美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

3月の東京ハイカイ録 前期

金土日と都内をハイカイしておりました。三月はまた18から首都圏に潜伏するのでこれは東京ハイカイ録の前篇になるのか。

基本的に節句は外さない性質なので三月三日は家にいてお雛様祭をし、翌金曜の早朝に新幹線。いきなり温いようになると聞いたので、ブラウンのコート。
ダウンよさらば。

朝なので富士山

というわけで東京についてすぐにいつものお気に入りロッカーに荷物を放り込んだが、それで荷軽になるわけではない。わたしはいつもなんだかんだと手荷物が多いのだ。
で、左肩に負担がかかりすぎて、朝からアウト。
しかし休むという考えはないので動く。
展覧会をいろいろ見たけど、個別の感想はまたそれぞれ後日に。

まず上野に出る。西洋美術館でカラヴァッジョ。彼の絵は11点らしいけど、そんな少ないとは感じない。
彼の追随者の絵が多いが、存在感が半端ねーので、7割くらいカラヴァッジョが占めているように思えるほど。
ところでわたしはカラヴァッジョといえばデレク・ジャーマンの映画がまず思い浮かぶのですよ。
ニクニクした肉体に脂まで感じさせるような絵。よかったわー
美少年のヨハネも新発見のマグダラのマリアも見たしわくわくしたわ。
結局カラヴァッジョだけで2時間かかった。

ここから北浦和に出る。原田直次郎。これがまたよすぎて困った。
丁寧なアカデミックな絵。明治の青年が志を高うして必死で励んだ軌跡を見たなあ。
原田に友人多いのも納得。
面白いことに、随分早く結婚した妻とは仲良しさんでイクメンな一方、ドイツ留学中には彼女拵えて旅行にも出かけている。
要するに原田はマメ男なんだな。絵も丁寧なの大納得。肖像画が特に丁寧。
ただただ夭折したのが残念。永らえばまた日本洋画の歴史も変わったろうに。
森鴎外ら友人らが奮起して1日だけでも彼の展覧会したのは本当にいい。
またその友人らの気持ちもわかる。原田の奮闘を、作品を、世に知らしめしたいんだ。
そういうのが伝わる内容でした。

結局ここでも2時間いてしまい、予定が狂い始めてきたところへ、JR各線がやたらと事故に巻き込まれたりなんだかんだ。
マズイ、非常にマズイ。というのは4時から三鷹のジブリ美術館に予約してるからなあ。
焦りに焦ったが、南浦和から武蔵野線に乗り換え西国分寺経由で三鷹へ出た。後はわたしの早足で歩く歩く。
つきました、ジブリ。ついてからは行列してるから、なんのことはない、もし四時についてたとしても待たされてるわけだ。

「幽霊塔」の企画展。わたしも前々から気になってたから嬉しい。
去年までは乃木坂太郎で「幽麗塔」が連載されてて夢中だったが、実はいまだに乱歩のも涙香のも読んでないんだ。
昔々タイトルだけ知った時に調べたが、当時はまだ原作が「灰色の女」だと判明する前だった。
やっぱり塔と言うものにはドキドキがあるわな。
わたしが最初に塔にドキドキしたのはラプンツェルの話とシンデレラの話かな。
地下の迷路よりはまだいいよ。

閉館まで楽しんだが、カフェの所の水道、蛇口のヒネリがリスで、タイルも可愛いが、なんとここ、水道水琴窟。
キーンキーンといい音してたなあ。

山本有三記念館は残念ながらあきらめた。
美術センターを少々覗いたら「米谷清和」という現役作家さんの新宿・渋谷・三鷹を描いた回顧展をしていた。
70年代の作品よりも近年の作品の方がずっといい。
とはいえ70年代既に活躍していたひとだから、やはりその時代を過ぎないと現在へ到達しないわけだ。

三鷹は大体あんまり晩ご飯食べ損ねるところなのであきらめて東京へ。
しかし今回は実はほぼ食事にトラブルというか不満を抱えることになる状況になるのだった。

ロッカーを引き出したときにメールに気付いたら、なでしこのサッカーやん。これはあかん、外で食べれないわとホテルに入る。
で、近くに買いにゆくとこけがまた月マガが出ていて、川原正敏の新連載が。
ううう、つらい。少しばかり読む。本格的に読むのは帰阪してからじゃ。
サッカー見ながらご飯にしたがかなり絶望というか意気消沈する。
初日はここまで。

さて二日目、東京サブウェイチケットを使います。あほなわたしは次回分も購入しておけばいいのに疲れすぎてて考えられなかったので、今になってしもたと思ったり。
左肩は完全に炎症起こしててアウト。しかしビタミンBのおかげで口角炎は治癒した。

畠山記念館へ。なのにわたしは京都へ行くの、やない。うっかり乗り過ごして戸越におるがな。いややのー。
「春に想う」おう、綺麗な古美術。こういうのがいちばんほっとする。安寧。

