絵もいい。
ああ、面白かった。

渋谷を本当の意味で徘徊する。参ったなー。
やがて時間が来たので109に行く。今回は現代音楽家の鈴木さんとお会いするのだ。
くじら家に入り、それからなんだかんだと四方山話をするが、ぎゃーっなことに現役の作曲家に音楽についてグダグダ言うという面の皮の厚さを発揮する。抒情性とそれを排除した抽象表現とかそういう話を。
かなり長く話し込んだが、ほんまにわたしはアツカマシイ喃。←反省しろ。

そして最終日の日曜。
東京駅のいつものロッカーに荷物を放り込んでから動く。
日本橋まで出て上野へ。またまた東博の「大兵馬俑」展と常設とを見る。
今回はバスに乗る予定があるので11:47までと決めて動く。

大兵馬俑展、物スゴイ集客数やん。お客さんてんこ盛り状態で、なかなか見たいものも見れなかった。それでもまあ玉類はじっくりと楽しんだ。
で、第二会場の兵馬俑置いてある場所へ向かい、少し上から下を見おろすと、お客さんと俑たちがもう身動きとれなさそうなくらい。
「圧倒的ではないか、わが軍は」と思わず言ってしもたよ。

本館・東洋館をうろうろしてから11:47のめぐりんバスに乗り千駄木へ。
あれだわ、100円で谷中千駄木の観光も車窓からだが可能なのよ。
で、千駄木。どこでお昼にしようかと思ったとき、目の前にミス△があり、久しぶりに入ろうかと思ったのがわたしの浅はかさ。
もう本当にダメ、合わない…しかも「温めますか―」というてチンしてくれたはいいが、溶けやすいイチゴチョコのドーナツと一緒に置くなよ、ここの店員わーっ
あああ、入ったわたしがバカでした。
最近は711のドーナツの方がいいな。

というわけで団子坂上の鴎外記念館。「奈良、京都の鴎外―今日オクラガアキマシタ。」展
鴎外は宮内省の仕事で正倉院の開封をしたり、雨の日はあちこち出かけたりし、和歌を詠んだり子供らに毎日はがきを送ったり、と展示資料も本当にいい感じのものばかり。
ああ、奈良に行かなくちゃという気にされましたわ―
この日で終わったが面白い展覧会でした。

根津に出る。弥生美術館で上村一夫展。彼が現役の頃いろいろ読んでたが、わたしは「同棲時代」とは無縁なのよ。「凍鶴」が一番リアルタイムだった。
それから単行本で「修羅雪姫」にハマり、短い晩年の佳品「菊坂ホテル」共々この3作は何度でも読み返しているわけです。
2014年に京都嵯峨芸術大学で上村一夫展があり、あれにも喜んで出かけた。
その時の感想はこちら

その時、高信太郎の春画羽織を見た。さすがに露骨な性描写の絵はここでは展示しない。
多少はあるが。
2002年だったか、川崎でも展覧会があり、あれが展覧会の始まりだったと思う。あのときはチラシも品切れになってしまってたなあ。
本当に魅力的な作品ばかりで、わかってはいたがやはり時間オーバーになった。

華宵、夢二もじっくりと楽しむわけだから、本当にどうにもならない。
弥生美術館を最後にすると、必ずわたしは飛行機や新幹線に乗り遅れるので、ここからもう一軒出かける。
ああ、出光が6時までならなあと思いながら乗り継いで新橋へ。
そう、6時まで開館で東京駅に近いのはこの汐留ミュージアム。

イングリッシュガーデン展はボタニカルアート好きな方には勉強になると思う。
本当にいろんな花があるなと感心するばかり。わたしが面白かったのはモリス関係。タイルは前にもここで展覧会があったモーガンて人の。
「いちごどろぼう」の柄の可愛いドレスなどもある。
紀行絵で見る植物園なども良かった。わたしはやはり抒情重視ですわ。

タイムアップ。さーて日本橋経由で東京駅へ向かおうか。
丸善でちらっとちりめん本をみるが、古地図や人体解剖図や飛び出す絵本を見ていると、人体解剖図の飛び出す絵本とかあれば面白いだろうと思った。
最初は皮、次に骨、それから各種臓器。
ということをつぶやいたら19世紀末に既に出ていたそうですわ。残念。

お土産も色々買って、これで今月は終わり。ああ、東京の刺激よ来月までサラバ。

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