美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

3月の東京ハイカイ 後半の記録 その1

三月の後半の東京ハイカイ録です。

急遽お彼岸の連休を東京ハイカイにしたのにはわけがあって、ありがたいことに「俺たちの国芳 わたしの国貞」展の内覧会に招待されたからだった。
子供の頃は国芳より国貞が好きだったわたくし、好きな絵師二人の絵がブンカムラに大集合の時におよばれされたのは、これは万難を排して出かけろと言う話だと、例によって至って都合よく解釈しておでかけ。
とはいえ急遽なので定宿がとれず(電話したら何とかなったかもしれないが)、それならとあえて違う所を探して、田原町の宿をとったわけです。

さてわたくしは16時前にはブンカムラに入りたいから朝に都内に入り、渋谷が終着点になるようなコースを考えた。
そこで品川に荷物を置いて大井町線で二子玉川へ。
あまりに久しぶりにこのルートを採ったもんで、忘れきってたのよ、品川からこのルートが使えるのを。これが大正解で、空いた東急線で機嫌よくスイスイとニコタマにつきました。えーといつ以来かな。もしかすると十年ぶりくらいかもしれない。
品川に新幹線発着前まではよく…歳月人を待たないぜ、旧いことを思うより先に歩けよ。
ということでバスに乗って静嘉堂へ向かう。
ところで大井町に駅そばがあるのも今回初めて知った。
昔々し大井町によくお世話になってたが、あの頃はそんなのなかったからなあ。
春菊の天ぷらがカリカリしてておいしうございましたわ。

まあ展覧会の個々の内容は後日また日延べしながら書き上げて行きます。

茶の湯と煎茶の楽しみ。
これはもう圧倒的に煎茶具の可愛らしさにヤラレてしもたわ。
数年前の出光美術館での山田常山展以来、急須愛に目覚めたわたくし、久しぶりに急須愛が再沸騰しましたわ!
いやー可愛いのう。

いいお天気だし乗り継ぎも悪いから歩いてみようと思い、世田谷美術館へ。
聖ドミニコ学園の外周を行き、坂を上り、人に道を訊き訊きようやく高速下に来ましたら、さっき道を訊いた奥さんが追いかけてきて、曲がるのは左、そこからかが早いとわざわざ。
ありがとうございました。

美術館前についたら正午になったので、レストハウスでおでんを食べて、それから美術館へGO!ファッション史ね、ロココから近代までのフランスの。
マネキンはみんな神戸ファッション美術館から大挙してお出まし。配置が違うのでなかなか新鮮な感じ。資料は石津コレクションから。
この資料が圧倒的で、それにヤラレましたがなー凄いの一言。
バルビエらの美麗なファッション・プレートを熱心に読み耽って時間が無くなる。

渋谷に戻り松濤美術館へ。沖正一郎コレクションの鼻煙壺を愉しむ。東洋陶磁美術館、町田市博物館に寄贈された品々はこれまでにも見てきたが、こちらはまたそれらとは違うコレクション。すばらしいなあ。

なお渋谷区の小中学生の絵も展示されているが、指導されてる方向で製作するから、大きくなるにつれ面白くなくなる。小1はコラージュ作品なんだが、現代アート風で、それらを見ていると色々と考えたくなることがたくさん出てきた。

ロッカールームで「くにくに」展の図録を持つ人にあったのでプレス関係かと話しかけると果たしてそうで、思わず話が弾む弾む。
新聞社の人だったがわたしがブロガーですと言うと「ブロガーさんの力は強いですからねえ」と半ばため息交じりで言われたが、新聞の評より今ではネット関係の方が展覧会の情報や紹介が充実しているようだった。
なるほどなあ…とはいえ新聞を必ず読む者としては、新聞もまたがんばってほしいのですよ。