気持ちよくなってから徒歩で白金台へ。
ああ、大きな椿、いつもの春。
 
嬉しいなと思いながら歩く。

ちょっと見ない間に道路工事が終わり、完全に柵がズーンとなってて、これは渡りにくいことになったな。
仕方ないのでまっすぐ歩く。

庭園美術館の梅。
庭園美術館「ガレの庭」…素晴らしい。アールデコの館でその一昔前のアールヌーヴォーの美を愉しむ。
これはたとえば明治の擬洋風の洋館で江戸の指物などを家具としておくあの感覚と同じかもしれない。とても素敵だ。
坂田靖子「孔雀の庭」を思い出した。

目黒駅に出たがここで昼の選択肢を間違えた。レンコンと竹輪の天ぷらはよいが後はダメなものを食べて反省する。
もっと違う選択肢を選べよ、わたし。

太田浮世絵記念館で勝川春章の後期を見る。これがまたよろしい。
よすぎてついつい予定を変えて、そのまま出光に出向いてしまった。
出光の春章の肉筆絵。生の絵の良さよ。

まあ結局どちらも良すぎて時間が押してしまったし、更に電車の選択ミスもあり、三井についたら閉館前30分ですがな。
でもお雛様を愛でるのがメインだからそんな細かいことは言わず、機嫌よく鑑賞する。
毎年のお楽しみですな。

しかし時間配分が狂ったので行こうと思っていた原画展はあきらめて、日比谷図書文化館へ。
祖父江慎の仕事を見る。
「うわーっ」な世界。あれもこれもそれもみんな祖父江慎。
驚きましたわ。しかもその仕事の見事さ。
そーかーそうだったのかーーーという納得。ほんまにすごい。

ここでまたやらかしてしまう。公園を出たときに居合わせたおまわりさんに銀座へ行くための駅までの道を訊いたら、何故か新橋を勧められた。内幸町の前のところでの話。
仕方ない、歩くか。
久しぶりにダイビルの猛獣たちを眺めてからトコトコ…

教文館でアントニン・レーモンド展を見る。
ものすごくいい内容。濃いなー。なにしろこの教文館もヤマハも昔の松坂屋もレーモンド。
良すぎる。ホンマに良すぎる。正直、こんなにいいとは予想外。
撮影可能だがあまりに資料ありすぎて、撮影してて虚しくなった。やめよう。とはいえ撮った分はまた感想に挙げます。
300円のリーフレットがまたよろしい。これは価値があるな。
前に見た展覧会よりここのがより良い。ほんまにええわ。

どこかに食べに行く予定が、今度は侍ジャパンの放送があると言うので宿へ帰る。
2日目、ここまで。

三日目、日曜。
東京のいつものロッカーに荷物を預けて大手町へ。
都営三田線に乗るために日本工業倶楽部と東京銀行協会とを行きすぎる。
素敵な建物。


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高島平へ。
バスもうまく乗れた。板橋区美術館はハズレなしなのだが、あまりに遠くてたまに鬱屈する。
しかしここにはハズレはない。

「子供之友」の展覧会。これがまたたいへんよろしい。
刈谷市、姫路市にも巡回するので姫路にも見に行くが、ホンマに良かった。
で、ここで絵本作家の吉田稔美さんにお会いする。
やっぱり印刷物っていいですよねという話です。

梅林にはメジロも飛び交っていた。

その梅林の奥の郷土資料館では「江戸の縁切」の展覧会。
これがもう非常に面白かった。タメになるかどうかは知らん。
なにしろ法律も変わったし、なによりわたしの場合だと、「離婚するためには結婚しなくてはいけません」状態。
上の言葉は殿山泰司の本妻の言葉。
それで殿山泰司は新しい彼女と結婚できず、あちら立てればこちらが立たずで生涯を終えるのだ。

古民家があった。
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成増に出た。ここでお昼を食べるべきだったが、どうしてもフキノトウの天ぷらが食べたくて石神井公園へ向かう。
結局中途半端にパンとかナンダカンダ食べてしまうことになったうえ、待ち時間がやたらと長く、とうとう発熱してしまった。
まぁ今日が最後のフキノトウの天ぷらを食べれたのはよかったが、今後は開店直後以外は決して入らないようにしなくてはダメだ。
席がいくつも空いていても対応が出来ないのだ、ここは。

そんなだから展示は一切楽しめなかった。残念。

石神井公園から中村橋へ。練馬区美術館「国芳イズム」これがもうすごく面白かった。
いやーよろしいわ。三期に分かれての展示なのでまた出かけるけどたのしみやわ。
国芳だけでなく彼の弟子たち、そしてどうやら影響を受けてもいる絵師たちも併せて紹介。
山本昇雲や小林永濯なんてめったに見れない。
ああ面白かった。

ここでタイムアウト。
池袋経由で東京へ。

舟和の芋羊羹を購入して、エキナカでヒラメのエンガワ押し寿司共々お土産に。
新幹線が走りだした途端にザザ降り。うむ、わたしが傘を持ち歩くことでその間都内の雨を止めたのだ。えへん。

新大阪は雨もやんでるので、この際と思い梅田に向かい、自力で帰る。
疲れましたわ。

しかし皮肉なことに肩の炎症のせいで痛すぎて眠れなかったのだった。

次の都内出没の日は3/18になる。
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