美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

神仏・異類・人 奈良絵本・絵巻にみる怪異 後期

國學院大學博物館で「神仏・異類・人 奈良絵本・絵巻にみる怪異」展の後期を見てきた。
展示は2/7までだったが本当に行けてよかった。
前期の感想はこちら
後期で見て特に好ましかったものの感想を挙げる。

酒呑童子 スパコーンッと首を掻っ切った瞬間!
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鬼の怨念凄まじく、ガブッッッ
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兜が強くなければ頭蓋骨粉砕でしたな。
「ヘルメットがなければ即死だった」というシャアの言葉が思い浮かびます。
この状況に囚われの女たち「きゃーっっ」と逃げ惑う。

大江山酒呑童子絵貼混屏風 鬼たちを殺戮中・捕えたり・女たちを解放したり。しかしあの「がぷっ」シーンはなし。

羅生門 渡辺綱が茨木童子の腕を掻っ切り自宅に持ち帰り警戒しているところへ<母>が会いに来る。
ここでは母と言う設定。他には伯母、乳母など子供の頃に親しく世話になった老齢の女性に化けて茨木童子がやってくる。
茨木童子は酒呑童子の右腕的存在。
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こういう経緯があるから綱は大江山でも特に茨木童子を狙うですな。
おたふくな母上に変身した茨木童子を情にほだされて家に入れる綱。「みせておくれ」のシーンが出ている。
そして腕を取り戻し、逃げ去る鬼。黒雲と共に去る。

賢学草子 悪縁の女から逃げようとする僧・賢学。しかしこれは彼の独りよがり・空回りの物語でもある。
悪縁はついにほどけず、女にとうとう捉われるが、女をこんな異形のものにしたのは彼自身の責任でもある。
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道成寺縁起 もう焼き殺された後のことだが、この展示の本では後日譚もあった。
ある高僧の夢枕に死後へびの夫婦となった安珍・清姫が訪ねてきて供養を頼むところ。
これはどうかな、蛇だけに蛇足かも。瞿佑「牡丹燈篭」も後日譚があるが、あれを思い出しもした。

火桶の草子 婆さんが怒って爺さんの火桶を叩き割るシーン。
…偶然か、今回の展示はけっこう暴力シーンが多いな。

磯崎 前期では正妻が鬼面をかぶりもう一人の妻を殺すシーンが出ていたが、今期はその鬼面が外れなくなり、山の中で岩に腰かけて反省と言うか様々な物思いにふける正妻の姿が出ていた。杖を突いて腰かけているが、その杖も山登りの杖ではなくもう一人の妻を打ち据えたあの杖のようである。
自然の中に入り込んだことで正妻は悔恨も抱いているのかもしれない。

熊野の本地 前期は首を討たれた五衰殿の女御の死骸や、王子を森のどうぶつたちが育てるシーンが出ていたが、今期は身分も回復した王子が蘇生した母と、この天竺が嫌になった父王と共に空行く船に乗り、後宮の多くの女たちを捨てて日本へ向かって飛び立つところがあった。
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まぁ王様だから後宮生活も華やかなのだが、それだけに一人の女だけを愛することがとんだ罪を生むのだな…

隠れ里 結局はある男の見た夢の話なのだが、えべっさんと大黒さんが和解のために選んだ手段がお相撲というのはなかなか興味深い。行事は布袋さん。
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異代同戯図 狩野昌運 前期も大概笑ったが、後期もほんと、いいわ。
日蓮vs法然の腕相撲。周りにはそれぞれの弟子たちが陣取り、熱い応援を繰り返している。
一方、紅葉狩りの小宴を愉しむ親鸞。タイのお造りなども出ている。

いなり妻の草子 稲荷神の命を受けて女に変身した白狐がその男の妻になり、思いがけず幸福になったのだがちょっとした勘違いで、この暮らしを捨てて神の元へ戻る。男は壁一面に女への愛の歌を書き連ねる。おお、ラブソングーーー
白狐の女は通い妻となる。
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付喪神記 護法童子らが出現して変身した化け物たちをぶちのめす。けっこう色も赤・白などのはっきりした色の童子たち。

百鬼夜行絵巻・真珠庵本系統 猫の経文読みの奴のちょっと後にいるすり鉢をかぶって擂粉木を握る化け物、カイ・シデンに似ているな・・・

前期同様後期もとても楽しかった。もう終わってしまったが、いつもいい展覧会をしてくれる。
ありがたいことです。
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