美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **なお現在コメント欄を閉鎖中です。

永樂歴代と17代目永樂善五郎 日本の美 京のみやび

高島屋を巡回している永樂家のやきものをみた。
「永樂歴代と17代目永樂善五郎 日本の美 京のみやび」展である。
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最初に当代善五郎のやきものを見るが、モダンすぎてわたしにはわからない。
わからなくてもいいのだが、わからなさすぎて逃げてしまった。
しかし逃げた先には大抵自分好みの作品が現れるものである。

11代目の保全がとにかく好きだ。
それは尾形乾山、樂家だと三代目の道入、幕末の道八、頴川、木米ら作家性の強い人々のやきものが好きだと常々公言しているわたしのなかでは当然の話だった。
というより、何かやきものがあったとして、そのたくさん並ぶうちに好ましいと思うものが見えてフラフラ近寄ると、必ず上記の人々の手によるものだという事実がある。
誰某が好き!という以上に、好きなものは誰某の拵えたものだった!=だから誰某が好き!というシンプルな設定が生き続けることになる。

というわけで保全を堪能する。
小さくて愛らしい香合がずらりと並ぶ。並べ方がまたうまくて、いよいよ可愛らしさがアップする。兜などもみえる。

茶碗もいい。
大好きな日の出鶴丸茶碗がある。
普段のわたしから思えば何故に?と思われるような選択かもしれないが、この茶碗は最初に見たときからずっと好き。
img819.jpg

こんなにも多くの保全の作品を見るのは実に久しぶり。
松濤と茶道資料館でほぼ同時期に「めでたい春の茶道具」を眺めて以来かも知れない。

交趾竜建水 すごくいい色が出ている。地は納戸色というよりピーコックブルーに近い青で、そこに赤みの濃い金色のような光り方をする龍が踊っている。顔は当然ながらファンキー。

絵もある。
白蔵主の後姿をさらりと描いているが、狐というより狸のような体形で、白狐ならぬ白狸である。

賞翫したいものが多い。
ぐい飲みではなく「酒飲み」。小さな杯がどれもこれも愛らしい。
御本立鶴酒飲、鴬宿梅酒飲などなどキュンとなるものに目がゆく。
菊置上香合もいい。これが例の記念で造られたもの。

12代目の和全の香合にも愛らしいものがあった。
有馬筆香合 有馬筆とは何かというと豆人形が筆の頭から飛び出る仕掛けのもの。
むろん飛び出すことはないやきものだが、ちょこんと蓋の上に人形がいる。サイドには椿の絵もある小さな香合。

和全は布目のやきものを開発した。
三井記念美術館にもあるのでご存知の方も多いだろう。

色絵三重箱 蓋に黄椿。

保全、和全は共に三井家から愛顧されていた。
保全の作品を世に出そうキャンペーンをしたのは三井家だったことを思うと、その関係の深さがしのばれる。

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代を重ねる永樂家。
そもそも永樂家となった理由などもパネル説明されている。
前掲の菊置上香合はその記念。

14代得全もいい。
オランダ写しの鉢などは日本でもこんな色が出せたのかと思うような、本場さながらの薄いオレンジ色を見せていた。

御本立雲鶴茶碗もいいし、内外に牡丹の花を隙間なく埋めた茶碗も濃厚な妖艶さがある。
時代性もあって派手で華やか。

さてその得全が亡くなると奥さんの妙全が跡を継ぎ、幕末から昭和初期まで頑張って生き抜いた。愛らしい作品が多く、特別好みではないが、やはりいいものはいい。

16代即全はまた愛らしいものが多い一方、ちょっとキラキラしすぎな作品が集められていた。いい意味での「あ・かるい」作品がたくさんあり、言えば気負わずそのやきものに向き合えるような親しみがある。

当代の近年の作が並ぶ。
これが実にいい。若い頃のものより、近年の充実した作品群にはわくわくした。
干支のシリーズが可愛くてならない。水指なのでやや大きめで、それらがもう可愛くて可愛くて。寅は筒形で顔と前足だけちょっと出張っているが、全身の黄色と黒のシマシマがもう本当に噛んだろかと思うほどに愛らしい。
ウサギもいいし、背負い籠の働くお猿もいい。いずれも表千家のお正月のためのもの。

香合もいい。干支の香合は水指とはまた趣が違うもののやはり鍾愛のヒトシナばかり。
表千家の方々、さぞや可愛がってはることでしょうなあ。

また、千家十職の横つながりで一閑貼りの蓋などもあり、こうしたコラボを見るのも楽しくてならない。
以前にみんぱくでみた「みんぱくx千家十職」展の楽しかったことを思い出す。

ああ、いいものをみた。

京都の次は大阪なんばの高島屋に巡回。もう一度見に行くのもいいなと思っている。

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