さて装束も改め(靴も替えて)ブンカムラへ。
随分な行列だが、知人に会えるかしらと思いつつ並ぶと、関係者入定(凄い字で出てきた!)
ならぬ入場シーンで長谷川Q蔵さん。そう、今回の展覧会の立役者のお一人なのですよ。
それで小さく「こんにちは」とご挨拶したらですね、なんとなんと偶然にもわたしのすぐそばにこの後近藤ようこさんからご紹介していただくご予定の飯田耕一郎さんがおいでで、その様子を視て「あっこの人が遊行さん」とピンと来ていたそうなのでした。
ツイッター上では既に親しくさせていただいてても顔は未知の筈がその眼力と洞察力。
さすが空海を描いた「沙の悪霊」の作者の方だけあります。
わたし、びっくりしましたがな。

今回の展覧会のイヤホンガイドは中村七之助丈。多忙な中ご挨拶をと現れたので、一層華やかになる状況。
いいですなー、嬉しいわ。
さあ開場、早速イヤホンガイドを借りる。七之助丈の声をも楽しむ。
いいガイドだった。
芝居絵のガイドだとそのお役の声となり、臨場感たっぷり。聴くこちらもついついその気になる。浮世絵と歌舞伎は切っても切れぬもの。七之助丈のおかげで動かぬ絵が動き始めてゆくようにも思えたり。ああ、いいのを聴いたわ~

ボストン美術館の収蔵時期を思うと、やはり当然なのかもしれないが、とにかく国芳、国貞の絵の発色の鮮やかさに感心した。
ボストン美術館の浮世絵コレクションはこれまでにも見てきたが、いずれも色の綺麗さにヲヲとなっている。今回もそう。知らない作品の多さにもビックリする。
楽しい展覧会だったなあ。

レセプションはドゥ マゴ パリのオープンカフェエリアで。
さすがにおいしいね。白ワインも二杯ほどいただき、かなりご機嫌になってからまた展示をぐるぐる。

それで出てきたら近藤ようこさんにお会いできて、飯田耕一郎さんにもご紹介を…で、この話の始まりになるわけです。
とにかく三人でマンガの話で盛り上がる盛り上がる。
わたしは70年代初頭からマンガを読むようになって、今日まで現役の読み手なので、偏っているとはいえ色々お話も出来てよかった。
この後は三人で渋谷駅前のパーラーでフルーツサンドなどつまみながらまた話が…
途中でトークショーの打ち合わせになったのですが、まぁそこでわたくしはファン代表という立場をいただきながら面白すぎる話をいくつも聞いたり。
ここでそれが書けないのが惜しいが、書いてもあの臨場感がないとねえ。
お二人のトークショーは5月に開かれますので、行かれる方はぜひぜひ。

ああ楽しかった。
渋谷で別れてからわたしは品川に戻ったが、そこでイートインフロアの大変身を知るわけです。つまりわたしが品川をよく使っていたのは7年以前。飛行機に乗ってた頃ね。
お店も一変し、ふと見たら紀伊国屋本店の地下に入ってる水山さんがあるやん。ここのうどんは好きなの。東京で一番好きなうどん屋。美味しくいただきましたが、店員さんもわたしもお互いに一つずつ親切なことをしたので、和む和む。
また次も行きますわ。

雨の中、ちょっと苦労して送迎バスへ向かう。
実は上野は公園口と不忍口以外知らないのよ。
初日はここまで。


2日目は土曜日。
雨ですがな。まだ曇ってる間に鎌倉へ向かう。ちょっと難しいルートで行く。アタマが痛いが、まぁやはり定宿の方が色々いいわな。

鎌倉は雨。10時越えてたので先に源吉兆庵美術館。
珍しいものを観た。無惨絵の芳幾の美人絵や守屋多々志の少女、それからさまざまな種類の櫛笄簪などなど。鼈甲、象牙より蒔絵に螺鈿の方がわたしは好きだ。
あとは魯山人の器。

清方記念館では大正時代の可愛い・魅惑的な娘の絵を堪能。この時代の潮流は間違いなく「カワイイ」+妖艶だと思うわ。

斜めにある鎌倉野菜で有名なかん太のカレーを食べる。チキンが完全に繊維になってるのが嬉しい。わたしはあんまり炊いた鳥はニガテなので、これくらい線維化してたら嬉しい。
野菜がまた立派な食べごたえのものばかりがカレー炒めされてて美味しかったわ。

