美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

生賴範義展 THE ILLUSTRATOR ―スター・ウォーズ、ゴジラを描いた巨匠の軌跡―

子供の頃から気づかぬままに見知っていて、好きになったりする絵というのは、まず挿絵や絵本だと思う。
生賴範義の絵は自分が意識する以前から途轍もなくカッコイイ絵として、頭と胸に刻まれていた。

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宮崎県に長く住んでらしたが、明石生まれだという。
明石生まれの画家と言えば近代美人画の寺島紫明しか知らない。
紫明の展覧会もかつてはこの明石文化博物館で開催された。
他にもこれまでに興味深い展覧会を送り出してきているので、行く前からわくわくしていた。

通称「生賴タワー」。
これは撮影可能。改めてチェックすると「あ、あれあれ!」「あ、懐かしい!」「えっあれも?!」というものばかり。
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本当に迫力があるなあ。
なにしろ生賴さんの絵が表紙だからで手に取った本というのは無限にある。
無限、と簡単に書いたが実際のところ人間の仕事だから本当は限りがあるはずなのだが、しかし「生賴範義」の仕事は数えきれないほどある。
調査中だというのも怖い。まだまだ世に埋もれた名作があるに違いない。

わたしは中一の時、平井和正「ウルフガイ」を知って熱狂した。
小説の内容もさることながら、生賴さんの挿絵にドキドキしたのが強い。
なにしろこんなにかっこいい男性を描いた絵は他に知らなかった。
美少年の絵は無限に見ているが、カッコイイ人は意外と知らなかったのだ。

こちらは「日本沈没」の2006年の映画のための仕事で、もろに四条の南座や菊水などがヤラレてますがな。
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困るなあ~

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平井和正と小松左京。
このSF 界の巨匠二人が揃って大ファンで、オーライさんのイメージを壊したくない、と平井和正はウルフガイの映像化を拒み、ある仕事で描いてもらった自分の肖像が気に入り、小松左京はそれを遺影にする。

わたしなぞもウルフガイや幻魔大戦はやっぱりこの表紙!と思うし、「復活の日」はやはりこれだからこその感動がある。

原画展ではこうした想いを懐かせた作品に会えて、更に強く憧れが湧いたり、初めて見た原画の迫力に心どよめいたりする。

「ゴジラ」の迫力にもコーフンするが、やっぱりこちらよ。
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「帝国の逆襲」。ルーカスからの依頼があったのも当然の力業。
本当にカッコいい。

「Future War 198X年」というアニメーションが上映されたことがある。
生賴さんはそのポスターを手掛けた。キャラ設定は別人だが、確かあの当時、生賴さんの絵が先にあって、そこからキャラ設定になったというような話を聞いたが、今となっては確認できない。
主題歌は今でもわたしの耳に残っているが、色々あったようで当時「アニメージュ」でも安彦良和さんがかなり強く批判されていた。
わたしもその当時、これはまずいのではないかと子供心に思い、結局映画は見なかったが、そんな事件があったので忘れることなく今日に至っている。
生賴さんはアニメージュだったか、ほかの媒体だったか、映画についてやはり批判的な発言をされていた。
しかし生賴さんのポスターはとてもかっこよかったのも事実だった。
今から思うと、この時はまだ確かにリベラルな空気があり、戦争を賛美することは決して許さない、という強い意思があったのだ。

生賴さんの映画ポスターといえば「ミラクルマスター 七つの冒険」というのもある。上記と同年の作品。
これがやっぱり映画としてはもぉ本当にどうでもいいのだが、しかし生賴さんのポスターがかっこいいので、それ欲しさにのこのこと…

思い出は尽きない。作品もまだまだ無数にある。

展示ではある一室が生賴さんの美女で埋まっていた。撮影可能だがnetに出してはいけないのでわたしは挙げない。
歴史・神話・物語の美女を時代を超越した背景と共に描いたシリーズで、これが本当にカッコよかった。
雑誌「SFアドベンチャー」の表紙絵である。
立体的な造形の美女たちが居並ぶ空間は将に圧倒的だった。

本当に行けてよかった。
改めて生賴範義という作家の力業にねじ伏せられ、その魅力に深く溺れた。
新作はもう望めないが、手元にある本の表紙、ポスターなどが光を放ち、闇の魅力を説き続ける。
生賴さん、長らくありがとうございました。
そしてこれからもずっと…
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