雨の中を鶴岡八幡宮へ。足元ツルツルして危険なので上まではゆかず。
諦めた。それで国宝館に行く。地元の立派なコレクションが展示されている。
お雛様も大概たくさん見てきたが、関東での御殿づくりのは珍しいな。しかも電灯つき。
錫、陶磁器、蒔絵で拵えられた雛道具にも感心するばかり。大好きな世界。
ああ、楽しかった。

長谷寺に行くのは諦めて横浜へ。
一日券を使いみなとみらい線うろうろ。
日本大通り。まず開港資料館へ。
プロイセンと日本との修好通商条約150年記念の展示を見るが、何やらお客さんを案内していたのがあれで、ちゃんと見れなかったのは残念。

放送ライブラリーの入る横浜商工奨励館の残されている素敵な空間を撮影し、それから放送ライブラリーでのウルトラマン展を見る。
入場無料でこれだけ楽しませてくれるとはすごいな。
物語の紹介と怪獣の現物や一部などの展示。スタッフの紹介、エピソード満載の上に映像も見れて…また行くよわたしは。本当にかっこよかった。

次にユーラシア文化館の方で「貿易都市マニラの栄光―考古学が語る太平洋航路の成立と発展」展を見たが、意外なくらい色んな発見があった。
何かというと、マニラは中世においてアジアの一大貿易都市だという事実、これをわたしはなーーんにも考えてなかったのだ。
明代のやきものも沈没船からたくさんサルベージされて、フィリピンの海域が貿易上いかに重要な場所かということをも今回初めて認識したよ。うーむ、それだけに凄いわ。
日本の侍が傭兵になった遺品として刀の鐔のダメになったのとかもあるしね。
暹羅では山田長政がいたけど、じゃがたらにも追放されたり国を捨てた日本人もいたしなあ。
そう、棄民政策は大昔から得意技の日本。

一階ではマニラに残るカトリックの教会建築の写真。バロック建築がやっぱり面白い。
近年わたしはバロックとロマネスクにハマッているの。
フィリピンに行く予定は全くないけど、教会建築群は見てみたいと思った。

神奈川歴博で「石」を見た。
えーとね、「石」と言われてもどういうのかよくわからんなと思ってたら、ほんまに石でした。現物いっぱいありましたがな。
ハンドアックスとか矢じりとかに使うてた石、中世になったら宝篋印塔になったりとか、近代では洋風建築に使われたりとか。
辰野金吾の日銀本店、妻木頼黄の横浜正金銀行本店つまりこの神奈川歴博には「白丁場石」というのが使われているそうな。
うーむ賢くなったぞ。

常設では面白いカルタを見た。昔の映画・演劇のカルタでちょっとえろ風味も聞かせてたりするいかにもなカルタでした。
あとは五姓田一家の仕事とかな。

横浜美術館へ。
村上隆のコレクションを見たんだが、千葉で見た杉本博司のコレクション同様、あまりに凄いのを見ると感心するばかりでうらやましいという感情が湧き起らないもんですな。
彼らはこれらをきちんと保全し、世間さんにどやと見せれる力があるねんから、それでよろしいですがな。
わたしは機嫌よくパチパチ撮らせてもらったよ。
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常設の裸婦もよく、ドイツのあの男爵の美少年のヌード写真とか楽しいわ♪
古径の神話画、清方の艶めかしいのも見たし、ご機嫌ですわ。

崎陽軒で晩御飯。八宝菜と麻婆豆腐など食べたがちょっと食べすぎた。反省。
とりあえずここまで。
追記
横浜美術館で見た他のもの

わんこ
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ヘンリー・ダーガーもあるのね
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きらきらして綺麗
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巨大なぬいぐるみなのか??
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裸婦。
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この配置は意図的という確信犯だよな。
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独逸の某男爵の。嬉しいわ、初めて見れた。
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清方の耽美的な遊女
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古径の神話の少女
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面白かったわ。
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